数日ぶりとなる青鉄大研究会ですが始めていきましょう。
今日は先日ご紹介した「線路使用料」の続きとなります。
前回では青い森鉄道が青森県に対して支払う線路使用料額を、
18年間の推移をもとに分析していきましたが、
つまるところ線路使用料が発生している要因としては「上下分離方式」が採用されているためです。
これまでの記事ように青森県が青い森鉄道の鉄道施設を保有し、
青い森鉄道は列車の運行のみに専念することで、
同社の負担を軽減させる目的があります。
言い換えれば、青森県が青い森鉄道の経営を一部肩代わりしていることで、
自動的に青森県の負担も増えることになりますよね。
では、青森県の負担額はどの程度なのでしょうか?
これについては前回解析した線路使用料の推移(支払額と請求額の差)をもとに、
地道に計算していくと答えが出ると思いますが、
ちょっと手間がかかって面倒なので、
2016年の東奥日報にて掲載された記事を参考に分析していきます()
それによると2002年の青い森鉄道開業から2016年までの13年間で、
青森県の負担額はなんと累計52億3千万円にも上ることが明らかとなりました。
要するに青い森鉄道の負担額のツケがここにきて遂に回ってきたという感じですね。
ちなみに2014年度の線路使用料では、
青森県は6億7117万円を請求しましたが、
青い森鉄道はわずか1億5760万円しか支払っていません。
残りの5億1417万円はどこへ行ったのかというと、
つまり青森県が減免措置をとったことでこの額を負担したのです。
そして青森開業による経営分離により青い森鉄道の営業キロが従来と比べ5倍に爆増したこともあり、
その分の減免額が毎年蓄積され、
やがて青森県の大きな負担となる金喰い虫へと変貌していったのです。
さらにそこへ追い打ちをかけるかのように、
今度は青い森鉄道を走行する寝台特急「北斗星」と「カシオペア」が2015年度を機に廃止となり、
これによる線路使用料の収入が入ってこなくなるという緊急事態に突入。
なお、2014年度における青い森鉄道の旅客運輸収入は19億7700万円ありましたが、
寝台特急だけでもその2割を占める4億5700万円の収入が入っていたので、
青い森鉄道にとってはかなりの痛手となってしまいました。
寝台特急だけでもこれだけカネが入っていたとは・・・
ただ、前回でもお伝えしましたが、
2017年度以降青い森鉄道は青森県に対する線路使用料を全額支払うようになるまで改善しています。
しかし、だからといってこの年を機に利用者数が爆増したわけでもありませんし、
突如カネが降り注ぐという魔法がかかったわけでもありません。
一体何があったのか?
まさか手が後ろに回ってしまったのか!?
・・・その正体は次回になると明らかになってくるでしょう。
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