以前、旧浪岡町を除く青森市全135地区において、
10年間における人口の推移を解析した記事をお届けいたしました↓
【時代遅れ!?】駅から遠い閑静な郊外に住む時代は終わったワケ
【なぜ!?】青森市西大野他で人口が増えているワケを推測してみた
総括としては、
やはり現代の生活に便利なモノが一通り揃っているエリアに、
人口が集中しているということです。
本数が多い駅から徒歩数分以内のエリアや、
商業施設やスーパー、病院など、
普段の生活でよく利用するような施設が一か所に集中しているようなエリアにおいて、
特に人口の増加が目立っていました。
逆に、駅から遠く、
商業施設やスーパー、病院などがない郊外については、
人口減少幅が大きいというデータも得られました。
しかし、これは個人的な見解としても、
当然の結果だと思いました。
では、なぜ今の時代、
閑静な郊外の住宅街において人気が低迷しているのでしょうか?
個人的な見解も含まれていると思いますが、
概ね以下の理由が挙げられると思います↓
- 交通の便が良くない
- 普段の生活でよく利用するような施設が少ない
- 郊外に住む団塊世代の高齢化による郊外の人口減少
- 若者の車離れが加速する中依然車社会中心
- ロードヒーティングが対応していない
- 地価が安い
こんな感じでしょうか・・・
その1.交通の便が良くない
まず1つ目としては、
交通の便が良くないことが挙げられます。
仮に駅が近くにあったとしても、
津軽線のような2時間に1本とかの程度だと非常に使いづらいですよね。
またバスについても1時間に1本程度だと使い勝手が悪く、
駅が近くにないのなら尚更不便です。
移動手段が限られますからね。
その2.普段の生活でよく利用するような施設が少ない
2つ目は、普段の生活でよく利用するような施設が少ない点です。
スーパーや病院、家電量販店、
ニトリ、ユニクロといった店や施設から、
距離が離れた閑静な郊外の住宅街に住むと、
その分移動時間もかかるので、
買い物などの面で言えば不利になります。
閑静な住宅街にもスーパーや小規模な病院程度ならあると思いますが、
やはり若年層にとっては、
最近の人気ブラント店に気軽に立ち寄れるところに家があると、
住みやすさをより感じます。
逆にそれらが周りにない郊外は、
価値が低いと判断してしまう傾向にあり、
住みたいともあまり思いません。
その3.郊外に住む団塊世代の高齢化による郊外の人口減少
3つ目は、郊外に住む団塊世代の高齢化による郊外の人口減少です。
昭和から平成にかけては、
中心街の住居が古く狭いから広々とした郊外の一戸建てに住みたい、
というのが理想的な生活でした。
郊外は自然も近いうえ、
品物が安いスーパーがあるのでその周辺が特に人口が集中していたんですが、
何せ青森市特有の事情として、
豪雪地帯である点が影響します。
中心街ならまだしも、
郊外ではロードヒーティングが対応していない箇所も多く、
特に一戸建てであれば冬の雪かきはほぼ毎日のように行わなくてはなりません。
そして、年齢が70代くらいになっている団塊世代からしてみれば、
雪かきは体に負担がかかり億劫になってきます。
そうなると郊外の今住んでいるところが不便に感じてくるのです。
しかも自分だけでなく、
周りも同じ年齢層であればなおさらであり、
郊外の街自体が高齢化していってしまいますよね。
ということは買い物や医療といった生活に欠かせないサービスも次第に低下し、
街そのものの価値も落ち込んでいく末路になってしまうのです。
その4.若者の車離れが加速する中依然車社会中心
4つ目は、若者の車離れが加速する中、
依然車社会中心である点です。
私も車は今のところ持っていませんし(鉄道マニアという理由もありますがw)、
将来的にも買おうとは思っていません。
大学のゼミでも「車が欲しい」と手を挙げた人は多くなかったです。
ということは、電車やバスの本数が少ないエリアは、
若年層からあまり人気がないと断定できます。
まあ、大都市と地方で意見は多少変わると思いますが、
わざわざ高い車を買うのなら、
他のサービス(旅行など)を買いたいという人が多くなっている気がします。
その5.ロードヒーティングが対応していない
5つ目は、ロードヒーティングが対応していない点です。
これはやはり青森市ならではでしょう。
豪雪都市であるため、
郊外の多くのエリアは未だロードヒーティングが対応していません。
先述のように、高齢者にとって雪かきは体に負担がかかるものですが、
当然、若年層や中年層にとっても毎日の雪かきは面倒くさいですよね。
そして、青森市では都市部でも積雪1メートルを超える日がザラにあり、
片側2車線ある道路が路肩の雪で覆われ、
片側1車線と化すのが日常茶飯事となります。
そうなると渋滞が発生し、
交通機関にも多大な影響をもたらします。
もしそれが通勤通学時間帯に起きたらどう思いますか?
学校や職場に遅刻するリスクが大幅にアップしてしまうので、
周りからの評判も低下しかねません。
会社では、「雪で遅れた」なんていう言い訳は通用しませんし、
「だったらもっと早く家を出ろ」と返されるだけでしょう。
また、以前私が市営バスに乗ろうと思ったら、
何と20分遅れで来やがりましたからねw
この時は帰宅時間帯だったので、
家に遅れて着いた程度で済みましたが、
もはやダイヤ崩壊と言っていいでしょう。
なので、青森市ではロードヒーティングが対応していないと、
特に冬場は苦労するかもしれません。
その6.地価が安い
最後の6つ目は、地価が安いという点です。
地価が安いということは、
買う時に安くなるから有利になるのでは?
と思うかもしれません。
確かに初期投資的にはお得でしょうが、
住居を売却する時が来れば果たしてどうなるでしょう。
そもそも土地の値段というのはオークションのように、
「需要と供給のバランス」によって決まります。
周辺に便利な施設がたくさんある影響で、
売り主に対し買い主があまりにも多くなると、
本気で買いたい人が買えなくなることから、
その分土地の価格も上げざるを得ません。
よって、生活に便利なエリアは土地の値段も人気に比例して高くなるのです。
しかし、都心部から遠い閑静な郊外は、
人気が集まらない限り年々土地の値段も下がっていくので、
家を売りたいとなっても大した金額にならないことが多いです。
こちらを見ていただくと一目瞭然で、
やはり中心街から遠い郊外は下がっていますよね。
赤い矢印に近いところは大型商業施設が無いので、
生活が不便=人気がない=人が来ない=街の過疎化=家を売ってもそこまでカネにならない
というある種の方程式が自動的に出来上がるのです・・・
というように、以上のような欠点が閑静な郊外には多々あります。
「いかに通勤通学や生活が便利であるか」が令和の住環境において求められているため、
上記のような項目が入っていると、
どうしても人気が集まらなくなっている傾向にある模様です。
なので、駅から遠い閑静な郊外に住む時代は終わったのではないか?
という見解に至りました。
コメント
アオラボさんこんばんは。
わが地元の地価公示はほぼ変動がなかったですが、中心地回帰が少しずつでは
ありますが進んでいます。田舎なので車はないとつらいです。そういうことなの
でしょう。
自分が住んでいる所はバスが20~30分に一本、少し歩いた国道沿いは10~15分に
一本でスーパーやカワチ薬品も徒歩圏内なので、年を取ったらバスに移行する
のかもしれません。車の方が便利な場所の遠出は大変になりそうです。
コメントありがとうございます。
モータリゼーションが進んでいる中、団塊世代の高齢化もあって運転事故も多発しているニュースが多くなっています。
それに加え、若年層の車離れも加味すると、ご指摘の通り今後は鉄道・バスが発達しているエリアが発展していくものと思われます。
中心街である新町でも都心回帰が起きており、マンションが徐々に増えていますので、今後の動向が気になりますね。