【真の目的は何か?】津軽線蟹田~龍飛崎で乗合タクシー実証運行開始!

青森鉄道ニュース

津軽線関連についてこれまた気になるニュースが飛び込んできた。

JR東日本盛岡支社は6月2日に、

津軽線蟹田以北を中心としたデマンド型乗合タクシーの実証運行を、

本年7月~9月に行うと発表。

※秋北タクシーが運行する大館能代空港乗合タクシーの場合

また今回は実証実験だが、

実績を踏まえて乗合タクシーの本格運行を検討しているようである。

デマンド型乗合タクシーは何やら2種類用意するということだが、

詳細は以下の通りである↓

名称 運行ルート 運行 主ターゲット
わんタク 蟹田駅周辺~竜飛崎 10時~16時の30分間隔 観光、通院、買い物客等
つがるん 蟹田駅~三厩字鉄山 21時発の1本 部活終わりの高校生

上表を見ていただくと分かるように、

「わんタク」と「つがるん」という名称のデマンド型乗合タクシーが運行される。

ただ、同じデマンド型乗合タクシーであっても、

「わんタク」と「つがるん」では全くの別物である。

まず「わんタク」についてだが、

こちらは蟹田駅周辺~竜飛崎間であればどこでも乗り降り可能だ。

基本的に津軽線沿線の住宅街(蟹田、今別、三厩)をカバーする形で運行が予定されており、

青森県有数の観光地である龍飛崎までも行くことができる。

今別町・外ヶ浜町の一部エリアでデマンド型乗合タクシーの実証実験を行います!

ただ、JR東日本のプレスリリースとグーグルマップを照らし合わせてみた限りでは、

津軽半島もう一つの観光地である今別町の高野崎はギリギリ範囲外となっており、

アクセスできるかは不明。

位置的に高野崎の手前にある袰月(ほろづき)という集落までは対応しているようだが、

これに関しては問い合わせてみないと分からない。

で、わんタクの真骨頂としては、

津軽線蟹田以北と比べ運行本数が圧倒的に多いという点だ。

10時~16時の30分間隔という比較的高い頻度で配車される。

現状、津軽線蟹田以北は1日5往復しか走っていない。

龍飛崎といった有名な観光地があるにもかかわらず、

これでは行動が制約される。

また、青森方面から交通機関でアクセスする際、

龍飛崎までは蟹田駅と三厩駅でそれぞれ列車とバス2回乗り換える必要があり、

気持ち的にも距離が遠く感じてしまう。

だが、わんタクは蟹田駅から直接龍飛崎まで乗り入れるため、

青森方面からだと蟹田駅での乗り換え1回で済むことになるから、

アクセスの向上が期待できるだろう。

もう一つの「つがるん」に関してだが、

こちらは部活終わりの高校生が主に利用することを想定している。

そのため、ルートとしてはほぼ津軽線に並走する形で設定しており、

三厩駅から更に北にある宇鉄山(うてつやま)という地区までしか運行されない。

2022年現在、蟹田発三厩着の最終列車は19時12分であり、

これ以降運行されないことから、

そのあとの青森20時15分発蟹田20時53分着に接続する形で、

21時発のつがるんが運行される。

よって、終電が延長されるということになるのだ。

さて、このように2つの乗合タクシーが運行されるということだが、

気になる運賃は中学生以上の場合1回500円。

高齢者や今別町、外ヶ浜町在住の人、

それに大人の休日俱楽部・青春18きっぷ所有者などはそれよりも安い300円となる。

尚、交通系ICカードに対応しているため、

現状よりスムーズな決済が可能だ。

因みに鉄道だと蟹田~三厩間は590円かかるため、

タクシーのほうがお安くなる。




ということは・・・

やがて鉄道からタクシーに利用者がシフトし、

いよいよ津軽線蟹田以北の存続が危ぶまれるんじゃないか・・・?

と、個人的には少し察してしまった。

なぜなら、以前このような報道がされたからである↓

JR東・深澤新社長インタビュー 不採算路線はタクシーに?

この記事の通りJR東日本では不採算路線の代替として、

相乗りタクシーや自動運転タクシーなどの導入を検討しているということもあり、

どことなくその臭いを漂わせているような気もする。

では、肝心のJR東日本はどうコメントしているかというと・・・

「観光、生活交通の2つを併せ持つサービスは地域住民とわれわれの間に相乗効果を生む。新幹線の利用増加にもつながる」

前向きな発言をしている。

・・・このコメントから推測されることは、

あくまでも鉄道を廃止にするという意味合いではなく、

鉄道と乗合タクシー双方で地域住民や観光客の利便性を向上させようという魂胆だと思われる。

よって、津軽線蟹田以北が今すぐにBANされるということではなさそうだ(100%の自信はないが)。

そもそも「つがるん」に関しては、

今別町と外ヶ浜町から夜間の交通機関の利便性向上の要望が出たことから登場したものであり、

JR東日本が一方的に乗合タクシーを押し付けたわけではない。

以前から津軽線蟹田以北の終電が早く利便性に欠けていたが、

鉄道の本数を増やすとなればやはりコストがかかる・・・

だったら低コストな乗合タクシーならいいんじゃないか?

という経緯があって今回乗合タクシーの導入に踏み切ったのだろう。

また「わんタク」に関しても、

2021年8月から津軽半島の観光流動促進を目的に、

奥津軽いまべつ駅での「はやぶさ1号」との接続向上のため実証実験を行っていた。

その結果好調だったことから今回乗合タクシーを拡大しているようだ。

こうした動きを見る限りでは、

今後津軽線蟹田以北に関しては、

鉄道と乗合タクシーを共存させる形で運営していくことが推測される。

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