青森県内にある新幹線・在来線の駅を色々な角度から評価し、
それぞれの駅の使い勝手の良さを浮き彫りにしていくシリーズ企画、
題して「各駅評論」。
15回目は、深浦町にある驫木駅を視察。
驫木駅と言えば夕日の見える秘境駅として知られているが、
かの青春18きっぷのポスター(2002年春期)に登場したことをきっかけに、
全国からマニアや観光客が訪れるようになり、
今となっては五能線の中でも有名な駅に昇進。
ということで早速、風光明媚な驫木駅を視察していこう。
◆アクセスは良いか?(主に国道・県道から、道幅は広いか?)
驫木駅へは日本海に沿って走る国道101号から1本でアクセス可能。
片側1車線で道幅も広く景色も良いため、
ついうっかり駅を通り過ぎてしまう人もいるかもしれないが、
案内標識には秘境駅ながらもしっかり「驫木駅」と表記されているため、
迷うことはまずないだろう。
さすが、青春18きっぷのポスターに掲載されただけあるものだ。
◆パークアンドライドは整っているか?
驫木駅でのパークアンドはあまり期待しないほうが良い。
理由としては、マニアや観光客が多く立ち寄るため、
駅前に自家用車を停めて撮影を行ったりしているうちに満車になるからである。
視察当日は合計4台停まっていたが、
入口前での人の出入りの邪魔にならない程度を考えると、
これぐらいが限界かと思われる。
◆駅舎・待合室は綺麗か?(築年数ではなく、手入れがきちんとされているか?)
駅舎は1951年に竣工。
画像でお察しの通り、
日本海を背に木造駅舎との相性が非常によく、
窓越しに日本海が映る姿と相まってどこか哀愁漂う雰囲気を醸し出している。
視察当日は文句なしの青空であり、
写真の加工なしでもこれぐらい”映える”駅舎は希少であろう。
驫木駅にはJRのロゴが描かれてない木彫りで独自の看板が飾られているほど。
それだけマニアや地元民に愛されている証拠である。
駅舎内はこのような感じ。
板張りの壁にアスファルト舗装の床と、
まるでリフォーム工事真っ最中の家かと錯覚してしまうが、
これも驫木駅のアイデンティティだ。
また、マニアや観光客が多く立ち寄るだけあって、
秘境駅によくありがちな駅ノートが常備されていた。
中を見ると全国各地から訪れている様子がうかがえる。
尚、駅舎内は比較的綺麗に保たれていた。
ホームの様子はこちら。
駅舎とホームとの間隔が異様に狭いため、
列車が来ると異様に圧迫感を感じてしまう設計()
しかし、青空の中、太陽がこの木造駅舎に照りさす光景は、
何ともノスタルジックで実に”エモい”雰囲気だ。
黄色い点字ブロックではなく、
白線が引かれている点も逆に良い。
この写真を見ただけで驫木駅に訪れたくなる衝動に駆られてしまう。
ホームの先端部分のみ舗装されている秘境駅お決まりのパターンであるが、
観光客用に木製のベンチが設置されていた点は親切な設計である。
また、日にち毎のホームから見える夕日の方向を示した、
「夕焼け暦」と夕日時計も設置されており、
いつ、どの時間帯に夕陽が眺められるか情報が徹底されていた。
◆トイレは整備されているか?(ある駅は綺麗か、暖房便座か、石鹸はあるか)
観光客やマニアの訪問が多い驫木駅だが、
残念ながらトイレは設置されていなかった。
具体的な利用者数のデータが不詳であるため何とも言えないが、
観光客向けに簡易トイレを設置しても良いかと思われる。
◆バリアフリーが保たれているか?(ホームまでの段差の有無)
ご覧の通り、駅舎とホームには段差が一切なく、
シームレスな移動が可能な造りになっている。
これは、駅前が傾斜になっているため自然とこのような仕様となっているわけだ。
◆裏口は整備されているか?(裏口が地理的理由上必要ないと判断した駅は自動的に3点加算)
言わずもがな裏側は日本海に面しているため、
裏口を造る必要性は皆無だ。
むしろ、海の中に裏口があればかなりミステリアスな光景であるがw
◆おまけ
驫木駅の反対側に「西海岸広域農道」という道路があるが、
ここの高台からは日本海と驫木駅両方写真に収められ、
隠れた撮影スポットとなっている。
雄大で厳格な日本海と、
そこにポツンと佇む小さい驫木駅の木造駅舎が、
これまた何ともノスタルジーな光景だ。
尚、視察当日は3月であったため、
高台へ行く階段の草はそこまで生えてなかったが、
夏場は草で鬱蒼としている可能性があるため注意が必要と思われる。
◆総括
項目 | 点数 | 備考 |
アクセスは良いか? | 4 | 国道101号から1本でアクセス可能 |
★▲パークアンドライドは整っているか? | 2 | 最大でも4台程度のスペースのみ |
★駅舎・待合室は綺麗か? | 4 | 清掃が行き届いていた |
★▲トイレは整備されているか? | 0 | トイレは無し |
バリアフリーが保たれているか? | 4 | 駅舎⇔ホームの段差は一切無し |
★裏口は整備されているか? | 3 | 海に面しているため裏口の必要性は皆無 |
合計 | 17 | 観光客の訪問が多いためトイレがあれば尚可 |
※2023年3月6日視察
※全駅視察終了後に評価を調整する可能性あり。
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