津軽線蟹田以北の利用者数減少及び、
沿線自治体の住民の高齢化は年々拍車がかかっている。
更にそこへ追い打ちをかけるかのように、
2022年8月に豪雨災害が発生。
これにより2023年3月現在も蟹田以北は不通となっており、
遂には2022年12月19日、
運命の津軽線蟹田ー三厩間の存廃協議が始まった。
先般、JR東日本よりぶち上げられた赤字路線リストにも当該区間は入っており、
存廃協議においては上下分離方式やバス転換も一案として浮上しているようだ。
とは言え、津軽線蟹田以北に関しては、
数十年前より収支状況からしても決して良い成績とは言えず、
そろそろ廃止になるんじゃないかという噂は結構前からされている。
しかし、津軽線蟹田以北の存廃問題に関しては、
あくまでも事業者であるJR東日本と県、沿線自治体、
それに沿線住民との協議で話を進めていくべきであるため、
当ブログではあえて深く首を突っ込まないことにする。
ならば、今回の記事を出す意味が無くなるじゃないかと突っ込まれそうだが、
そこはご安心を()
当ブログでは、もし津軽線蟹田以北が廃止となり、
バス転換になった場合どのような影響が出てくるかについて重点的に深堀りしていこうと思う。
さて、マップを見ればお分かりいただけると思うが、
津軽線蟹田以北沿線には県道14号がほぼ並行して走っている。
仮にバス転換となれば、
この県道14号を中心としたルートになることが想定される。
しかし、この県道14号だが、
決して走りやすい道とは言い難いのが現状。
以前当ブログで解説した下北半島の国道338号と比べればマシかもしれないが、
県道14号の難所としては、
今別町と外ヶ浜町の境界線にあたる小国峠をはじめ、
急勾配急カーブのオンパレードであるという点だ。
ということは、冬場になると路面凍結によるスリップで更に恐怖心が増す道路となる。
こちらの資料をご覧いただきたい↓
P9~10には、
県道14 号線 主要地方道今別蟹田線(平坦化整備)整備促進について、
当該道路の現状が詳しく書かれている。
これを超簡単に要約すると、
急勾配急カーブの県道14号だからバイパス道路を早く造ってほしいといった意味になる。
冬場になればこの有様である()
路面凍結&急勾配急カーブというダブルパンチを喰らうと、
当然、スリップで事故が起こるリスクは大幅に高まることは容易に想像できる。
資料の通り、案の定スリップ事故はほぼ毎年のように発生しており、
平成23年~令和2年の間に年間最大5件の事故が起きているという。
もしこの道路をバスが走ったら・・・
と、想像するだけでも非常におっかないだろう。
平成28年3月には北海道新幹線奥津軽いまべつ駅が開業し、
津軽半島への観光ルートや二次交通などが走る重要路線となったことから、
現状のスペックでは対応が難しいと思われる。
平坦化計画を踏まえた新設ルートでの早期整備が必要と記載されているが、
となれば当然、峠をショートカットするようなトンネルも整備することになり、
莫大なコストを要することが想定される。
津軽線蟹田以北の維持には沿線自治体負担が年4.2億円とされているが、
だからと言って県道14号の改良工事のほうが圧倒的に安いとも言い切れない。
と、このように県道14号も決して走りやすい道路とは言えず、
むしろ冬場は事故のリスクが大幅に高まる道路であるのが現状だ。
やはり鉄道の存廃協議においては、
他の交通機関やこのような周辺の道路状況にも目を配ることが重要である。
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