青森県内の駅を色々な角度から評価し、
使いやすさを浮き彫りにしていくシリーズ企画、
題して「各駅評論」。
39回目は外ヶ浜町にある、
津軽線大平駅を視察。
以前視察した今別町の大川平駅(おおかわだい)と、
駅名が似ているが、
こちらは外ヶ浜町にあり、
全く別物の駅である。
2022年の大雨災害により蟹田以北が運休となっているため、
大平駅も2025年現在は休止の扱いであるが、
こちらも駅舎兼待合室には入ることが可能。
ぱっと見、何の変哲もない駅だが、
駅周辺に魅力的な施設が2つほどあるため、
津軽線の駅の中でも比較的楽しいほうだと思われる。
では、視察のほうへ参ろう。
アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)
大平駅へは津軽半島北部を縦断する県道12号からアクセス可能(1・2枚目)。
片道1車線が確保されており走りやすい。
利用者数は少ないと思われるが、
しっかりと案内標識も設置されており、
初見でも迷わないだろう。
駅前道路においても道幅が広く、
普通車同士のすれ違いであれば容易にできる(3・4枚目)。
パークアンドライドは整っているか?
舗装はされていないものの、
津軽線にしては比較的ゆとりのある駐車スペースが確保されており、
3~4台程度であれば停められるキャパを擁している。
運休前はどれほどのパークアンドライドの利用者がいたのだろうか?
駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)
駅舎兼待合室は、
前回視察した中小国駅とほぼ共通設計であり、
コンクリートブロックタイプ仕様。
内部も中小国駅とほぼ同じような造りであり、
長い木製のベンチが特徴的。
尚、運休中であるが清掃は行き届いていた。
代行バスおよび乗合タクシー「わんタク」は、
案内標識が整備されている駅前の箇所で停まるため、
駅舎兼待合室までは入らないので利用の際は注意が必要だ。
続いてホームの様子がこちら。
廃止が決定した大平駅であるが、
比較的新しい舗装とビビットな白線が目立っており、
未だに列車が走っているかのような光景である。
まだ線路も見える状況であり、
雑草まみれになっていないのが意外であった。
こちらは保守車両を保管する車庫。
昔は1面2線の島式ホームを擁していたようで、
反対側の線路を転用する形で使用されていたものと思われる。
トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)
大平駅にトイレは設置されていない。
但し、後述する大平山元遺跡にはトイレがあり、
当駅から約10分でたどり着ける。
緊急で用を足したい場合はそちらを利用するとよいだろう。
バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)
ホームまではご覧のような、
スロープ状の入り口が整備されており、
段差は1つもない。
よって、オールバリアフリーな設計となっている。
裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)
駅裏側はご覧のような田園地帯で占められており、
裏口の必要性は極めて薄いことから、
当シリーズのルールに則り3点とする。
おまけ①

GE
※Wikipediaより引用
大平駅から徒歩10分程度のところに、
世界文化遺産である大平山元遺跡がある。
小規模ながら縄文時代の歴史を学ぶことができ、
外ヶ浜町有数の観光地となっている。
鉄道で行くことは不可能になりつつあるが、
津軽線代行バスおよびわんタクで容易に訪れることができるため、
一度足を運んでみてはいかがだろうか?
おまけ②
こちらも大平駅から徒歩5分ほどの場所にあるのが、
北海道新幹線と海峡線大平分岐部(新中小国信号場構内扱い)。
真新しい新幹線の高架橋と、
昭和後期に建設された海峡線のやや古い高架橋の、
ツーショット写真を撮ることができ、
まさに鉄道マニアには打ってつけの穴場スポット、
鉄道界隈では世界遺産クラスなのかもしれない。
現役の新幹線の高架橋に対し、
数々の青函特急が通過した、
今では基本的に貨物のみが通過する海峡線の高架橋を見ると、
実に感慨深いものがある。
因みに、廃止が決定した津軽線の線路を含めれば、
北海道新幹線、海峡線、津軽線の、
実に3路線を1枚に収めることができ、
東北では珍しい光景であろう。
総括
項目 | 点数 | 備考 |
アクセスは良いか? | 4 | 県道12号より1本でアクセス可能 |
★▲パークアンドライドは整っているか? | 2 | 舗装されていないが3~4台程度の駐車スペースがある |
駅舎・待合室は綺麗か? | 4 | 清掃は行き届いていた |
★▲トイレは整備されているか? | 0 | 当駅にはないが、近隣の大平山元遺跡の施設にトイレがある |
バリアフリーが保たれているか? | 4 | ホームまではスロープ状の入り口が整備されている |
★裏口は整備されているか? | 3 | 裏口の必要性は極めて薄い |
■おもてなしがされているか? | 0 | ホームに花壇、駅舎兼待合室に座布団はなかった |
合計 | 17 | 鉄道駅としての機能は失ったが、パークアンドライドやバリアフリーには徹しており、かつ駅周辺には観光地や見ごたえある鉄道施設があるため、駅の存在価値は比較的高いものと思われる |
※2024年5月5日視察
※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。
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