八戸市内の百貨店業界が今、
大波乱を呼んでいる。
チーノに続き、今度は三春屋の閉店が突如3月3日に報道された。
閉店は早くも来月の4月10日とのことだが、
あまりにも突然すぎる発表。
そもそも百貨店における閉店宣言が1か月前という段階で異例である。
以前、中三青森店が再開発のため閉店したが、
その時は2018年12月に閉店宣言し、
2019年4月に営業を終了。
中三青森店の場合は少なくとも4か月前に閉店する旨を公に伝えている。
が、今回の三春屋はその4分の1の期間しかない。
全国的に百貨店の経営は廃れつつあるとはいえ、
これはちょっと乱暴なのではないか?
更に驚くべきことは、
館内のリニューアルオープンを掲げていた真っ最中に閉店宣言を行った点である。
もともと三春屋は2019年に、
福島市に本社を置く「中合」から、
東京の複合商業施設コンサルタント「やまき」に経営権が譲渡されたのち、
館内まるごとリニューアルして2021年秋から順次新しいテナントが入る予定だった。
が、コロナによる影響で思うようにテナント誘致がうまく行かず苦戦。
グランドオープンは2022年3月30日を目途に計画を練っていたのだが、
それを待たずしてこのようなゲリラ的閉店宣言をしてしまったのである。
おまけに入口前に堂々と「グランドオープン」と掲げていたから、
これまた市民にとってはどこか裏切られたような感覚に陥る。
当初やまきでは”脱・百貨店”と銘打って、
「百花店」というネーミングでリニューアルオープンを目指しており、
個人的にも期待していたのだが、
この惨状である。
とはいえ、さすがにやまきにとっても、
コロナによる想定外な影響を完璧に見通せたわけではないため、
やまきばかりを一方的に責めるのは少々ナンセンスだと思われる。
さて、今後気になる点としては、
やはり”三春屋の今後の在り方“はどうなるのか?についてだろう。
チーノと異なりこちらは今のところ再開発構想はなく、
単に営業を終了するだけにとどまっている。
さすがに都心部なので今後何かしらの動きはあるとみられるが、
もはや全国的に恒例となっている複合商業施設onマンション建設の可能性は高い。
中三青森店もその類似パターンである(下層が百貨店という点では珍しいが)。
最近の事例を見る限りでは、
今回の三春屋もこの複合商業施設onマンション計画になりそうな予感はある。
もしくは建物をリニューアルして使い続け、
ほかの会社に経営権を譲渡するかのいずれかが考えられるが、
まあ今回の騒動を鑑みれば後者になる可能性は低いであろう。
約70年にわたり市民生活を支えてきた老舗百貨店の三春屋。
閉店するのは残念であるが、
新たな出発として今後の動きに注目したい。
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