全国各地の鉄道会社が昨年度の決算を発表するも、
やはりコロナによるダメージが大きく、
多くの会社で大赤字垂れ流し状態となっている中、
何と青い森鉄道では21年度の決算が見事黒字となったw
毎年恒例、アスパムで取締役会を6月1日に開き、
気になる成績はどうなっているのかというと、
旅客運輸収入に関しては9億9857万円で前年度を7.9%上回ったが、
コロナ以前の水準の65%にとどまった。
が、当期純利益に関しては331万円を計上し、
見事2年ぶりの黒字決算となったのである。
さて、他社ではコロナによる影響で赤字を垂れ流している過酷な状況で、
なぜ青い森鉄道は黒字決算をたたき出したのか・・・?
これについてはもう多くの人がご存じであろう、
線路使用料の減免措置が発動したためである。
以前のシリーズ企画「青鉄大研究会」でも、
線路使用料関連の解説は腐るほど行ってきたが、
まさにその禁断とも言える手札が今回も出されたという訳だ。
で、その線路使用料をどのぐらい減免してもらったかというと、
5億2601万円のうち、
驚異の81%にあたる4億2583万円分であるw
更に、これまで線路使用料を青森県に減免してもらってきた副作用として、
2002年の開業以来累積赤字(ツケ)も溜まっているのだが、
これに関しても331万円減って1億6717万円にまで圧縮することができた。
ただでさえ全国各地の鉄道会社は大幅な収益減で萎えている状況下、
青い森鉄道では黒字決算&累積赤字も返済するという、
実に狂気的な姿勢を見せているのがお分かりいただけるだろう。
まあ、線路使用料に関しては、
毎度お約束となった青森県による減免措置が今回も図られているため、
他の鉄道会社と比べれば有利と言えば有利なのだが、
黒字決算になったのも、
全国の並行在来線における第三セクターで唯一、
上下分離方式をとっているからこそ成せた技なのである。
これが逆に上下分離方式をとっていなかったら、
お隣のIGRみたいに2億円もの赤字を垂れ流していたことだろう。
まさに、上下分離方式の賜物である。
おだてるつもりは特にないが、
コロナでも黒字決算をたたき出した青い森鉄道のやり口を、
他の鉄道会社も見習ったらいかがだろうか?
場所は変わるが、
豪雨災害で長らく運転見合わせとなっていた、
JR東日本管内屈指の赤字線区であるあの只見線でさえ、
福島県と上下分離方式を交わしたことで全線復旧を目指すまでに話が進展した。
ついこの間までは、関係者の間でも
「この惨状なら廃線やむなし」
「バス転換まっしぐら」
と半ば諦めの声が続出していたのだが、
福島県としても何とか只見線を維持したいという熱意がJR東日本にも届いたらしく、
奇跡的に鉄道を維持できた。
逆に、上下分離方式の話が一切出てこなかったら、
只見線は廃線まっしぐらの状況になっていたに違いない(会津若松方面は利用者数が比較的多いのでここは残りそうだが)。
上下分離方式、恐るべし。
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