青森県内の駅を色々な角度から評価し、
使いやすさを浮き彫りにしていくシリーズ企画、
題して「各駅評論」。
20回目は、青森市にある矢田前駅を視察。
青森市東部エリアの住宅街に潜んでいる。
青森県立青森東高等学校の最寄り駅だけあって、
平日の朝夕の時間帯は学生でごった返す、
青い森鉄道の駅でも隠れたドル箱駅だ。
果たして使いやすさの面ではどうだろうか?
◆アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)
矢田前駅はマップでもお察しの通り、
住宅街のど真ん中に位置している関係でアクセスがしづらいうえ、
道順も一筋縄ではいかないレベルであるほど。
最も近い主要道路は東側が国道4号、
西側が県道258号であり、
ちょうどその中間に位置しているため初見では迷う人も多いだろう。
東側からアクセスする場合、
ご覧のように住宅街の細い道路を通る必要がある。
おまけにこれといった案内標識もないため、
やはり初見では到達がやや難しい。
唯一の手掛かりとしては、
1枚目の「矢田前町会」の看板が目印である。
一方、西側からアクセスする場合は、
青森県立青森東高等学校のグラウンド横の道路から入る形になる。
東側に比べればこちらのほうが道幅が広く、
道なりに進んでいけばホームが見えてくることから、
多少余裕を持てると思われる。
が、案内標識は案の定設置されていなかった。
◆パークアンドライドは整っているか?
写真からしてパークアンドライドはお察しください()
1枚目は東側、2枚目は西側の入り口であるが、
いずれも車1台すら停めることができるスペースすら確保されていない。
学生の利用が多いことから自転車の駐輪が目立つが、
車で遠方から通勤する人にとっては、
まさに蚊帳の外扱いされていると言っても過言ではない()
矢田前駅は駅がある矢田前地区と、
その周辺の住民専用の駅みたいなものである。
この駅を擬人化するなら、
迷路のような住宅街のど真ん中に跨線橋階段があるため、
あたかも人が仁王立ちしているかのような佇まいである()
◆駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)
国鉄がBAN(解体)される約1年前の、
1986年(昭和61年)に開業した駅であるため、
全体的に設備は比較的新しい。
ホームはいずれの方面もやや狭いが、
都市部の駅らしく点字ブロックが敷かれている。
自動券売機はご覧のように、
まるで銀行のATMのような建物の中に、
隠れるかのような形で設置されている。
青森方のホームにのみ設置されているため、
八戸方面へ行く際は跨線橋階段を渡って購入する必要がある。
余談だが、矢田前駅では自動券売機のある建物の上の奥に、
列車の運行情報などを知らせる電光掲示板が置かれている。
しかしながら、絶妙な位置にあるため最初はなかなか気づかない人も多いだろう。
通常であれば駅舎内に取り付けることが多いが、
矢田前駅は実に特殊なポジションに電光掲示板が置かれているため、
見るのに首が痛くなりそうである。
こちらは青森方ホームの待合室。
跨線橋階段の真下にあるためどことなくぎこちない位置にあるが、
長い椅子が設置されており、
待合室内は清掃が行き届いていた。
尚、珍しく待合室内にゴミ箱も置かれていたのは意外であった。
余談だが、待合室の外壁(1枚目)をよく見ると、
右側だけ色が違っているのがおわかりいただけただろうか?
あくまでも推測だが、
かつてはこの色違いの部分に入口のドアがあったが、
列車が接近する際危険なため、
入口をホームと水平になるように現在の位置に改良したのかもしれない。
続いて跨線橋階段の様子。
国鉄BAN(解体)の直前に建設されたこともあり、
設備は比較的新しく壁もピカピカしているほど艶があるではないかw
ただし、跨線橋の通路幅が狭いのはご愛嬌。
こちらは八戸方面の待合室。
青森方の待合室と基本的な設計は同じである。
待合室内は清掃が行き届いており、
こちらにもゴミ箱が置かれていた。
やはり八戸方面の待合室も青森方と同様、
入口のドアの位置を変更した模様。
左側の外壁だけ色が異なっているのが分かる。
◆トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)
比較的最近開業した駅であるためか、
トイレは残念ながらない。
◆バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)
青森方面及び八戸方面いずれのホームへは、
数段程度の階段があるのみで、
お年寄りにそれほど負担のかかるものではないだろう。
商業高校のある八戸方面のホームは、
学生で混雑するためか階段が2か所も整備されている。
◆裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)
先述の通り、
矢田前駅は青森方面及び八戸方面のホームいずれにも階段があるため、
自動的に入口が2か所整備されていることになる。
ただし、どちらが1番線か2番線かの案内はされていないがゆえ、
どの入口が裏口に該当するかは、
ここでは断定できない。
とりあえずはいずれのホームへも、
入口が用意されているということだけは言及できる。
尚、青森方面及び八戸方面のホーム互いに行き来するためには、
跨線橋階段を上ることで移動できるが、
階段を上るのが困難な場合は、
駅北方にある跨線橋の道路を渡る必要がある。
◆総括
項目 | 点数 | 備考 |
アクセスは良いか? | 2 | 国道や県道から遠いうえ、住宅街の中にあり分かりづらい&案内もない |
★▲パークアンドライドは整っているか? | 0 | 駐車スペースは一切無し |
駅舎・待合室は綺麗か? | 4 | 清掃が行き届いていた |
★▲トイレは整備されているか? | 0 | トイレは無し |
バリアフリーが保たれているか? | 3 | いずれのホームへは数段程度の階段がある |
★裏口は整備されているか? | 4 | いずれのホームへも入り口がある |
■おもてなしがされているか? | 0 | 座布団、花壇は未設置 |
合計 | 13 | もう少しアクセス性があり、パークアンドが整っていれば利便性が高まるはず |
※2023年5月2日視察
※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。
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