青森県内にある新幹線・在来線の駅を色々な角度から評価し、
それぞれの駅の使い勝手の良さを浮き彫りにしていくシリーズ企画、
題して「各駅評論」。
今回は、外ヶ浜町にある蟹田駅を視察。
かつては津軽海峡線の特急が停車していたこともあり、
津軽線の中では青森駅を除いて現時点で唯一のみどりの窓口設置駅である。
しかしながら、特急が廃止されたことで本数が一気に減り、
利便性としては大きく低下。
玄関口の役割は奥津軽いまべつ駅に奪われてしまった。
そんな皮肉な事情を抱える蟹田駅を早速視察していこう。
◆アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)
蟹田駅へのアクセスは容易である。
青森方面からも今別方面からも国道から1本でたどり着ける。
しかも国道280号の旧道とバイパスのちょうど真ん中に位置しているため、
いずれの方向からもアクセス可能だ。
更に蟹田駅西口には広大な駐車場が、
東口(正面口)にも物産店を兼ねた駐車場が整備されているため、
パークアンドライドを考慮した仕様となっている(詳しくは後述)。
案内に関しても、
国道280号の旧道およびバイパスに標識がしっかり設置されているため、
迷うことはまずないだろう。
さすが元特急停車駅だけあって、
駅前道路も片側1車線となっており広い+歩道も整備されている。
尚、3枚目の写真は西口の駅前道路である。
◆パークアンドライドは整っているか?
蟹田駅のパークアンドライドは完璧と言ってもいいほど過言ではない。
駅前には広大な駐車場が整備されており、
裏口にあたる西口のほうがメインとなっている(1枚目)。
ざっと見積もっても30台は停められそうな広さである。
駐車スペースも東口と比べ倍以上の差があり、
利用者数の割にはだだっ広い駐車スペースが確保されている。
さすが元特急停車駅だけあって、
その名残が今でも残っているよう。
まるで、元特急停車駅の威厳を見せつけるかのような広さだ。
一方、東口の駐車場は事実上、
3枚目の蟹田駅前市場「ウェル蟹」と共有する形となっており、
東口に車を停めたいという場合はこちらを利用すると良い。
尚、東口(正面口)の目の前のスペースは駐車禁止になっているためご注意(2枚目)。
◆駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)
駅舎リニューアル後、
内外壁や駅舎内のデザインが一新され、
木目調も取り入れながらどこか落ち着くような”あずましい”雰囲気に様変わりした。
ベンチだけでなく大きめな机もあったため、
列車の待ち時間に学生が勉強できるようなスペースも確保されており好印象だ。
有人駅ということもあり、
ゴミは落ちておらず全体的にきれいな印象を受けた。
次に跨線橋。
やや古い感じだが床にゴミが落ちているということはなかった。
それにしても、3枚目の跨線橋に謎の柵があるのだが一体何なのか・・・
これについては後述になって明らかになる。
こちらは2・3番線ホームの待合室。
駅舎リニューアルと同時にここもテコ入れがされたのか、
比較的新しい設備となっている。
天井の木材や白壁、木製ベンチが何ともあずましい雰囲気である。
こちらに関してもゴミなどは落ちておらず、
気持ちよく利用できるため高評価。
ホームに関しても、
元特急停車駅だけあって割ときれいに整備されている。
現在は長くても2両編成の電車しかやってこなくなったが、
ホームの有効長は特急時代に合わせて8両分あるため、
先端部分はほぼ使われない。
唯一、ぼっ〇くり臨時列車「四季島」や貨物列車が端から端まで停まるくらいである。
因みに、昔走っていた数多くの寝台特急では、
蟹田駅でJR東日本とJR北海道の乗務員が交代していた。
ホーム先端にある休憩室には、
「JR北海道函館支社」と書かれたテプラがストーブに張り付けてあるほど、
蟹田駅はJR北海道との関係性も深いことが伺える。
そしてこちらが「ステップロード」と呼ばれる蟹田駅の自由通路である。
真ん中にはスロープが設置されているため、
自転車も乗り入れ可能な設計となっている。
これは東青森駅以来だ。
さて、2枚目を見てお気づきの人も多いかと思うが、
柵の向こう側は先述の跨線橋の内部に繋がっている。
そう、この自由通路、
改札内の跨線橋と共有する珍しいタイプとなっており、
まさに二刀流の役割を果たしているという訳だ。
通常、自由通路は改札外に設置する駅が多いのだが、
蟹田駅は全国的に見ても珍しい、
改札内の跨線橋と改札外の自由通路が一体となったものとなっているのだ。
柵だけを見ると、
あたかも牢屋にぶち込まれたかのような謎の空気感に包まれる。
しかし4枚目の写真をよく見てみると、
階段が錆びて下の部分が多少丸見えになっているではないかw
便利な自由通路とは言えこれはこれで少し恐怖を感じてしまう。
◆トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)
元特急停車駅でもあるため勿論トイレは用意されている。
男性用女性用に加え、
多機能トイレが設置されているのを見ると、
さすが元特急停車駅だなと感じる。
しかしながら、暖房便座であるのは良いがこの駅も石鹸は入っていなかった。
このご時世、石鹸は定期的に入っているか見回ってほしいものだ。
ただ、駅に隣接する「ウェル蟹」のトイレには固形石鹸が置かれていたため、
どうしても石鹸が使いたいという人はこちらのトイレを利用すると良い。
但し、「ウェル蟹」自体は蟹田駅と同じ建物内にないため、
厳しめであるがここでは評価の対象外とする。
◆バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)
2・3番線ホームまでは跨線橋階段を上るしか手段はないため、
足腰の弱い高齢者にとっては大変であろう。
一方、1番線ホームに関しては、
駅舎とホームの段差を解消する車いす用の段差スロープが設置されている。
小さな段差ながら、
何ともご丁寧に段差スロープが置かれている点に関しては印象が良い。
◆裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)
先述の通り、蟹田駅には自由通路があるため、
東西の行き来は容易である。
しかも、東青森駅に続いて自転車が通行可能なスロープ付きの自由通路である点は、
評価が高い。
あとは階段の錆びを修復してくれれば完璧と言ったところであろうか。
◆おまけ
ホーム上には、
かつて運行されていた789系特急スーパー白鳥の乗車案内標識が奇跡的に取り残されていた。
しかし、なぜか6両と書かれている部分だけが削られており、
その他の部分は当時のままになっているのが謎である。
まるでスクラッチを彷彿とさせる標識だ。
6番が当たりなのだろうかw
◆総括
項目 | 点数 | 備考 |
アクセスは良いか? | 4 | 旧道・バイパス280号いずれからもアクセスは容易 |
★▲パークアンドライドは整っているか? | 5 | 特に西口は30台以上の広大な駐車スペースがある |
★駅舎・待合室は綺麗か? | 4 | 全体的にきれいだが自由通路の錆びた部分の修復が望まれる |
★トイレは整備されているか? | 3 | 暖房便座あり、石鹸は駅舎内にはないがウェル蟹にあり |
バリアフリーが保たれているか? | 2 | 三厩方面はいずれにせよ跨線橋を上らなくてはならない |
★裏口は整備されているか? | 5 | 自転車通行可能な自由通路が整備されている |
合計 | 23 | 元特急停車駅だけあって全体的に設備がある程度揃っている |
◆点数 |
▲0・・・無い |
1・・・悪い |
2・・・やや悪い
|
3・・・やや良い
|
4・・・良い |
★5・・・とても良い
|
※2022年5月15日視察
※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。
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