新型コロナウイルスは鉄道会社にも多大な影響をもたらしているようです。
3月23日付の東奥日報によると、
青い森鉄道はコロナの蔓延により学校が一斉休校をとったことで、
通学利用を中心に2019年度の収支が約1億円の減収になることが明らかになりました。
青い森鉄道と言えば、
鉄道インフラ(駅舎・線路など)の部分を青森県が保有して、
同社の負担を軽減する「上下分離方式」をとっている関係で、
沿線には県立高校などが多数集中している第三セクター鉄道として知られていますが、
肝心の収入源となっている学生の利用が急激に下がったことで、
経営に大きな打撃を受けています。
しかし、青い森鉄道はこの上下分離方式をとっていることで、
事実上青森県が経営のカギを握っていると言えます。
要は、線路を青森県が保有していることから、
青い森鉄道は列車を走らせるために「線路使用料」を県に対し支払っているのです。
ただ、かつては線路使用料を全額支払える経営基盤ではなかったため、
青森県が線路使用料の一部を減免していた時期がありましたが、
利用者数が年々増えていることもあり、
2017年度と2018年度は線路使用料を全額支払えるようになっています。
ところが、今回のコロナの影響で減収になったことから、
その線路使用料減免措置が2年ぶりに発動することになったというわけです。
青い森鉄道の収支については毎年チェックしているので、
どこか懐かしくも感じますが・・・w
なお、減免措置を受ける青い森鉄道。
肝心のところである赤字に転落するのかという点についてですが、
何とそうではありません。
線路使用料の一部である約7797万円を減免しますが、
純利益については一応192万円の黒字を見込んでいるようです。
とはいえ結構ギリギリな数値ですね。
さらに、青い森鉄道は2020年度の収支を、
線路使用料はきちんと全額の5億1674万円支払いつつ、
309万円の黒字を目標としているようですが、
仮にコロナの影響が年末まで続いた場合は、
再び線路使用料の減免措置がとられる可能性が大きいと思います。
しかも毎年8月に行われるねぶた祭りでさえ中止がつい先ほど決定してしまったので、
かき入れ時である8月の収入は大きく落ちるはずです。
勿論、毎年恒例の「ねぶたライナー」も運行されないでしょう。
さすがに2020年度下半期になってくるとコロナがやや収束してくるでしょうが、
決して減免措置は楽観視できませんね。
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