3月、イトーヨーカドーを運営するセブン&アイ・ホールディングスが、
全国にあるイトーヨーカドーの店舗を撤退させ首都圏へ集約させる、
いわば合理化経営を表明したところであるが、
その波が遂に我が青森県のイトーヨーカドーの店舗へも押し寄せてきた。
6月30日、遂に五所川原市にあるイトーヨーカドー五所川原店の閉店宣言が、
セブン&アイ・ホールディングスより正式に行われた。
閉店時期は来年2024年3月頃を目途としているという。
イトーヨーカドー五所川原店は、
津軽最強の集客力を誇る大型商業施設「エルム」の中核テナントであったが故、
案の定、地元の利用客からは「残念」の声が多数挙がった。
そもそもイトーヨーカドー五所川原店は、
1997年のエルム開業と同時にオープンしており、
約25年もの間、エルムにある様々なテナントの出入りを見守ってきた存在だ。
その一方、エルム周辺を取り巻く環境は徐々に変化。
地元のスーパーやホームセンター、
ドン・キホーテなど全国チェーン店がここ最近になって続々と進出。
エルムの中核テナント的存在であるとは言え、
周りがこのような商業激戦区へなっていくとなれば、
GMS(総合スーパー)の座が危うくなるのも容易に想像できる。
エルムを運営する「五所川原街づくり会社」社長である山崎氏も、
「五所川原店の閉店は想定していた」という。
しかし、6月に私がエルムに足を運んだ際には、
イトーヨーカドーのエリア含め多くの買い物客でにぎわっていたため、
しばらく持つのではないかと予想していたが、
それを超える早い段階で閉店宣言がされたのは少々驚きであった。
まあ、イトーヨーカドーオープン当初は、
よくある全国の店舗構成と同様、
1階が食料品テナント、
2階が衣料品・住居品テナントとして稼働していたが、
2018年のリニューアルを機に2階の衣料品・住居品テナントがBANし、
1階の食料品テナントのみの営業へと縮小していった。
その影響もあり今回の閉店宣言が早くもなされたのだと思われる。
確かに、青森県内には現在4店舗イトーヨーカドーが存在するが、
このうち、独立した店舗(建物)を持っていないのは五所川原店と八戸沼館店の2店舗。
今回、五所川原店の閉店宣言がされたため、
八戸沼館店のほうも存続が危ぶまれる可能性がありそうだ(運営は八戸臨海開発株式会社)。
また、東北全体でも店舗が減少傾向にあり、
昨年2022年には福島県いわき市のイトーヨーカドー平店がBAN。
五所川原店が閉店しても尚、
東北でイトーヨーカドーの店舗数が最も多い青森県であるが、
セブン&アイ・ホールディングスによる合理化により、
更に店舗を減らされる可能性も大きいだろう。
さて、イトーヨーカドー五所川原店のBANが確定したところであるが、
エルムを運営する「五所川原街づくり会社」社長山崎氏は、
「後継テナント確保へ内々で準備を進めていく」と強きのコメント。
とは言え、現にエルム周辺にはドン・キホーテやスーパーなどが林立状態。
イトーヨーカドーの後継として誘致するのであれば、
現在も稼働中の食料品部門を引き継ぐのが最も安牌であると思われるが、
商業激戦区であるため下手な戦略は打てない状態。
同じ食料品を扱うスーパーとして成城石井が人気であるが、
何せ高級路線であるため総合スーパーの後継として利便性が維持され、
かつ、一番相応しいかどうかは微妙なところ。
しかし、Wikipediaによれば、
レックス・ホールディングス(もともとは東京都にある不動産管理の会社)という会社の傘下になったと同時に高級路線は取りやめ、
更に今となってはローソンの傘下となったことで、
昔の”お高い成城石井”というイメージからは徐々に離れていっている模様。
これならイトーヨーカドーの後継としてワンチャンスあるか!?
東北では現在、仙台市と郡山市の2店舗を構えている(いずれも駅ビルエスパル内)。
果たしてイトーヨーカドーの後継は何がやってくるのだろか・・・?
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