今弘南鉄道がヤバい!?ついにすべての路線で赤字へ転落
順調に利用者数を減らしている弘南鉄道大鰐線だが、
弘南線を含め、
弘南鉄道全体的な赤字経営からどう脱却すべきか?
12月10日の東奥日報朝刊による報道では、
弘南鉄道の主力路線=黒字路線である弘南線も遂に赤字へと転落してしまった。
これまでは大鰐線の赤字を弘南線の黒字で埋め合わせるやり方がお約束であったが(JR北海道みたいに)、
弘南線すら赤字になってしまうと、
もはや弘南鉄道全体的に経営が火の車である。
一方、大鰐線の利用者数は1974年度(昭和49年度)に389万8000人を記録したが、
2010年度(平成22年度)は62万5000人、
2011年度(平成23年度)は56万2000人と減少の一途をたどっている。
経常収支については、
運賃値上げの影響で黒字になった2009年度をのぞくと、
2002年度から赤字に転落しているのだ。
ダイヤ改正では大量減便を実行したが・・・?
2019年10月に弘南鉄道では、
ダイヤ改正においてこれまでにない大量減便を実行。
弘南線、大鰐線ともに大幅に列車本数が削減され、
利用者からは不便の声が多数出ている。
ただ、これでは利用者増加対策にはならず、
単にコスト削減の一環にすぎない。
そのため根本的な大鰐線テコ入れにはなっていないのである。
では、弘南鉄道利便性向上並びに利用者増加のためには、
どのような手を打つ必要があるのだろうか?
そこで、このような案を検証してみる。
大鰐線のBRTもしくはLRTへの転換が適しているワケは?
そう、大鰐線におけるBRTもしくはLRTへの転換である。
既存の鉄道設備だと弘南鉄道にとっては重いものであり、
それを軽量化することで幾分か負担を軽くするという作戦である。
しかも既存の車両は製造から半世紀近く経過しており、
枕木やら部品やら内外装やらすべての部分で老朽化が進行。
維持費にかなりのカネが費やされている。
これだと利便性向上のためにも何一つ対策が打てないのは当然である。
また、大鰐線は路線距離が20キロにも満たない短距離かつ駅間が短いという特徴だが、
これはBRTないしLRTの条件に多数当てはまっている。
こういった背景もあり、
大鰐線はBRTやLRTへの転換に非常に向いているのではないだろうか?
BRTは維持費が軽く増発・運行区間の拡張がしやすい!
大鰐線の現状に最も合致しているであろう選択肢は、
BRTもしくはLRTへの転換だ。
BRT(バス・ラピッド・トランジット)は日本語で言うと「バス高速輸送システム」。
いわゆるバスが専用車線を通る交通システムである。
BRTは現に東日本大震災により不通となった気仙沼線・大船渡線で導入されており、
線路を撤去しそこにバス専用車線を敷設している。
しかもこれはJR東日本が転換後も引き続き運営しているものであり、
鉄道会社がBRT運営に参戦しているのはココが唯一である。
そのため弘南鉄道がBRTを運営することも、
全くおかしなことではない。
むしろ既存の設備だと重すぎるため、
BRTへ転換すると設備の軽量化だけでなく、
本数の大量増発やIC導入の簡易化、
路線の柔軟な設定など、
メリットの面が非常に多いのである。
LRTも維持費が軽くなるが電化設備は残る
一方LRTは正式名称が「ライトレールトランジット」であり、
北米の「輸送力が軽量級な都市旅客鉄道」の意である。
日本では「富山ライトレール」があるが、
本当はライトレールの定義から外れており(専用軌道比率の関係などで)、
実際は広島電鉄などが該当する。
ライトレールでは専用軌道を敷設するだけであり、
枕木などの敷設が必要ないため維持費軽減が可能である。
ただ、電化設備は維持する必要があるため、
弘南鉄道はそれが嫌なのであればBRTでもいいだろう。
その他弘南鉄道はどう大鰐線をテコ入れすべきか?
もし大鰐線がBRT・LRTへの転換を図った際、
利用者増加のためにどういう手を打てばよいのか?
そこで考えてみた事案が以下の通り。
・BRT・LRTへの転換後、中央弘前駅と弘前駅を結ぶ路線を新設し、利用開拓を図る。
・今時のキャッシュレス時代に追いつくため交通系ICカードを導入し、利便性向上を図る。発展型として車内清算時においてはキャッシュレスオンリーとし、現金使用を一切受け付けない。そうすると乗車人員データなどの把握が迅速かつ容易となり、清算設備も軽くなる。
・朝の通勤通学時間帯は10分間隔にし、それ以外は15分間隔とする。
・赤字路線の大鰐線とは言え、沿線に高校・大学が集中し朝は混雑するため、それに対応すべく連接バス(2両ほど)を導入する。
以上のような事案が考えられるだろう。
現状、具体的な大鰐線改善策は出ていないが、
常に時限爆弾を抱えているようなものであり、
いつBAN(廃止)してもおかしくない状況である。
もはや時間の問題なので、
いち早く打開策を見出だす必要があるだろう。
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