どうやらこのシリーズは意外にも人気のようで、
今となってはブログのアクセス数を維持するための、
大黒柱の一つのような感じになっています。
誠にありがとうございます。
さて、今回の青鉄大研究会では、
青い森鉄道が2014年のダイヤ改正を機に導入した新型車両、
青い森703系についてフォーカスを当てていきたいと思います。
そもそも青い森703系を導入した理由は、
一体何なのでしょうか?
これには主に2つの理由があると考えられます。
まず1つ目としては、
2014年のダイヤ改正において筒井駅が開業したことに伴い、
輸送力増強のために導入されたのが理由です。
新型車両青い森703系が導入される前における青い森鉄道の車両保有数というのは、
青い森701系2両編成9本で計18両が在籍していました。
しかしながら、並行在来線における第三セクター鉄道としては、
営業キロが121.9キロと全国一の長さを擁するため、
距離やダイヤからしてみても、
青い森鉄道のような営業キロの長さでは、
18両で賄うことは結構ぎっつぎつな運用となっていました。
そして2014年のダイヤ改正に伴い、
青森高校付近に筒井駅が新規開業したことで、
利用者が増加することが予測され、
このままのキャパシティー(車両保有数)では賄うことが難しくなってくるため、
青い森703系2両編成2本の計4本を導入することを決断したのです。
2019年の車輪トラブル(ブレーキの多用が要因)によって、
通勤通学時間帯の運行に大きな支障をきたしたのは、
記憶にも新しいですが、
そもそも稼ぎ時である通勤通学時間帯にまで運休の影響が出てしまったということは、
それほど車両保有数がギリギリの状態であることを意味しています。
もし仮にその車両が運行不可能になったのなら、
代わりの車両を持ってきて賄うのが普通の考えでしょうが、
その時運休せざるを得なかったということは、
代用に使える車両保有数がいかに枯渇していたかがハッキリと伺えます。
2014年に青い森703系を4本導入したとはいえ、
やはりこれだけでは完璧に本数を賄うことが難しいのでしょう。
そのほか、青い森鉄道ではねぶた祭り期間中における列車本数の増発がありますが、
あまりにも利用者が多く車内がすし詰め状態であることから、
いわゆる乗客の積み残しというものも度々発生しています。
やはりこういった臨時列車を出すという面においても、
車両保有数がいかに枯渇しているかが鮮明に浮かんできますね。
今後青い森セントラルパークへの新駅設置も予定されており、
更に利用者数は増えることが見込まれるため、
現状のままではパンクする危険性もあります。
これは今後の課題ですね。
そして2つ目の理由ですが、
これは青い森701系が当時製造されていなかったためです。
JR東日本における東北地方の主力車両は、
現在も701系となっていますが、
そもそも701系が最後に製造されたのは少なくとも2002年。
青い森鉄道が新型車両を導入しようと計画していたのは2013年であるため、
10年ものブランクがあります。
本来なら経費削減として青い森鉄道開業時に、
JR東日本から701系の中古車両を購入するほうが理にかなっているのですが、
2013年において、
701系のような10年前の形式を製造している企業はありませんでした。
しかも、その701系の後継として東北地方の新型車両、
E721系が既に2007年から製造が始まっており、
仙台地区ではE721系が徐々に主流になりつつある中であったため、
701系の入手先がなかったのです。
従って、青い森鉄道では701系ではなく、
当時量産されていたE721系をベースとして、
青い森703系を導入したのです。
これにより並行在来線における第三セクター鉄道では、
どこよりも早く新型車両を導入したことになり、
他の並行在来線における第三セクター鉄道にとっても、
新型車両の導入を間接的にでも推進させたのでしょう。
最近ではしなの鉄道がE129系をベースとした新型車両の製造を開始しましたよね。
このように、青い森鉄道は全国の並行在来線における第三セクター鉄道において、
輸送力増強のためいち早くから新型車両を導入し、
それが他の並行在来線における第三セクター鉄道にも影響を与えたもだのと思います。
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