青森県内の駅を色々な角度から評価し、
使いやすさを浮き彫りにしていくシリーズ企画、
題して「各駅評論」。
40回目は今別町にある、
津軽線津軽二股駅を視察。
JR東日本津軽二股駅は、
JR北海道が所管する、
北海道新幹線奥津軽いまべつ駅に隣接する在来線の駅。
津軽線運休前は、
JR北海道とJR東日本で駅が別々の扱いであったものの、
新幹線と在来線の乗り換えが”事実上可能”な駅であり、
一部列車においては接続がとられていた。
尚、あえて事実上可能と記した理由は、
物理的に乗り換えは可能なものの、
別の鉄道会社の別の駅という扱いであり、
両駅を乗換駅として、
1枚の乗車券を発行することはできないためである。
と、この津軽二股駅も、
同じ津軽線にある中小国駅と同様、
大人の事情が複雑に絡んだ、
ややこしい扱いの駅である。
どうせなら共同使用駅として、
奥津軽いまべつ駅と津軽二股駅を合体して運営すれば、
利用者としては便利であるのだが、
やはりそこはJRらしくお役所的な考えが先行しているようだ。
ということで、こちらもややこしい駅の一つである、
津軽二股駅を視察していこう。
アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)

津軽二股駅は、
津軽半島を縦断する県道14号に接続しており、
アクセスは良好である。
駅前は県道287号となっているが、
こちらは北海道新幹線開業前に指定された、
比較的新しい県道。
正式名称は「奥津軽いまべつ停車場線」である。
センターラインが引かれており、
とても走りやすい道路状況だ。
案内標識に関しては、
道の駅いまべつや奥津軽いまべつ駅に隠れ気味であるが、
駐車場の入り口にしっかりと表記が確認できる。
パークアンドライドは整っているか?

奥津軽いまべつ駅開業と同時に、
今別町が運営する無料の屋内駐車場が整備された。
こちらは、津軽二股駅を利用する人でも駐車が可能。
駐車台数は屋内48台と屋外34台の、
トータル82台停められる。
従って、津軽二股駅のパークアンドライド事情は、
文句なしである。
駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)

以前の簡易委託駅時代は駅舎があったものの、
無人化と同時に解体され、
現在、津軽二股駅に駅舎というものは存在しない。
その代わりに、道の駅いまべつの風除室が、
待合室代わりとして使用されており、
運賃表や時刻表もこちらに掲示されている。
道の駅であるため、
ベンチのみならず、
自動販売機やごみ箱も設置されており、
待合室としては立派な仕様だ。
尚、清掃は行き届いていた。
ホームへの入り口はこの階段からとなっており、
すぐ隣に道の駅がある。
掲示されているのは、
駅名サインというよりかは、
どちらかというと車道の案内標識の仕様。
JR東日本管内ではあまり見かけないが、
これも昔から変わらないスタイルだ。


ホームは1面1線の棒線駅。
それとは対照的に、
立派な駅舎である新幹線の奥津軽いまべつ駅が、
異様に際立っているのも面白い。
かつては1面2線であったというが、
その遺構などは現在確認できない。
黄色い点字ブロックはなく、
ローカル線の駅らしく白線の実線が引かれている。
尚、視察当日は運休後であり、
ホーム前後の線路は草で生い茂っていた。
トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)

何と、1面1線の棒線駅である津軽二股駅だが、
トイレが”事実上”設置されているのだ。
というのも、先述の通り、
駅に隣接する形で道の駅が整備されている。
よって、駅構内に無くとも、
道の駅のトイレを使えるため、
事実上、津軽二股駅には、
トイレが置かれていることになるというわけだ。
無論、道の駅のトイレである故、
設備は立派な仕様。
大小用の水洗式トイレが設置されており、
大便器は温水洗浄便座。
洗面台には石鹸も置かれており、
抗菌対策がなされている。
バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)

ホームへは4段の階段を上る形になっている。
バリアフリーとは言えないが、
段数は少ないため、
足腰の悪い高齢者でも、
まだ上り下りしやすい設計であろう。
裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)
津軽二股駅の裏は、
ご覧のように森林地帯であるため、
裏口の必要性は極めて薄い。
よって、当シリーズのルールに則り、
自動的に3点とする。
総括
| 項目 | 点数 | 備考 |
| アクセスは良いか? | 4 | 県道14号から1本でアクセス可能 |
| ★▲パークアンドライドは整っているか? | 5 | 本来は奥津軽いまべつ駅利用者向けだが、広大な屋内駐車場が整備されている |
| 駅舎・待合室は綺麗か? | 4 | 清掃は行き届いていた |
| ★▲トイレは整備されているか? | 5 | 駅構内には無いが、隣接する道の駅のトイレが事実上使用可能 |
| バリアフリーが保たれているか? | 3 | 4段の階段であるが、そこまで足腰に負担はかからない造り |
| ★裏口は整備されているか? | 3 | 森林地帯であるため、裏口の必要性は極めて薄い |
| ■おもてなしがされているか? | 0 | ホームに花壇、待合室に座布団はそれぞれ存在しなかった |
| 合計 | 24 | 奥津軽いまべつ駅及び道の駅の影響もあり、駐車場やトイレ事情は立派な仕様である |
※2024年5月5日視察
※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。


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