【各駅評論#10】八戸線陸奥白浜駅編写真集 利用客を懲らしめる勾配10％の駅前道路!?

青森県内にある新幹線・在来線の駅を色々な角度から評価し、

それぞれの駅の使い勝手の良さを浮き彫りにしていくシリーズ企画、

題して「各駅評論」。

今回は、八戸市にある陸奥白浜駅を視察。

八戸線内で随一と言ってもいいほどホームからは美しい太平洋を望むことができ、

実に眺望の良い駅である。

駅名の通り陸奥白浜駅北側には太平洋に面する「白浜海水浴場」があり、

八戸市民の憩いの場でもある。

視察当日はちょうど夏休み期間中だったこともあり、

小さい駅ながら列車からは学生を始めとするレジャー客がドバドバと降りていった。

夏休み期間中はそれほど需要のある駅であることが伺える。

ということで早速視察を行っていこう。

◆アクセスは良いか？（主に国道・県道から、道幅は広いか？）

陸奥白浜駅へはトップナンバーである県道1号からアクセスできる。

この県道1号は観光名所として名高い蕪島や種差海岸を通り、

八戸市中心部からも伸びているためアクセスは悪くはないのだが、

案内標識が一切ないため駅前道路が分かりづらい。

そして肝心の駅前道路はどういう状況になっているのかというと、

2枚目の写真を見ていただくと「お察しください」としか言いようがない()

駅前道路は1車線かつ狭いうえに何と勾配10％もあるという、

まさに駅の利用客を懲らしめる鬼畜な設計となってしまっているw

まだ20代である私でさえ駅前道路を上ったら息切れしてしまうほどであるから、

高齢者にとってはその倍以上足腰に負担がかかりかなり厳しい設計であろう。

◆パークアンドライドは整っているか？

レジャー客の利用が多い駅であるため、

駐車場も多少なりは整備されているのではと思ったが、

ご覧の通り駐車スペースはほとんど無いと言ってよい()

ゴリ押しすれば手前の空き地に数台は停められそうな状況ではあるが、

路上駐車の雰囲気を醸し出すためあまりお勧めしない。

◆駅舎・待合室は綺麗か？（築年数ではなく、手入れがきちんとされているか？）

駅の入り口は1枚目の写真の通り、

これまた超が付くほどの簡素な設計。

ホームに上屋もなければ点字ブロックも設置されていない。

この白線が引かれている駅も「ザ・ローカル線」を彷彿とさせる。

また、駅舎という駅舎は存在せず、

長いベンチと雨除け程度の簡素な待合スペースのみ設けられており、

このタイプの待合スペースが八戸線の駅に多かったりする。

津軽地方と比べれば雪は少ない八戸市であるが、

冬は風が非常に冷たく体力を奪うほどの冷風が吹き付けるため、

せめて全方位壁に覆われた待合室を整備してほしいところではある。

尚、待合スペースは比較的清潔に保たれており目立ったゴミは無かった。

加えて”待合スペース”であるが故か、

虫やクモの巣は意外と少ない。

◆トイレは整備されているか？（ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか）

お察しの通りトイレなどここにはあるはずがない()

ただ、陸奥白浜駅の利用の多くが白浜海水浴場に向かうレジャー客であるため、

そちらにある公衆トイレを使うことになるだろう（多少駅から遠いが）。

◆バリアフリーが保たれているか？（ホームまでの段差の有無）

ご覧の通りバリアフリーに関しては完璧とまでは行かないが、

ホームへの階段は5段であるためそこまで足腰に負担はかからないと思われる。

まあ、駅前はスペースがそれなりにあるためスロープを設置しようと思えば可能であろう。

◆裏口は整備されているか？（裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算）

陸奥白浜駅のこれまた何とも興味深く面白いところが裏口である。

先述の通り、待合スペースのみが設けられている小さな駅であるが、

それゆえ駅入り口と踏切との距離が近い。

もとより、駅入りの隣に踏切がある構造となっているのだ。

即ち、陸奥白浜駅にしてみればこの踏切こそが裏口への、

いわば自由通路にあたるのである。

先述の通り、陸奥白浜駅北側は白浜海水浴場があり、

レジャー客は駅を降りたらこの踏切を渡ってまっしぐらに海へと向かう。

しかし、この踏切が無ければ迂回する必要が出てくるため鉄道利用客には不便。

そのため駅のすぐ隣に踏切を設けているのである。

むしろ駅利用客の多くが海水浴目的であるため、

もはや裏口ルートがメインと化してしまっているのも面白い。

実際、視察当日は駅前道路を上っていく客は1人もおらず、

全員踏切を渡って裏口ルートへ歩いて行ったほど。

尚、この踏切は警報音もならないため横断には細心の注意を払う必要がある。

◆総括

※2022年8月22日視察

※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。