※当研究記事は以前別ブログ(既にBAN)にて執筆したリメイク版です。
2017年の話になりますが、
当時青森県はこのような要望をJR東日本に対してぶち上げていました。
その名も、「JR青森支社への昇格」!
現に青森県にはJRの支社が存在せず、
県内エリアの路線を管轄するのは、
隣接するJR秋田支社及び盛岡支社、
一部JR北海道函館支社の3社にまたがり、
青森地区には青森支店しかありません。
勿論支社より支店のほうが格下の組織です。
因みに、以前YouTubeでこのネタを扱った際には、
「JR青森支社への昇格についてはかなり厳しいのではないか?」
という意見を頂いています。
まあさすがにこうなると組織いじりの話になるので、
JRに限らずどこの会社でもやらなさそうですが、
仮に実現した暁には青森県は相当大喜びするでしょう。
青森県に支社が置かれなかったのは国鉄時代にまでさかのぼる
先日、暇つぶしにあの分厚い広辞苑のような青森市史をあさっていたら、
これまた見ごたえありそうな記事がありました。
それは、「国鉄管理局の青森への設置」というタイトルの記事。
今回はその代わりに同じ内容の陸奥新報の記事を参考としますが、
まずはこちらをご覧ください。
時は1950(昭和25)年、終戦後の混乱がまだ収まらぬ頃、この建物には仙台鉄道局青森管理部が置かれ、青森県内にある国鉄の路線を一元的に管理していた。
前年の6月に、それまで国営事業だった鉄道事業は、日本の占領政策を担っていたGHQの意向によって、公共企業体である日本国有鉄道の運営とされていた。その地方組織であった管理部も、この年、大改革の荒波を被ることとなったのである。
その内容は、地方の管理組織を簡素化し、全国に49あった管理部と9カ所の鉄道局を、27の鉄道管理局に再編しようとするもので、鉄道創業以来の大規模な機構改革といえるものであった。
※陸奥新報より抜粋
これは、国鉄管理局の設置の経緯についての陸奥新報の記事です。
で、この国鉄管理組織の再編に伴い、
青森市へは鉄道管理局の設置が大いに期待されていました。
なぜなら当時の青森市は太平洋側の東北本線、
日本海側の奥羽本線、
そして北海道方面の青函航路が乗り入れる北日本の一大ターミナルを形成していたからです。
加えて、広大な貨物の操車場(現・青い森セントラルパーク)があったことから、
貨物列車の発着が頻繁に行われていました。
このように、北日本の交通の要衝として発展した青森市ということだけあって、
誰もがここに国鉄管理局が置かれるだろうと想定していました。
青森市史によれば、
管理局が置かれないだろうと予想していた関係者の割合はたったの30分の1ないし40分の1程度であり、
「青森鉄道管理局」と書かれた看板も既に用意されていたほどでした。
このデータから見てわかるように、
青森市に管理局が置かれるのはまるで当然かのような雰囲気に包まれていたのです。
その後、国鉄側から管理局設置の件についての要綱が発表されましたが、
この報道を見て関係者誰もが唖然としました。
何と、誰もが期待していた「青森鉄道管理局」の文字が
どこにも見当たらないのです・・・
そう、つまり青森に鉄道管理局が置かれない方針になってしまったのです。
まさにこれが青森市にとって過去最大の屈辱を味わえさせられた、
悪い意味で歴史的瞬間なのです。
日常生活で例えるなら、
学校の成績オールAの優秀な生徒が、
同じく偏差値60の大学を狙っていた、
明らかに受かる要素がないバカ丸出しオールDの生徒に負けるほどです()
鉄道管理局の設置が行われなかったことに対し、
関係者だけではなく県民にとっても衝撃的なニュースでした。
まさにオイルショックならぬ”国鉄ショック”と言っても過言ではないぐらいでしょう。
更に当時衝撃的だったのが、
青森の代わりに、
函館、秋田、盛岡にそれぞれ鉄道管理局が置かれる羽目になってしまった件です。
地理的に最も優れている青森に対し、
なぜ秋田や盛岡に管理局が置かれることになったのか、
当時の関係者や県民からは疑念を抱く声が続出していたようです。
確かに、誰もが青森に管理局を置くと予想していたのにもかかわらず、
これが別の地域になったものだから、
もはや屈辱の何物でもないことは今日でもしっかりと感じ取られます。
民営化されJRになりあれから30年が経過したものの、
勿論現時点で管理局レベルの機能は置かれないままになっています。
このように、青森に管理局が置かれなかった昭和中期最大の屈辱を晴らすべく、
昨今から県の団体がJRに対し支社昇格を一考するよう求めていたのです。
しかし2019年時点の情報(東奥日報)では、
さすがに諦めたのか青森支社への昇格という項目が記事から抹消されていました。
その代わりに「新幹線との接続改善等」という、
かなり障壁の低い要望に落ち着いたようですw
ということで最後に・・・
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