青森県内の駅を色々な角度から評価し、
使いやすさを浮き彫りにしていくシリーズ企画、
題して「各駅評論」。
24回目は板柳町にある板柳駅を視察。
津軽地方のちょうど真ん中あたりに位置する、
板柳町の中心駅である。
板柳町もリンゴの名産地として名高い。
臨時快速リゾートしらかみも停車するため、
五能線の中でも比較的規模の大きい駅だ。
駅名標もリゾートしらかみ停車駅用のため、
四か国語表記となっている。
尚、板柳町は面積が小さいため、
町内にはこの板柳駅しか存在しない。
果たして板柳駅は町民に寄り添った使いやすい駅なのだろうか・・・?
◆アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)
板柳駅へのアクセスは簡単である。
青看には案内もしっかりと記載されており、
所見でも迷うことはほぼないだろう。
国道339号(旧道)からも一本でたどり着けるに加え、
片側1車線が確保された道幅の広い道路である。
さすが板柳町の中心部にある駅だけあり、
駅周辺には商店街が集中している。
◆パークアンドライドは整っているか?
町の中心駅だけあって、
板柳駅のパークアンドライドは完璧の一言に尽きる。
駅舎の南側には、
これまた広大な駐車場が整備されており、
ざっと見積もっても30台は軽く超えるだろう。
手前に小規模の駐車場が、
そして奥にはだだっ広い駐車場がそれぞれ用意されている。
奥の方の駐車場は商工会用と兼ねたものであろう。
しかし駐車場の規模は大きい割に、
視察当日は指で数えるほどしか車の台数は少なかった。
一方、駐輪場に関しても同様に結構な台数が停められるほど、
規模の大きいものが用意されていた。
学生の利用も多いためか、
屋根付き駐輪場はご覧のように6か所も整備されているほど。
さすが、町の中心駅だけある。
◆駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)
板柳駅の駅舎もこれまた味わいのある造りであり、
Wikipediaによると現駅舎は1934年に改築されたもの。
よって築90年は経過していることになる。
五能線内の各駅でも駅舎改築が進められており、
こういった国鉄時代より稼働していた駅舎はもはや、
手で数えるほどしか存在しなくなったため、
これは貴重である。
跨線橋も同じ五能線の川部駅ほど渋くはないが、
鉄骨で補強工事が行われているなど、
どこか似通った部分がある。
駅舎内はご覧の通り。
町の中心駅であるため、
待合スペースは広めに設計されている。
ベンチも新幹線の駅にあるような仕様だ。
吊り下げ式の照明がこれまた昔の学校を彷彿とさせている。
窓口に関してはお察しの通り既に閉鎖されており、
2019年に無人駅と化してしまった。
シャッターのところには、
かつて自動券売機が2台設置されていたと思われる。
尚、駅舎内は清掃が行き届いており清潔であった。
改札内にもベンチが設置されている。
リゾートしらかみの停車駅だけあり、
駅名版にはJRの文字がプリントされたリンゴが描かれているほか、
岩木山とみられる山型の版木も設置されている。
観光客向けのおもてなし精神が至る所に働いていると感じた。
板柳の地名の由来が説明された看板も設置されている。
跨線橋はご覧の通り。
スロープがご丁寧に2つも設置されているのは好印象。
階段の部分のみ改築されたようで、
本体は依然としてノスタルジックな仕様。
かつて有人駅時代には両壁にポスターがずらりと掲示されていただろう。
今となってはすっかり殺風景になってしまった。
板柳駅のホーム上屋は結構長く、
五能線の駅の中でも五所川原駅に匹敵するほどの規模。
特段ターミナル駅という訳ではないが、
それに負けず劣らずの光景である。
かつては駅舎内でKIOSKと立ち食いそばが営業していたという。
ホームの様子がこちら。
シンメトリーな三角屋根が特徴の、
長い上屋が先っちょまで続いており、
なかなかノスタルジックな風格を持ち合わせている。
おまけに柱が細いため、
これまた随分とスタイリッシュな設計。
勿論、黄色い点字ブロックもしっかり整備されており、
舗装も比較的綺麗なほうであった。
待合室がこちら。
それなりの広さでありながら、
清掃はしっかりと行き届いていた。
ベンチはこちらも新幹線の駅に設置されているものと同様である。
◆トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)
現在は無人駅となっているが、
町の中心駅だけありトイレは尚健在。
石鹸はないものの、
自動センサー式の水洗トイレに加え、
ウォシュレット付き温水暖房便座であるなど、
設備はこれまた立派なものであった。
さりげなく傘をひっかける棒が設置されているのも、
利用者への細かい配慮がなされていると感じた。
◆バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)
手すりが2つ設置されているが、
駅の設計上島式ホームのため、
いずれの方面へ行く際にもこの跨線橋階段を上る必要がある。
しかしながら、駅入り口にはこのようなスロープが設置されており、
車いす利用者への配慮がなされている。
更に、跨線橋階段の手すりには、
主要駅でよく見かける点字が印字されていた(手すり用点字標示板)。
この駅の規模ながら、
目が見えない利用者への配慮もなされているのは、
青森県内の駅でも数少ない。
◆裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)
町の中心駅であるが裏口は無し。
駅裏にも住宅が広がっているほか、
スーパーや公民館など、
日常生活に必要な施設が整っているため、
裏口があれば更に利便性は増すと思われる。
◆総括
項目 | 点数 | 備考 |
アクセスは良いか? | 4 | 国道からは1本でアクセス可能で分かりやすい |
★▲パークアンドライドは整っているか? | 5 | 30台以上停められる駐車場があり文句なしの広さ |
駅舎・待合室は綺麗か? | 4 | 清掃が行き届いていた |
★▲トイレは整備されているか? | 4 | 良質な設備が整ったトイレが今もなお健在 |
バリアフリーが保たれているか? | 2 | ホームへは跨線橋階段を上る必要があるが、駅入り口にはスロープ、手すりには点字が印字されていた |
★裏口は整備されているか? | 2 | 住宅やスーパーなどがあるが裏口は無し |
■おもてなしがされているか? | 0 | 座布団や花壇は無いが、岩木山の版木など観光客向けのおもてなし精神が至る所に働いていた |
合計 | 21 | 町の中心駅であり地元民だけでなく観光客へのおもてなしがされており高評価 |
※2023年7月23日視察
※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。
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