祝、本日で遂に300記事達成!
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青森県内にある新幹線・在来線の駅を色々な角度から評価し、
それぞれの駅の使い勝手の良さを浮き彫りにしていくシリーズ企画、
題して「各駅評論」。
2023年初回は、東北町にある上北町駅を視察。
東北町として合併する前は旧上北町(かみたまち)の中心的存在であった。
尚、駅名は上北町(かみきたちょう)であるが旧町の名前は上北町(かみたまち)と異なっており、
読み間違えると地元民に突っ込まれそうな駅でもある。
Wikipediaによれば、かつて七戸町旧中心部の最寄り駅であり、
今でも十和田観光電鉄(十鉄バス)によって七戸町旧中心部と結ばれているほど、
七戸町民にとってもゆかりのある駅のようだ。
ということで視察していこう。
◆アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)
上北町駅は国道から大きく逸れているが、
県道121号などによって七戸町中心部と結ばれている。
また、2013年に上北自動車道が開通したことに伴い、
最寄りに東北ICが開業。
これによりアクセスは大幅に向上した。
駅前道路は先述の県道121号となっており、
さすが県道だけあって中央線も引かれていて道幅も広く整備されている。
◆パークアンドライドは整っているか?
駐車場に関しては割と広く整備されており、
30台以上は余裕で停められそうなキャパを擁している。
やはりこれも近隣にあたる七戸町旧中心部の最寄り駅である効果を発揮しているのだろうか。
今でこそ七戸十和田駅があり七戸町民はそこから新幹線で移動できるようになったが、
その以前までは上北町駅まで車で行って、
旧東北本線に乗り換えるというスタイルが主流だったのだと思われる。
その名残がこの広い駐車場なのだろう。
◆駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)
こちらが上北町駅の駅舎。
いかにも旧国鉄時代を彷彿とさせるような佇まいと雰囲気を纏っている。
写真をそのままモノクロにすればまさに国鉄時代にタイムスリップしそうなほどだ。
駅舎内も同様に国鉄スタイルを現在も引き継いでいる。
駅舎は古めでありながら清掃はしっかり行き届いており、
ゴミ一つ確認されなかった。
また、点字ブロックが敷かれている点からしてみても、
現在の東北町の中心的存在であることがうかがえる。
続いてホーム及び跨線橋の様子。
ホームに関しても点字ブロックがしっかり整備されているほか、
頑丈そうな上屋も2・3番線ホームに設置されており、
さすが元旧東北本線の駅であると感じられた。
4枚目は駅舎のホーム側を撮影したものであるが、
やはりここから見ても実に風格のある駅舎である。
しかしながら、3枚目の写真を見ると面白いところが・・・
ホームの両端だけ舗装されていて中央部分は砂利になっている。
これは青い森鉄道の他の駅でもよく見かける光景であり、
いかに青い森鉄道のコストカット術が徹底されているかが容易に浮かんでくるだろう。
そして上北町駅のもう一つの目玉であるのが、
こちらの1番線ホームの上屋。
国鉄時代でよく見かけられた、
レールを加工して柱を設置しているのがおわかりいただけただろうか。
梁の部分に関しても、
レールを曲げるような形で柱と接続しているのが確認できる。
このように上屋の状況からもいかに上北町駅が古くから使われているかが分かる。
◆トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)
これまで国鉄要素満載であった上北町駅だが、
トイレに入るとあたかも現代にタイムスリップしたかのような雰囲気に包まれる。
これまでは和式トイレだったのだが、
地元民などの要望により2020年に水洗・洋式化が完成。
それにより見違えるほどトイレが美しくなった。
設備に関しても好印象。
暖房便座であるほか洗面台に加え押すタイプの石鹸も設置されており、
まるで道の駅のトイレにも負けず劣らずのクオリティである。
◆バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)
互いのホームへは跨線橋階段しか整備されておらず、
足腰の弱い高齢者にとっては移動が大変であろう。
強いて言えば、最近設置されたと思われる手すりが頼みの綱であるといったところだろうか。
◆裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)
残念ながら裏口は無し。
駅両端にある2か所の踏切を横断する必要があるが、
そこまで距離は遠くない。
上北町駅は正面口のほうに昔ながらの商店街が形成されている一方、
裏側にはスーパーやドラッグストア、
ホームセンターといった商業施設が点在しているほか、
住宅も多くなっている。
従って、裏口があれば更に使いやすくなるだろう。
◆おまけ
全国的に見てもかなりレアなものが上北町駅にある。
それが、こちらの煉瓦倉庫。
明らかに令和の時代にいい意味で浮いている存在であるこの建物だが、
これはランプ小屋と言って、
明治時代に駅務や保線用の照明ランプを収納するための倉庫であった。
当時は全国の主要駅に設置されていたが、
用途の消滅及び駅舎の増改築などにより姿を消した事例が多く、
この上北町駅に未だに残っているというのも驚きである。
現在、ランプ小屋の所有者は青森県となっているため、
ここまで持ちこたえているが、
もし今でもJRが管理しているならば、
経費削減で問答無用に解体or放置プレーされていたに違いない()
◆総括
項目 | 点数 | 備考 |
アクセスは良いか? | 4 | 国道からは大きく逸れているが主要な県道がある |
★▲パークアンドライドは整っているか? | 5 | 30台は軽く停められるキャパがある |
★駅舎・待合室は綺麗か? | 4 | 古めながらもゴミ等は無く清掃が行き届いている |
★▲トイレは整備されているか? | 4 | 暖房便座、石鹸等設備が整っておりかつ新しい |
バリアフリーが保たれているか? | 2 | 手すりはあるが跨線橋階段しかない |
★裏口は整備されているか? | 2 | 商業施設や住宅が多いが迂回する必要がある |
合計 | 21 | 駅舎は古いがトイレ事情がしっかりしている点が好印象 |
※2022年8月22日視察
※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。
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