青森県内にある新幹線・在来線の駅を色々な角度から評価し、
それぞれの駅の使い勝手の良さを浮き彫りにしていくシリーズ企画、
題して「各駅評論」。
13回目は、平内町にある清水川駅を視察。
青い森鉄道の駅の中でも、
跨線橋から海(陸奥湾)を見渡すことができる景色の良いレアな駅。
更に、3枚目の写真の左側をよく見ると山々が連なっている光景が伺えるが、
これは下北半島にある恐山。
海と対岸の山両方をセットに見ることができる、
これまた景色に恵まれた駅だ。
ということで、早速視察していこう。
◆アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)
マップを見るとご覧の通り、
青い森鉄道の線路と国道4号が並行して走っていることから、
清水川駅と国道4号との距離も近くアクセスとしては良いほうである。
駅への案内標識もしっかりと設置されており、
所見でも迷うことはほぼないだろう。
強いて言えば、駅前道路が車1台分程度の、
やや狭い幅員である点が玉に瑕といったところか。
2枚目の写真を見れば分かるように(左側の卒塔婆の案内が目印)、
1車線でありながら駅前道路はこれでも県道に指定されているのだ。
◆パークアンドライドは整っているか?
完璧に整備された駐車場こそ存在しないが、
駅前には5台前後停められるスペースがさりげなく程度に用意されており、
停めようと思えば停められる範疇だ。
また、後述するが裏口にも一応駐車スペースが数台程度確保されている。
一方、跨線橋の下にも駅前広場的なスペースが存在しているが、
こちらは下北交通のバス乗り場となっているため、
自家用車を停めることは不可能である。
◆駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)
清水川駅の歴史は深く、
1936年(昭和11年)に開業した(以前までは信号場として稼働)。
そのため駅舎も安定の国鉄スタイルを今日も保っており、
恐らくは開業してから一度も大幅な改築はされたことがないはずである(Wikipediaにもそのような記述はなし)。
駅舎内にはベンチが設置されているが、
こちらも昭和を醸し出すどこかノスタルジーな仕様。
かつては出札も行っていた関係で窓口が塞がれているのも確認できる。
また、3枚目の写真でも、
上屋やら柱やらいたるところから年季を感じさせられる駅舎だ。
で、肝心の駅舎内は清潔に保たれているかというと微妙であり、
床や壁はややホコリが多めで、
細かいところではあるがベンチの隙間には小さい蜘蛛の糸が飾られていた()
視察時期が夏ということもあり虫もやや多かった印象。
清水川駅も青い森鉄道でよくお目にかかる色合いの跨線橋が置かれている。
跨線橋もこれまた年季が入っており、
特に内部はほぼ開業当時のままの内装になっているため、
よりノスタルジーに感じられる。
しかしながら案の定、
跨線橋内部も虫でにぎやかであった。
ホームの様子はご覧の通り。
常時利用客の乗り降りがある箇所のみ舗装されており、
先端部分のほとんど人が歩かない部分は砂利であるという、
青い森鉄道お得意のコストカット技である。
で、待合室に関してもやはり虫がやや多め。
というのも、ホーム裏側が防雪林を兼ねた森林地帯になっている関係で、
どうも夏場は虫が多くなりがちなのだ。
鉄道の安定輸送を確保すべく整備された防雪林だが、
夏場になると虫がわんさか湧いてくるという、
ある種の副作用なものが出てくるのが玉に瑕である。
◆トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)
残念!清水川駅にトイレは設置されていない。
こういう国鉄スタイルをいじっていない駅に限り、
古き良きトイレが鎮座しているケースが多いが、
清水川駅はどうやら例外のようだ。
◆バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)
後ほど詳しく解説するが、
何と清水川駅には裏口が整備されているのだ(2枚目が裏口)。
また、1枚目の写真の通り、
何気なくフリーアクセスが可能な造りになっている。
その関係で、互いのホームへは自然にバリアフリーとなっている。
似たようなケースとしては、
以前視察した同じく青い森鉄道苫米地駅がこれに該当するであろう。
もし反対側のホームへ行くとなれば、
当然、跨線橋階段を利用したほうが最も早く移動できるが、
段差を回避したいとなれば少し迂回して踏切を渡り、
裏側まで回ることで階段を上り下りすることなくたどり着ける。
ただ、その裏口の雰囲気がこれまた苫米地駅以上に凄かった()
◆裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)
清水川駅には裏口がご丁寧に整備されている。
かつ、自家用車を停められるスペースも3台程度用意されており、
裏口もパークアンドライドが意識された造りになっているのが好印象。
しかし、その裏口へは・・・
海の見える正面口とは裏腹に、
裏口はお察しの通り防雪林を切り拓いた駅前道路となっているではないか()
実際に歩いてみるとまるで森の中に吸い込まれそうな雰囲気に包まれる。
正面口と裏口でこれほど光景が正反対である駅は結構珍しいものだ。
衛星写真で見るとご覧の通り。
線路を境界線に海側に住宅街があるが、
山手側は完全に森林地帯である。
ぱっと見海側にしか入口がないと誰もが思うが、
ここで期待を裏切らないのが清水川駅だ。
◆総括
項目 | 点数 | 備考 |
アクセスは良いか? | 3 | 国道4号から1本でアクセス可能な点が高評価 |
★▲パークアンドライドは整っているか? | 4 | 正面口と裏口の合計で大体8台程度停められる |
★駅舎・待合室は綺麗か? | 2 | ベンチの隙間のホコリ、跨線橋や待合室は虫がやや多め |
★▲トイレは整備されているか? | 0 | トイレは無し |
バリアフリーが保たれているか? | 4 | 裏口からもシームレスで、迂回すればバリアフリーになる |
★裏口は整備されているか? | 4 | 駅前道路は狭いがしっかり裏口が整備されている |
合計 | 17 | 裏口が森林地帯であるが裏口が整備されている点が好印象 |
※2022年8月22日視察
※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。
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