青森県内の駅を色々な角度から評価し、
使いやすさを浮き彫りにしていくシリーズ企画、
題して「各駅評論」。
27回目は田舎館村にある田舎館駅を視察。
弘南鉄道弘南線が走る田舎館村の中心駅・・・
かと思いきや、
田舎館村の中心部からは右にずれたところに位置するという、
何とも絶妙なアイデンティティを持つ駅だ。
村名に”田舎”と冠する田舎館村だが、
実際のところ人口密度は青森県下第3位(310人/km2)、
先日公表された消滅可能性都市では回避するなど、
なかなか健闘している自治体である。
ということで早速視察へ参ろう。
◆アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)
田舎館駅へは県道268号が最寄りであり、
ほぼ駅前広場と接している状態。
アクセスは良いほうである。
また、国道102号が南方に走っているため、
そちらかのアクセスも可能ではあるが、
案内標識は一切ない上道のりも複雑であるため、
県道268号を利用したほうが格段に分かりやすい。
◆パークアンドライドは整っているか?
駐車スペースは農協の建物の手前に、
5~6台程度確保されており、
パークアンドライドは一応整っていると言える。
当日は駐車車両は1台しか確認できなかった。
また、駐輪場も屋根付きのものが整備されており、
10台程度停まっていたため利用者はある程度いる模様。
因みに駅の利用状況を見ると、
中心部から離れている関係か、
乗降人員は2017年で179人となっているが、
年々増加傾向にある。
◆駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)
田舎館駅の駅舎はご覧のように、
何ともレトロな佇まいが特徴。
弘南鉄道でも指折りの風格である。
よく見ると駅名板の上部には旧字体でうっすらと、
「田舎館驛」の文字がペイントされているほど。
尚、駅の開業は1950年と戦後直後であり、
それ以降駅舎の大きな改築工事は行われていない。
駅舎内はご覧のような仕様。
壁一面には平川市在住のアーティストが描いたアートがお出迎え。
外観とは裏腹にひと際際立っている。
まるで異世界に連れていかれそうなデザインだ。
駅舎内には長いベンチと椅子、
それに無人駅にしては珍しくゴミ箱が設置されている。
尚、駅舎内は清掃が行き届いていた。
1987年までは有人駅だったとのことで、
窓口の跡地が未だに残されている。
尚、かつては駅事務室を利用した、
「かくれんぼ」という名の軽食喫茶が併設されていたとのこと。
当時はこのレトロ感満載の駅舎と非常に相性が良かったことだろう。
現在は”別の意味”でかくれんぼしている。
駅舎ホーム側の様子はこんな感じ。
入口上部には駅名標も設置されていた。
改めて田舎館駅は、
昭和にタイムスリップさせられるかのような雰囲気を漂わせている。
尚、先述の”異世界に連れていかれそう”な場合は、
駅舎横にフリーアクセス可能な通路があるため、
そちらを通ると現実世界に生き残ることができる。
ホームはご覧のような細長い仕様。
列車交換可能な島式1面2線構造である。
跨線橋は無く構内踏切を横断する動線となっている。
横断歩道のように黄色い足跡がペイントされているのは珍しい(1枚目)。
ホームには4両編成の停止位置目標が未だに健在。
数年前まで朝の通勤通学時間帯1往復に、
この4両編成が充てられていた。
停止位置目標は現在、
2枚目のようなホーム上に赤いペイントを塗った、
簡素な仕様となっている。
◆トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)
トイレは以前に撤去された。
駅の裏手には何と、
男女共用の水洗式トイレが設置されていたという。
このレトロ感満載の建物からしてにわかに信じがたいが()
◆バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)
先述の通り、
跨線橋はなく構内踏切を渡る構造になっているため、
自動的にバリアフリーが保たれている。
◆裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)
入口は1か所しかないが、
構造上、いずれの方面からも平等にアクセスが可能である。
★おまけ
中央競馬場外馬券販売所、
「ウインズ津軽」までの案内が掲示されている。
そこの最寄り駅は隣の田んぼアート駅であるが、
冬季間休業となるため当駅での案内もされているのであろう。
で、地図をよく見ると、
何と水色の部分が世界地図になっているではないかw
実はこの部分が有名な田んぼアートの会場となっている。
どういう理由か不明だが、
マップ上ではなぜか世界地図として描かれていた。
どこの地図会社なのだろうか・・・?
◆総括
項目 | 点数 | 備考 |
アクセスは良いか? | 4 | 案内標識はないが県道に接する形となっている |
★▲パークアンドライドは整っているか? | 4 | 5~6台程度確保されている |
駅舎・待合室は綺麗か? | 4 | 清掃が行き届いていた |
★▲トイレは整備されているか? | 0 | 現在は無し |
バリアフリーが保たれているか? | 4 | 構内踏切を渡る構造であるためバリアフリー対応 |
★裏口は整備されているか? | 4 | 構造上、いずれの方面からも平等にアクセス可能 |
■おもてなしがされているか? | 0 | 花壇、座布団は無し |
合計 | 20 | 使い勝手の良さ、待合室内にアートが描かれるなど、地域住民に寄り添った造りである |
※2023年11月15日視察
※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。
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