約17万人の人口を擁する青森県第三の都市であり、
日本有数の観光都市として名を馳せている弘前市。
これまでありそうになかった「弘前ナンバー」が、
遂に5月11日より交付が開始されました。
そもそも弘前ナンバーとは国土交通省の法令による「ご当地ナンバー」の一種。
簡単に言うと交付をある市町村のエリアに限定して、
その地域の地名を冠したナンバープレートを付けて車の走行が認められているものです。
ここからナンバープレートについての専門知識になりますが、
基本的にナンバープレートというのは、
各地域にある運輸支局および自動車検査登録事務所から発行されるものであり、
一つの運輸支局および自動車検査登録事務所につき一つのナンバープレートしか発行することができません。
分かりやすいよう青森県で例えてみましょう。
現在青森県では三大都市と同じく青森ナンバー、八戸ナンバー、
そして今回新設された弘前ナンバーの3つが存在します。
一方青森県には県庁所在地である青森市に青森運輸支局というものがあり、
ここから発行されるナンバープレートは文字通り青森ナンバーとなります。
それに加え各運輸支局の下部組織には自動車検査登録事務所というものがあります。
青森県では自動車検査登録事務所が八戸市にあるので、
こちらからは八戸ナンバーが交付されます。
要は本社と支社のような関係ですね。
これらのシステムを解釈すると、
今回登場した弘前ナンバーも自動車検査登録事務所から発行されたもの・・・
とつい思ってしまいますが実は違うのです。
そもそも弘前市には自動車検査登録事務所というものが存在しません。
先述のようにナンバープレートは、
通常一つの運輸支局および自動車検査登録事務所で1つしか認められていません。
・・・あれ、まさかルールを破って裏の手口を使ったのか!?
ご安心ください()
実はこのご当地ナンバー導入を機にある条件が緩和されたのです。
まず1つ目として、
これまでは「ある地域において登録されている自動車の数が10万台を超えていること」
という条件があったのですが、
2017年を機にその条件が5万台に引き下げられました。
これにより従来の条件では10万台に惜しくも満たなかった地域での導入が可能になったのです。
弘前ナンバーもこの条件が緩くなったので導入が可能になりました。
2つ目として、
先述のようにこれまでナンバープレートは、
1つの運輸支局および自動車検査登録事務所において1つしか発行されませんでした。
しかしこれもまた条件が緩くなったことで、
1つの運輸支局および自動車検査登録事務所において、
複数のナンバープレートの発行が可能になったのです。
したがってこれまでは弘前市民も青森ナンバーを付けていたのですが、
それから独立して弘前ナンバーを付けて走ることが可能になったということです。
ラーメン屋で例えると、
弟子が頑固店主のもとで修業を行い、
ある程度技術も身についてきたことから、
弟子が望んていた暖簾分けに対し、
遂に許可が下りたという感覚でしょうか。
要は弘前市のプライドの塊によって実現したものです()
実際弘前ナンバーも以前に1回登録を目指そうと企んでいましたが、
惜しくも10万台の登録台数に届かなかったので断念。
しかしご当地ナンバーを導入したい全国各地域からの要望が多くあったのか、
その条件が5万台に下がったことで弘前ナンバーが認められたということです。
しかし、今回弘前ナンバーを付けて走っていいのはなんと、
本拠地弘前市とその隣にある西目屋村の2市村しか認められていないのです。
・・・あれ、思ったほど多くないですね。
一応弘前市周辺には平川市や黒石市、
それに田舎館村や大鰐町などいくつも自治体があり、
そこから弘前市に通勤通学する人も多い状況。
それなりに交流がある自治体ばかりですが、
それらの地名がどこにもないではありあせんか()
では、いったい何があったのか?
これについては次回詳しくお伝えすることにしましょう・・・
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