これまた衝撃なニュースが飛び込んできた。
民間の有識者らでつくる「人口戦略会議」が4月24日開催。
それによると、2020年から2050年の30年間で、
我が青森県では全40市町村のうち、
88%にあたる35市町村が消滅可能性都市にリストアップされてしまった。
消滅可能性都市算出にあたっては、
20~30代女性が30年間でどのくらい減少するかを基準とし、
半数以下になる自治体をリストアップしている。
全体的に色々ツッコミどころがあるが、
まず、青森県内各自治体ごとの若年女性の減少率において、
75%以上となった市町村は以下の通りである↓
※赤枠:若年女性減少率が75%以上、無枠:50~75%未満、黄枠:50%未満(非消滅可能性都市)
- ワースト1位:外ヶ浜町87.5%
- ワースト2位:今別町86.0%
- ワースト3位:佐井村85.2%
- ワースト4位:深浦町80.1%
- ワースト5位:大間町79.7%
- ワースト6位:新郷村79.2%
- ワースト7位:鰺ヶ沢町77.5%
- ワースト8位:中泊町76.3%
共通事項としては、
津軽半島や下北半島といった、
「半島」に位置する自治体が数多く占めている。
やはり生活や交通の利便が低い自治体、
都市部から距離のある自治体は不利な状況にあると言えよう。
では、逆に消滅可能性都市にランクインしなかった自治体、
イコール50%未満の市町村はいったいどこなのか↓
- 1位:六戸町37.2%
- 2位:おいらせ町43.3%
- 3位:田舎館村46.9%
- 4位:西目屋村47.3%
- 5位:三沢市48.4%
上記市町村が若年女性の減少率が50%未満の自治体である。
六戸町、おいらせ町あたりは、
当ブログで毎度おなじみ基準地価などにおいても、
上昇している地点が多くを占めており、
安定しているのが分かるだろう。
このエリア周辺は、
高速道路のインターチェンジや新幹線の駅が近く、
ショッピングモールがあるほか、
米軍基地や日本原燃による経済効果も関係している。
まさに地理的有利な条件が重なって、
良好な数値をたたき出しているという訳だ。
一方、田舎館村では現在、
川部駅ヤード跡地再開発事業が進んでいることもあり、
家族世帯が続々移り住んでいるという。
特に弘前市からの移住者が多いようで、
奥羽本線や国道7号といった交通の大動脈にも近いことから、
交通の便が良い点が評価されている模様。
あと、西目屋村に関しては、
津軽ダム建設工事用の宿舎跡地として使わなくなった土地を、
「土地代ゼロ」と銘打って発信した結果、
近隣から移住者が増えたという。
面白いのが、西目屋村はスーパーやコンビニ、
病院といった施設は一切ない。
小学校が1校あるのみで中学校や高校すら存在しない。
傍から見れば誰もが「辺境の地」と思ってしまうが、
地元民によれば、
「隣の弘前市のスーパーまで車で15分で行けるからそこまで不便に感じない」
とのこと。
いかに「土地代タダ」による効果が大きいか思い知らされる。
さて、ここまで消滅可能性都市ワースト8と、
消滅可能性都市回避市町村をリストアップしたが、
県都青森市はどうなっているのか?
タイトルでお察しの通り、
何とこちらも消滅可能性都市にリストアップされているではないかw
県庁所在地が消滅可能性都市と通告されるのは何とも不思議なのだが、
要は、若年女性が半減する自治体として、
県庁所在地である青森市が選ばれてしまったというニュアンスになる。
そもそも県庁所在地が消滅してしまったら、
青森県としても成り立たなくなるわけであり、
一県民としても非常に危機感を覚える。
しかも、全国で唯一、
県庁所在地として青森市が消滅可能性都市に選定される羽目に()
確かに全国の市区町村を見ても、
県庁所在地が消滅可能性都市にリストアップされたのは、
ここ青森市だけであった。
しかし、人口推計においては、
2018年時点では16万人だったのが、
2023年時点では17万人と1万人増え、
減少率が改善しているのが分かる。
前回試算からにおいても青森市は4.6%改善しているため、
それが証拠となっている。
また、前回調査に比べ改善しているのが16市町村あり、
青森市のほか弘前市(3.0%改善)、
八戸市(4.5%改善)の三都をはじめ、
先述の西目屋村(20.5%改善)や六戸町(9.8%改善)、
それに七戸町(11.1%改善)が特に改善率が高い。
今後も社会減対策と自然減対策両方が喫緊の課題であろう。
と、このような感じで2024年の消滅可能性都市が発表されたが、
全国のある自治体では子育て対策を強化したり、
養育費などをカバーした結果、
そこから脱却したケースもいくつかある。
今回の発表を悲観せず、
逆に貴重なデータが得られたと認識するだけでも、
違いは生まれてくるのではないだろうか。
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