本日10月9日は、当ブログ開設から3周年!
おかげさまで現在も多くの読者に読んでいただき、
感無量の一言に尽きる。
4年目も是非当ブログをお楽しみ頂ければ幸いである。
青森県内にある新幹線・在来線の駅を色々な角度から評価し、
それぞれの駅の使い勝手の良さを浮き彫りにしていくシリーズ企画、
題して「各駅評論」。
今回は、南部町(なんぶちょう)にある苫米地駅(とまべちえき)を視察。
かつては福地村(ふくちむら)の中心駅であり、
福地村役場も駅の近くに存在していたが、
平成の大合併により南部町へ吸収合併。
現在は南部町役場福地支所へと名を変えたが、
やはり鉄道業界やマニアの界隈ではユニークな駅名でもある「苫米地」のほうが有名である。
ということで早速視察していこう。
◆アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)
苫米地駅へのルートは主に国道104号からのアクセスとなる。
国道104号は八戸市中心部からも直通で行けるため難易度は低めだが、
案内標識がご覧の通り小さめであるため、
うっかり車からだと見落としてしまいそうなくらいである。
駅前道路に関しても決して広いとは言えず、
入り組んだ住宅街によくある狭い道路を通る必要がある。
写真の通り1車線でも狭い部類に入るため離合は困難であろう。
逆に裏口にあたる西側のほうが正面口と比べ道路も広いため、
裏から攻めたほうが所見ではアクセスしやすいと思われる。
◆パークアンドライドは整っているか?
1枚目の写真は正面口の駐車場の様子。
ご覧の通り駐車スペースの白線が濃くくっきりと引かれている。
小規模な駅でありながらこのように白線が引かれているのも好印象だ。
正面口の駐車台数は7台分ある。
裏口にも駐車スペースが用意されており、
白線こそ引かれていないもののスペース的にはこちらも7台は停められそうな幅がある。
正面口、裏口トータルだと14台程度は駐車可能であり、
小規模な駅の割には比較的パークアンドライドが意識されている造りと言ってもいい。
また、駐輪場に関しても正面口と裏口両方に広く整備されており、
学生の利用も多いことが印象付けられる。
尚、2017年までは自動券売機も設置されていたが利用状況を鑑みあえなく撤去されている。
余談だが、3枚目の2番線ホームの待合室の外壁に、
これまた懐かしい「活彩あおもり」の文字が塗られているではないかw
ロゴに関しても十数年前によく県が発行する資料に頻繁に掲載されていた記憶がある。
なぜ苫米地駅に「活彩あおもり」が存在しているかは定かではないが、
地味にお役所感が漂っているのは気のせいだろうか。
◆駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)
苫米地駅には1・2番線ホームにそれぞれ待合室が設置されており、
待合スペースもそれなりに広い。
いずれのホームに関しても大きなゴミなどは落ちておらず、
定期的に清掃がされているものと思われる。
尚、待合室の外観はご覧の通り、
三角屋根が特徴の共通設計とこれまた珍しいケースである。
しかし内装(レイアウト)に関しては1番線の待合室が肘掛け椅子、
2番線の待合室は長椅子と地味に異なっているのも面白い。
加えて床も1番線の待合室はタイル張りになっているのに対し、
2番線の待合室はコンクリート舗装のままとなっている。
そしてここまで読んである違和感を感じた人もいるかもしれないが、
写真をよく見ると苫米地駅の場合は正面(国道側)のほうが2番線となっているのだ。
通常、乗り場を設定する際は駅舎本屋(駅長室)があるほう、
もしくは正面口や住宅が多いほうの入り口を1番線とし、
そこを起点に2番線、3番線と番号を振っていくのがデフォであるが、
何故か苫米地駅の場合は裏側(田んぼ側)のほうが1番線と、
逆パターンになっているのがお分かりいただけるだろうか。
これも新たなる発見で面白い。
ホームについてもこれといったゴミは確認されなかった。
青い森鉄道お得意の経費削減のためか、
列車が停車しない端っこのホームの点字ブロックは撤去されている模様。
点字ブロックが剝がされた跡が地味に丸見えであるw
果たしてこれでどのぐらいの費用が浮くのだろうか。
そして苫米地駅のホームやその周辺には花壇が複数設置されており、
地域住民によるおもてなしが感じられる。
ホームに花壇がある駅と言えば直近に視察した蓬田駅が該当するが、
ここまでの数があるケースは珍しい。
駅によっては花壇はあるものの肝心の花が枯れているというケースが稀にあるが、
苫米地駅の花壇の花は生き生きとしている。
それだけ水やりなど手入れが定期的にされているのだろう。
尚、花壇の分ボーナスポイント1点付与する。
◆トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)
旧東北本線の駅だが無人駅であり、
大規模な住宅街が駅周辺にあるわけでもないため、
さすがにトイレは設置されていないだろう。
・・・と駅構内をさまよっていた瞬間、
1番線ホームに謎の建物を発見。
コンクリート造であるためきっと除雪機を格納する倉庫にでも使っているんじゃないか?
と一瞬感じたが扉もなく入口が2か所あるためどこか違和感を感じる。
そう、この建物、実はトイレなのであるww
この構造でトイレの面構えをしている駅などまあ滅多に見かけない()
お察しの通りトイレは勿論和式である。
が、ニオイ対策のためか大便器に関しては蓋がされているのが分かる(2枚目)。
見た目はそこまで古くないため割と最近になってから設置されたものと思われるが、
こうした気遣いがされているのは良い印象を与える。
しかしながら、視察当日は夏真っ盛りであったため至る所にクモの巣が張り巡らされおり、
なかなか入りづらい環境であった点が玉に瑕。
尚、洗面台に関してもお察しの通り存在しないが、
大便器はこれもまた小規模な駅では珍しく2か所ある。
とは言えこのタイプのトイレは貴重。
思わず「あるの!?ww」と言ってしまいそうなレベルである。
果たして苫米地駅の利用者のうち何人がこの建物をトイレだと認識しているのだろうか?
◆バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)
バリアフリーに関しても少々ユニークである。
画像は1番線・2番線ホームへの入口であるが、
ご覧の通り段差が1段もないためいずれのホームへはバリアフリーで移動できる。
写真には跨線橋階段が映っているため、
ぱっと見この跨線橋階段を上らないと反対側のホームに行くことができないのでは?
と思ってしまいがちであるが、
苫米地駅の場合はそうではない。
もし反対側のホームに行くとなれば、
先述の跨線橋階段を上る必要があるが、
駅北東方向にこれまた都合よく踏切があるため、
階段を上りたくないという場合はこちらからアクセスすることも可能である。
◆裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)
先述の通り苫米地駅1番線・2番線ホームともに入口が設けられているため、
実質的には裏口が整備されていると言える。
写真は跨線橋階段であり、
互いのホームへ渡ることが可能。
しかしながら、裏口が基本的に田んぼであり住宅が少ないのに対し、
裏口が設けられているのは何とも良心的である。
◆総括
項目 | 点数 | 備考 |
アクセスは良いか? | 3 | 国道からのアクセスは容易だが駅前道路がやや狭隘 |
★▲パークアンドライドは整っているか? | 4 | 小規模な駅の割には駐車台数が多い |
★駅舎・待合室は綺麗か? | 4 | 待合室は清掃は行き届いており花壇も多いがトイレのクモの巣で減点 |
★▲トイレは整備されているか? | 1 | 洗面台や石鹸は無いが大便器が2か所ある |
バリアフリーが保たれているか? | 4 | 反対ホームへは跨線橋階段があるが踏切を迂回するとバリアフリーで行ける |
★裏口は整備されているか? | 4 | 両ホームいずれにも入口がある |
合計 | 20 | 特にパークアンドライド、裏口の点は高評価で、トイレ設備がもう少し良ければ尚良い |
◆点数 |
▲0・・・無い |
1・・・悪い |
2・・・やや悪い
|
3・・・やや良い
|
4・・・良い |
★5・・・とても良い
|
※2022年8月22日視察
※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。
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