青森県内の駅を色々な角度から評価し、
使いやすさを浮き彫りにしていくシリーズ企画、
題して「各駅評論」。
41回目は南部町にある、
青い森鉄道諏訪ノ平駅を視察しました。



先日、老朽化により、
駅舎の改築工事が行われることが決定した諏訪ノ平駅。
近頃解体されるだろうと思い、
早めに視察を行いましたが、
この駅もこれまた色々とツッコミどころが多い駅であったのです()
それは、最後まで見ていけば一目瞭然でしょう。
ということで早速、視察していきましょうか。
アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)

駅前道路は県道224号に指定されており、
センターラインが引かれていて非常に走りやすいです。
雰囲気からしても、
町の中心駅の佇まいですが、
あくまでも南部町の中心の駅は隣の剣吉駅。
駅周辺は比較的静かですが、
大動脈である国道4号に出れば交通量が多く、
ちょっと賑やかになっています。
案内標識も設置されており、
初見でもたどり着きやすいと思われます。
パークアンドライドは整っているか?

駅前にはやや広めの駐車スペースが確保されており、
3~4台程度停められるキャパがあります。
左側は民家の入り口があるため、
こちらには停めないほうが良いでしょう。
停めるなら駅舎に付ける形のほうが正解と思われます。
駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)

駅舎はご覧のような、
国鉄時代の香りがプンプンする風格。
それもそのはず、
今年で築92年が経過しており、
青森県内でも老舗の駅舎なのです。

駅舎内はご覧のような感じ。
旧東北本線の駅らしく、
待合室は広く造られています。
以前は国鉄OBが駅業務を受託(売店兼務)しており、
簡易委託駅であったとのこと。
シャッターが閉まっているところが、
昔売店があった場所なのでしょうか?
写真で言えば奥の扉の向こうには、
使われなくなったゴミ箱やかごなど、
荷物が散乱していました。
以前はここが駅務室だったと思われます。
尚、駅舎内は全体的に清掃が行き届いていました。

その奥の扉の上部には、
どういう意図か「有言実行」と書かれた横額が飾られていましたw
恐らくは地元住民による制作だと思われるますが、
駅舎内にこのような横額を飾っている駅は初めて見ました。
まさに今の政治に強く言いたい文言の一つですね()

諏訪ノ平駅は名久井岳の麓にあるということで、
リンゴの名産地でもあったのです。
以前は貨物も取り扱っており、
そこから東京方面へ輸送していたとのことです。

ホーム側の駅舎の雰囲気も、
これまた風格のある佇まい。
しかしながら、老朽化が進行していることもあり、
所々損傷が目立っています。

八戸方面の1番線ホームの様子。
雨をしのげる上屋が設置されているほか、
舗装状況は比較的良いでしょう。

ホーム上には花壇が整備されており、
地元住民による手入れが定期的になされているのでしょう。
これは当シリーズのルールに則り加点対象となります。

向かいのホームへ通ずる跨線橋。
こちらも開業当初より使用されているものと思われますが、
外観の割に内装の保存状態は比較的良かったです。
階段の舗装もしっかりしていました。

面白いのが盛岡方面の2番線ホーム。
こちらにも上屋はありますが、
ホームの先端部分はお察しの通り、
青い森鉄道ではお馴染みの砂利仕様となっています。
そして、画像を見れば分かりますが、
真ん中の乗り場(中線)は撤去されており、
線路もろとも剝がされているではありませんか()
これも同じく青い森鉄道お得意のコストカット術です。
東北本線時代は特急の通過待ちで使用されていましたが、
三セク移行後は、
通過待ちを行う必要がなくなったことから、
撤去されているのです。
また、盛岡方に至っては、
ホームが草まみれになっており、
鬱蒼としているレベルまでに成長しているではないですかw
一瞬、空き地かと思いました()
視察当日は夏の時期であったため、
これほど草まみれになっているのと思われますが、
ここまで鬱蒼としている駅は初めて見ました。
やはり2002年に青い森鉄道へ移管されているため、
年数が経っているのも要因でしょう。

2番線ホームの待合室。
鬱蒼としたホームとは打って変わって、
清掃は行き届いていました。
トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)

旧東北本線の駅だけあり、
古いながらもトイレが設置されています。
小便器2つと大便器1つに加え、
手すりの設備を擁しているのは好印象。
そして、このトイレもツッコミどころが一つ。
大便器トイレの内装の一部箇所が、
なぜか鏡仕様のアクリル板で覆われているではありませんかw
これでは用を足している自分の姿が映ってしまい、
ちょっと落ち着かないトイレになりますね()
バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)

2番線へは跨線橋階段を上る必要があるため、
バリアフリーには対応しておりません。
利用者数を鑑みても、
致し方ないでしょう。
裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)

裏側は多少の住宅が点在しているものの、
基本的には田園地帯と川であるため、
裏口の必要性は薄いと判断しました。
おまけ

諏訪ノ平駅のホームに列車が到着する瞬間ですが、
ご覧のように車両が内側に傾く現象が見られます。
これが鉄道業界でよく言われる「カント」というもので、
青い森鉄道では青森市にある筒井駅においても、
このように列車が傾いて停車しますが、
諏訪ノ平駅のほうがレベルが高いでしょうw
乗るときは特段問題ないのですが、
降りる際はホームと線路の隙間に注意しないと、
自分の重心も傾いているため、
転落しそうな状況になってしまいます。
ドア横の手すりを持って降りると安心でしょう。
総括
| 項目 | 点数 | 備考 |
| アクセスは良いか? | 4 | 国道4号から1本でアクセス可能 |
| ★▲パークアンドライドは整っているか? | 2 | 3~4台程度停められるキャパあり |
| 駅舎・待合室は綺麗か? | 4 | 清掃は行き届いていた |
| ★▲トイレは整備されているか? | 3 | 和式であるがトイレが整備されている |
| バリアフリーが保たれているか? | 2 | 向かいのホームへは跨線橋階段を上る必要がある |
| ★裏口は整備されているか? | 3 | 裏口の必要性は薄い |
| ■おもてなしがされているか? | 1 | 1番線ホームに花壇が整備されていた |
| 合計 | 19 | 駅舎は古いながらも、地域住民による手入れがなされており、おもてなし精神が働いていると感じた |
※2024年9月8日視察
※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。

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