【各駅評論#36】青い森鉄道三沢駅写真集 米軍基地の街らしく堅牢な駅舎!?

交通研究

青森県内の駅を色々な角度から評価し、

使いやすさを浮き彫りにしていくシリーズ企画、

題して「各駅評論」。

36回目は三沢市の中心駅である、

青い森鉄道三沢駅を視察。

かつては東北本線のほぼ全ての特急が停車し、

JR時代は駅構内にキオスクをはじめ、

みどりの窓口などが置かれていたが、

現在は青い森鉄道の施設へと刷新された。

また、米軍基地が鎮座する街として有名な三沢市において、

唯一の駅であるが故、

駅設備においては非常に立派な仕様となっている。

1日平均乗車人員では、

コロナ前は1,000人程度を記録しており、

青森県内の駅においても上位のほうだ。

ということで早速視察していこう。

アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)

三沢駅は三沢市中心街から直線距離で約2キロ離れており、

駅周辺は住宅街が大半を占めている。

マップの通り、

三沢駅周辺には県道10号をはじめとした、

複数の主要な県道が交差しており、

車でのアクセスには優れていると言えるだろう。

尚、高速道路における最寄りは六戸JCTへ繋がる入口となる(青森方面からは六戸三沢IC)。

駅前道路に関しては、

1枚目が正面口(西口)で県道10号に接しており、

片側1車線が確保されている走りやすい道だ。

それに対し2~5枚目の東口は、

駅前道路こそ広いものの、

県道8号に関してはセンターラインが引かれておらず、

昔ながらの道といった印象。

尚、青看による案内標識は駅前の目の前にはなく、

駅からやや離れた交差点に設置されている。

パークアンドライドは整っているか?

正面口(1・2枚目)及び東口(3・4枚目)両側に、

これまた広大な駐車場と駐輪場が整備されており、

三沢駅のパークアンドライドは非常に環境が整っていると言える。

ただ、正面口の駐車場は、

「駅前交流プラザみ~くる」専用となっており、

駐車台数は限られているため、

駅利用者は東口の駐車場を利用することになる(有料だが)。

また、綺麗な舗装は言うまでもなく、

自転車が整然と並んで停められているのも、

駅利用者のルールやマナー意識が高いことが伺える。

駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)

正面口には2020年にオープンした、

「駅前交流プラザみ~くる」が駅舎本体と接しており、

青い森鉄道にしては立派なガラス張りの建物が特徴。

駅舎内へは、

み~くるの建物内部からに加え、

バス乗り場側には別途階段があり

2か所の入口から入ることが可能。

利用者が多いため、

手すりや点字ブロックなどの機能も設置されている。

正面口には、

廃線となった旧十和田観光電鉄線の三沢駅舎跡地を再利用した形で、

バスやタクシー乗り場が整備された。

三沢市中心部や、

電車代替バスとして運行する十和田市方面へ行く路線バスの他、

東京方面への高速夜行バスも発着するなど、

三沢市の玄関口として機能している。

まずはみ~くるの様子から。

1階は待合所やバス案内所の他、

十和田観光電鉄の駅そばの店が入居。

廃線後となった今でも元気に営業している。

店内には旧駅舎とラストランが撮られた写真が掲載。

尚、待合所には何と三沢空港のフライト情報を発信する、

液晶ディスプレイが設置されている。

空港のフライト情報を発信する駅は全国的にも珍しいのではないだろうか?

三沢駅からは三沢空港への路線バスも発着しているため、

このような措置をとっているのだろう。

続いて2階の様子。

こちらにも同じく待合スペースがあり、

テーブルと椅子が複数設置されている。

特徴的なのは青森県内の駅では珍しい展望デッキ。

列車の発着風景を眺めることができるという、

まさに鉄道マニアのために整備されたようなものだ。

み~くると駅舎本体は2階の連絡通路で結ばれている。

東西自由通路や改札口はご覧のような造り。

自動券売機及び窓口が設置されており、

列車の発車時刻に近づけば人通りが多くなる。

尚、有人駅のため駅舎内は清掃が行き届いていた。

JR時代では特急が停まっていただけあり、

ラッチ内は広々とした造りになっている。

青森方面の1番線ホームの様子。

さすが元特急停車駅だけあり長々としている。

吹き曝しの待合所には、

ひじ掛け付きの椅子が合計10基ほどある。

そして八戸方面の2・3番線ホーム。

こちらには全方位覆われた待合室があり、

ひじ掛け付きの椅子が5基用意されている。

ホーム内に自動販売機や、

長々とした上屋が設置されている側面からしても、

主要駅の風格を感じさせる

米軍基地のある街らしく、

全体的にどこか堅牢な雰囲気の造りであると感じた。

乗車口案内には、

既に廃止となった「リゾートあすなろ」が、

地面にはかつて当駅に乗り入れていた、

789系や583系の表記が残っていた。

こちらは東口の様子。

み~くるがオープンする以前まで、

西口と同じ外観であった。

東口は裏口にあたるが、

こちらも正面口に負けず劣らず、

駅前広場や公園が整備されており、

駅前らしさを感じる。

階段も利用者数が多いため幅広く、

真ん中に手すりが設置されている。




トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)

トイレはみ~くる内と東口に2か所設置されており、

とても充実していると言える。

み~くる内のトイレは最近設置されただけあり、

まるで新幹線駅レベルに負けず劣らずというほど設備は新しい。

大便器に関しては暖房付きウォシュレット、

小便器及び手洗い場はセンサー式と豪華な仕様だ。

西口のトイレは以前から設置されているものの、

小便器及び手洗い場はセンサー式であり、

こちらも設備としては比較的充実している。

石鹸が置いてある点も高評価。

バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)

エレベーターはみ~くる内のほか、

東口や各ホームそれぞれに設置されている。

因みに、み~くる内のエレベーターだが、

よく見ると不思議なことに1階のボタンが2つある。

これは、建物の中と外、

どちらかに行き来可能な仕様になっているためであり、

非常にスマートな造りであると感じた。

このように三沢駅は完全なるバリアフリーに徹しており、

高齢者や車いす利用者にとっても非常に使いやすい駅であろう。

裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)

言わずもがな、

三沢駅は両側に入口が整備されており、

利便性が高くなっている。

おまけ

東口側には広大な空き地が残っているが、

ここにはかつてJR貨物の駅が併設されていたという。

因みに、三沢駅と言えば、

2006年まで米軍基地への専用線が接続していたことで有名だが、

現在、その遺構は、

基地手前の県道10号から、

現・青森みちのく銀行三沢中央支店を過ぎ、

左手に入った市道のところまで確認可能。

線路が残されている。

総括

項目 点数 備考
アクセスは良いか? 4 中心部と距離があるが、県道10号等、複数の主要県道が交差しており、アクセス性に優れている
★▲パークアンドライドは整っているか? 5 鉄道利用者用として、東口に広大な駐車場が整備されている(有料)
駅舎・待合室は綺麗か? 4 清掃は行き届いていた
★▲トイレは整備されているか? 5 新幹線駅に負けず劣らずの設備を擁したトイレがあり、合計2か所設置されている
バリアフリーが保たれているか? 4 入口やホーム全てにエレベーターが設置されており、バリアフリー完備
★裏口は整備されているか? 4 西口、東口があり、いずれも綺麗に整備されている
■おもてなしがされているか? 0 ホームや待合室に花壇や座布団は無し
合計 26 利用者数の割には設備がかなり充実しており、バリアフリーにも配慮された利便の高い駅である
項目別評価基準の詳細(点数の付与方法)はこちら:【やや重要】シリーズ「各駅評論」における評価基準の補足
★当記事への意見・感想を、コメント欄よりお願いします(一番下)★

※2024年5月3日視察

※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。

コメント

タイトルとURLをコピーしました