青森県は1月9日、
2016年度分の県内40市町村すべての市町村民所得を公開しました。
そもそも市町村民所得というのは、
自治体の生産活動で1年間に発生した付加価値の生産・分配・支出を含め、
県民経済計算(都道府県レベルの経済活動状況)の結果を用いて、
「総生産」と「所得」を推計したものです。
つまり、市町村別にどれだけ稼いだかを表したようなものと言っても良いでしょう。
ただし、これは企業所得も含めた市町村民所得を総人口で除算したものなので、
個人の所得を表したものではない点に注意が必要です。
では、2016年における青森県内40市町村の市町村民所得の結果はどうなったのでしょうか?
ここでは面白くするため、
所得額トップ3などに加え、
増減率トップ3もついでに見ていきましょう。
所得額1位は原発マネーで潤う六ヶ所村がダントツトップに!
順位 | 自治体名 | 2016年度(千円) | 増減率(%) |
ー | 青森県平均 | 2,558 | 2.0 |
1位 | 六ヶ所村 | 16,563 | 5.3 |
2位 | 西目屋村 | 3,601 | 2.0 |
3位 | 東通村 | 2,772 | 10.3 |
やはり1位は常連の六ヶ所村が堂々のトップを飾っていますね。
そもそも六ヶ所村は、
全国的にも知られている、
あの核燃料サイクル施設が鎮座している村であり、
毎年国から多額の原発マネーが注がれていることから、
市町村民所得においてはぶっ飛んだ数値を記録しているのです。
従って、六ヶ所村はこれで11年連続県内トップとなりました。
恐るべし原発マネー。
因みに3位の東通村も同じ下北半島であり、
こちらにも原発がありますが、
現在停止中なので原発の影響は少ないと思われます。
その代わり東通村は製氷施設が完成したことが影響しているようです。
2位の西目屋村は、
津軽ダムの建設が完了したことで高くなっています。
こうしてみると、
なんと青森県ではトップ3がすべて村という、
何ともカオスな実態となっているのが分かります()
増加率1位はマグロで有名な大間町!
順位 | 自治体名 | 増減率(%) | 2016年度(千円) |
ー | 青森県平均 | 2.0 | 2,558 |
1位 | 大間町 | 20.3 | 2,448 |
2位 | 東通村 | 10.3 | 2,772 |
3位 | 田舎館村 | 8.0 | 2,527 |
増加率ではマグロで有名な本州最北端の大間町がずば抜けて1位になっていますね。
2位の東通村の2倍近くの増加率となっています。
これについては、
県全体的に製造業や農林水産業の生産額が上昇したため、
その分野が盛んな自治体では市部よりも増加率が大きくなっています。
従って上記以外でも増加率が高い自治体は結構あり、
製造業や農林水産業が盛んなエリアが中心となっているのです。
そのほか・3大都市はどうなったか?
自治体名 | 2016年度(千円) | 増減率(%) |
青森県平均 | 2,558 | 2.0 |
青森市 | 2,549 | 0.6 |
弘前市 | 2,343 | 0.7 |
八戸市 | 2,746 | 0.9 |
つがる市 | 1,955 | 4.5 |
三沢市 | 2,653 | 6.3 |
おいらせ町 | 2,695 | 1.4 |
深浦町 | 1,774 | 2.1 |
※一部自治体を掲載。
これは何とも面白い結果が出ました。
なんと県庁所在地である青森市は、
同じ市部である八戸市や三沢市よりも下になっているではありませんか()
しかも「町」であるおいらせ町にも負けているのは何とも屈辱的。
各自治体の特徴を述べると、
まず八戸市は東北有数の工業都市であり、
製造業が盛んな自治体は高くなりやすいことが響いていると思われます。
三沢市は恐らく米軍基地の影響でしょう。
おいらせ町はその三沢市と八戸市のベッドタウンであることから、
棚ぼた的な意味で高くなっていると予測できます。
逆に弘前市は3大都市でワースト、
および三沢市・おいらせ町よりも低いのが意外です。
観光では優秀ですが、
所得の面では弱いようです。
つがる市は県内の市部で唯一の100万円台、
深浦町は40市町村で最下位となりました。
どちらかというと津軽地方のほうが所得が低い傾向にあります。
このように市町村民所得を調べると、
自治体の色々なお財布事情が伺えて何とも面白いですね。
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