【各駅評論#33】津軽鉄道十川駅写真集 駅舎とホームが埋没!?

交通研究

諸般の事情で新年のご挨拶が遅くなってしまった。

青森県内は全国ニュースでも流れていたように、

数十年に1度レベルの豪雪に見舞われ、

幹線道路や住宅街をはじめとする道路はボコボコ(もはや”道路”でないw)、

鉄道もかつてないほどの運休が発生し、

一時交通網は寸断された状態となった。

都市部でも大雪により路肩の雪が大きな壁となり、

ここは南極大陸かと錯覚するほど()

もはや人の住む場所ではないw

さて、気を取り直して・・・

2025年の青い森研究所ブログ(アオブロ)も、

どうぞよろしくお願いしたい。


青森県内の駅を色々な角度から評価し、

使いやすさを浮き彫りにしていくシリーズ企画、

題して「各駅評論」。

33回目は五所川原市にある、

津軽鉄道十川駅を視察。

開業は1961年(昭和36年)と、

津軽鉄道では最も新しい駅。

駅名は駅西側を流れる「旧十川」という川が由来と思われる。

位置的には五所川原市の市街地の北端にある、

ぱっと見はごくごく普通の小さな駅にしか見えないが、

この駅もツッコミどころがある、

実に興味深い駅であった。

ということで早速視察をはじめよう。

アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)

十川駅へは国道339号から分岐する市道に接している。

市道そのものはご覧のように片側1車線が確保されており、

センターラインも明確に引かれているため、

車では走りやすい道路だ。

ただし、これといった案内標識は一切無いため、

初見では分かりづらい点があるかもしれない。

唯一の目印としては踏切のほかに、

セレモニーホールの前に弘南バス「十川駅前」のバス停が立っている。

パークアンドライドは整っているか?

お察しのように十川駅には、

駐車場も無ければ駐輪場も整備されておらず、

徒歩圏内の近隣住民のみの利用を想定として造られている模様。

その背景もあり、

2015年の十川駅の1日平均乗降客数はたったの9人。

五所川原駅から1.3キロしか離れていないにもかかわらず、

利用者数はまるでプチ秘境駅並みの数。

しかしながら駅南方には、

青森テクノポリスハイテク工業団地漆川(通称:漆川工業団地)が鎮座しており、

五所川原市によれば分譲率も好調だという。

せっかく工業団地が駅チカにあるのだから、

これをうまく生かせば駅利用者数もある程度確保できると思われるのだが。

駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)

外観がピンク色で、

青い三角のとんがり屋根が特徴的な十川駅の駅舎兼待合室。

老朽化が進んでいるため外壁が所々朽ちている。

前回の津軽飯詰駅も同様だが、

ピンクと青のカラーリングを模した駅舎が津軽鉄道ではメジャーなようだ。

駅舎兼待合室の内部はご覧のような非常に簡素な造り。

バス停の待合所を多少豪華絢爛にしたような雰囲気である。

長椅子が設置されており、

複数人が座れるような広々とした長さ。

尚、床はご覧の通り木版で敷かれている影響で、

動けば足音が待合室内に大きく響くほど。

ジャンプすれば床が抜け落ちてしまうかと、

脳裏に過るほど若干の恐怖心を感じさせる設計であった。

清潔感に関しては、

床が木版のため若干のホコリが目立っていた程度である。

前回の津軽飯詰駅でも解説したが、

奥に映っているダイヤル式の電話は、

津軽鉄道の無人駅にすべて設置されており、

列車の遅延などが発生した際、

実際にベルが鳴り情報を知らせてくれるというシステム。

ここ、十川駅の小さな駅舎兼待合室にももれなく設置されている。




トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)

津軽鉄道では最も新しい駅だが、

十川駅にトイレは無い。

バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)

ご覧のように、

駅舎・ホームと駅前道路は、

スロープで結ばれており(多少無理くりくっつけた感があるが)、

階段等は一切ないため、

バリアフリーな造りになっている。

裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)

ホームからはご覧のような田園風景が見える。

十川駅のホームに接する形で道路が通っており、

どちらからでも平等に行き来可能な造りになっていることから、

実質両側に入口がある設計。

よって、当シリーズのルールに則り4点とする。

おまけ

今でこそ十川駅のホームはごく普通の様相であるが、

実は2015年6月頃までこのような光景であった↓

※画像はWikipediaより引用

何と、駅舎兼待合室とホームが谷折りのような感じで内側へ傾いており、

明日埋没してもおかしくないような状態となっていた。

これではもはや世紀末の光景と言っても過言ではない()

当時は地元住民から名物扱いされていたのだろうか?w

むしろ、2015年6月までよくこの状態を保っていたことに驚愕である。

その後、駅舎兼待合室とホームを修繕。

傾きが改善され、

ホームも新しく舗装された。

こちらが2024年3月視察当時の様子であるが、

よく見ると再びホームや駅名標が若干内側へと傾き始めているのが分かる。

この様子だと10年後また埋没する可能性がありそうだ。

十川駅周辺は地盤が緩いのだろうか?

総括

項目 点数 備考
アクセスは良いか? 3 国道339号から分岐する市道に接しているが、案内標識は無し
★▲パークアンドライドは整っているか? 0 駐車場は整備されていない
駅舎・待合室は綺麗か? 3 床が木版のため若干ホコリが目立っていた
★▲トイレは整備されているか? 0 トイレは無し
バリアフリーが保たれているか? 4 階段は無く、ホームと駅前道路はスロープで結ばれている
★裏口は整備されているか? 4 駅前道路と接しており、実質両側から入ることができる
■おもてなしがされているか? 0 駅舎兼待合室やホームに座布団や花壇は無し
合計 14 工業団地が付近にあるため、工場の従業員利用を想定した駅整備をすれば、より利便性は向上するものと思われる
項目別評価基準の詳細(点数の付与方法)はこちら:【やや重要】シリーズ「各駅評論」における評価基準の補足
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※2024年3月24日視察

※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。

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