「連携中枢都市圏」はいわば「ONE TEAM」!?
昨年12月25日、
青森市を中心とする東青地域5市町村(青森市、平内町、今別町、外ヶ浜町、蓬田村)では、
「青森圏域連携中枢都市圏」たるものを締結しました。
そもそも「連携中枢都市圏」とは一体どういうものなのかというと・・・
「連携中枢都市圏構想」とは、人口減少・少子高齢社会にあっても、地域を活性化し経済を持続可能なものとし、国民が安心して快適な暮らしを営んでいけるようにするために、地域において、相当の規模と中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町村と連携し、コンパクト化とネットワーク化により「経済成長のけん引」、「高次都市機能の集積・強化」及び「生活関連機能サービスの向上」を行うことにより、人口減少・少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し活力ある社会経済を維持するための拠点を形成する政策です。
※総務省|地方自治制度|連携中枢都市圏構想 より引用
書くのが面倒なので引用しましたが()
要するには、
ある自治体が近隣の自治体と連携して地域活性化を目指すという企みです。
最近話題のラグビーでよく出る「ONE TEAM」みたいな感覚と言っていいでしょう。
連携中枢都市圏は平成27年3月25日に、
備後圏域(福山市)が最初にスキームを公表し、
そこから全国各地で次々と導入するようになりました。
青森県では既に八戸圏域連携中枢都市圏(八戸市)が平成29年3月22日公表しており、
三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町、新郷村、おいらせ町の計6町1村が同盟を組んでいます。
因みに圏域人口は323,447人(うち八戸市は231,257人)となっており、
平成31年4月1日現在では全国で下から3番目の圏域人口です。
いかに青森県は三都に人口が偏っているかがココで大きく反映されていますね()
「青森圏域連携中枢都市圏」では交通のテコ入れをどうするか?
連携中枢都市圏では様々なジャンルでの地域活性化を図るものであるため、
ここでは青い森研究所らしく交通ジャンルに絞って、
理想的な展望について触れていくことにしましょう。
「青森圏域連携中枢都市圏」は310,640人の圏域人口であり、
なんと八戸圏域連携中枢都市圏よりも下という実態ですが()
近隣の町村とはいずれもすべて鉄道で結ばれている便利な環境となっています。
しかしながら、依然として本数に関しては”お察しください”の状態であり、
特に津軽線の電化区間に至っては概ね2時間に1本、
さらに非電化区間は1日5本しかないという惨状です。
青森県は人口が三都に分散しているのが要因?
というのも、
先ほど述べたように青森県は青森市・八戸市・弘前市の3都に人口が偏っており、
これだけで県人口の実に過半数強を占めているほどです。
岩手県や秋田県のような県庁所在地一極型の人口分布ではないため、
近隣市町村からの通勤通学者数はどうも少ないという特徴があります。
盛岡市で言えばベッドタウンとして滝沢市や矢巾町等がありますが、
青森市ではそれらのような人口万単位のベッドタウンが近隣に存在しません。
なので、近隣市町村からの通勤通学者数が少ないため、
鉄道利用者数もそれほど多くはならず、
よって本数も少ないままという循環に陥っているのが現状です。
平内町、今別町、外ヶ浜町、蓬田村単体で地域活性化を推進するのは、
経済状況などを見越してもかなり厳しいでしょう。
よほどの魅力的なものが無ければ移住者も増えませんしね。
なので、県庁所在地である青森市が一番頑張らないといけません。
青森~小湊間の列車を設定する?
※画像は2015年の野辺地駅線路切替工事に伴い爆誕した小湊行です() 珍しいのでたらふくアップしました。
一方、昨年実施された連携中枢都市圏の締結式では、
平内町の船橋町長がこのようなコメントをしました。
「例えば、新幹線の二次交通整備。青い森鉄道の浅虫温泉駅を発着する列車の一部を小湊駅発着にしてもらうため、圏域で一緒に県に要望することもできる」
要するに平内町における鉄道本数の増加を求めているのです。
確かに現状、
小湊駅を発着する定期列車はありませんが、
唯一ねぶた祭り等で臨時列車が設定されるケースがあります。
あれを上手く生かせば定期列車化にできる可能性は考えられるでしょう。
青い森鉄道は青森市内区間の通勤通学者数が絶対的に多いので、
これに平内町からの利用者数をプラスすれば、
青い森鉄道全体的な活性化にもつながると思います。
本数はお察しくださいだが蟹田以南沿線は住宅地で駅間も比較的短い!
しかし問題は津軽線。
今別町、外ヶ浜町、蓬田村を通る路線ですが、
何せ本数が少ないため不便です。
青森~三厩間を直通する列車は1日たったの1往復しかなく、
ましてや奥津軽いまべつ駅では北海道新幹線との接続もお察しくださいな状況。
これでは利用者数が増える見込みはありませんね。
ただ、新幹線との接続を改善するだけでも結構利便性は向上するので、
ぜひ検討してほしいものです。
一方、蟹田以南は本数こそ2時間に1本と少ないですが、
沿線海側は住宅地となっており、
駅間隔についても概ね2キロ前後であることから、
利用環境はまだいいほうです。
いかにして周辺住民に利用を呼び掛けるかがカギとなるでしょう。
このように、青森圏域連携中枢都市圏における交通事情は大量の課題が山積していますが、
その分伸びしろは十分にあると言っても良いでしょう。
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