久々となる青鉄大研究会ですが、
今回は青い森鉄道の時刻表から分かる究極の人件費削減術について解説していきます。
鉄道というのは駅舎やら線路やら電化設備やら・・・
他の業界と比べとにかくランニングコストが負担となる事業です。
したがって、日ごろから重みとなるランニングコストを削減し、
その浮いた分をいかにして従業員のお給料に反映できるかが勝負の分かれ目となるはずです。
勿論、これは全国の鉄道会社が実施しているものであり、
何ら不思議なことではありません。
しかし、第三セクター鉄道の経営で成功を収めつつある青い森鉄道では、
他社が参考になるようなこれでもかと究極の人件費削減術を駆使している鉄道会社です。
勿論、単に従業員の仕事を思いっきり減らすというものではなく、
あくまでも効率的な人員配置を行っている範疇の話ですのでご安心ください()
そして、青い森鉄道がいかにして人件費削減術を駆使しているのかは、
青い森鉄道の時刻表を見ると一目瞭然です。
ということでまずは2020年改正の青い森鉄道の時刻表を見ていただきましょう。
時刻表欄に黄色及び青色の背景が印刷されている駅がありますよね。
これは凡例の通り、
黄色は「1両目一番後ろのドアから乗車、1両目一番前のドアからの降車」
と書いているのが分かります。
この乗降スタイルというのは、
早朝から深夜まで基本的に無人駅、
もしくは早朝日中時間帯以外無人駅において扱うものということになります。
青い森鉄道で終日無人駅となっているのは、
目時駅、向山駅、小川原駅、千曳駅、狩場沢駅、清水川駅、西平内駅の計7駅となります。
これらは早朝夕方含め駅員は全くいません。
次に早朝日中時間帯以外無人駅となっているのは、
三戸駅、下田駅、三沢駅、上北町駅、乙供駅、小湊駅、浅虫温泉駅でこちらも計7駅となります。
これらの駅は概ね6時半~15時台が営業時間であり、
早朝及び15時台以降は駅員がいなくなります(但し三沢駅は23時以降、浅虫温泉駅は17時以降無人になる)。
つまり黄色の表示は駅の営業時間とリンクしていることになります。
しかしもう一方の青色の部分は、
「平日はすべてのドアからの乗り降りが可能、土休日及び年末年始(12月30日~1月3日)は1両目一番後ろのドアから乗車、1両目一番前のドアからの降車」
と書いていますよね。
この青色の部分に共通しているのは、
主に八戸市内及び青森市内の各駅であり、
かつ早朝の通勤通学時間帯及び帰宅時間帯の一部列車のみとなっています。
対象となっているのは諏訪ノ平駅、苫米地駅、北高岩駅、陸奥市川駅、野内駅~筒井駅の計9駅。
これらの多くは駅付近に高校があるため、
朝の通学時間帯及び夕方の帰宅時間帯に生徒の利用が多いことから設定されています。
そしてこれらの駅というのは基本的には無人駅扱いなのですが、
通勤通学時間帯及び帰宅時間帯に限り近隣の有人駅から駅員が配置される仕組みになっているのです。
例えば野内駅~筒井駅であれば通勤通学時間帯は浅虫温泉駅から、
帰宅時間帯は青森駅から駅員がそれぞれ派遣されることになっています。
時間帯で配属が分かれているのは恐らく労働時間の調整だと思われますが、
このような感じで近隣の有人駅から利用が多い時間帯に限定して駅員を配置することにより、
無人駅を多く設定でき人件費も効率よく回せるというのが青い森鉄道の一戦略ということですね。
★当ブログを気に入って下さった方は、Twitter、Facebook等でのフォローにご理解とご強制をお願い致します()
コメント