毎年恒例、国交省がこの時期に公表する公示地価(1月1日時点)。
青森県内のデータが明らかとなったので今回も早速分析していきたい。
総観:工業地が26年ぶり上昇!?
用途ごとの変動率は以下の通りである↓
- 全用途:-0.3
- 住宅地:-0.3
- 商業地:-0.6
- 工業地:0.4
やはり前回の予想通り、
コロナ禍からの回復により住宅地や商業地の下落率は縮小した。
地点別に見ると、
全262地点のうち上昇したのは33地点、
横ばいが109地点、
下落が120地点であり、
上昇地点が前回に比べ増加。
生活の利便が高い市部においては、
黒石市が全地点でマイナスになっている以外は、
全体的に横ばいもしくは上昇地点が多くみられる。
町村部では藤崎町、田舎館村、おいらせ町が横ばいないし上昇地点が多い。
そして用途ごとの変動率を見ると、
何と工業地がプラス0.4になっているのがお分かりいただけるだろう。
報道によれば、県内の工業地がプラスに転じたのは実に26年ぶり。
つまり1997年以来の上昇ということになる。
要因としては、八戸市の工業地帯である卸センター地区(八食センター南側)がプラス0.5であったため、
それが押し上げて上昇した。
また、同じく八戸市では現在、
八戸北インター第2工業団地の分譲が2024年に始まることや、
卸センター地区の東側でも新たに拡張事業が計画されている点が、
上昇のポイントになったという。
やはり新幹線が乗り入れる八戸駅や高速道路のインターチェンジが近く、
交通の便が良いエリアであるが故だろう。
住宅地上昇率トップ5:三都以外の平川市がランクイン
順位 | 所在および地番 | 価格 | 変動率 |
1 | 青森市石江4-8-9 | 52,200 | 4.8 |
2 | 八戸市田向5-21-10 | 48,400 | 4.3 |
3 | 青森市西大野3-4-2 | 47,400 | 3.9 |
4 | 青森市浜田2-13-5 | 79,900 | 3.6 |
5 | 平川市光城6-23 | 19,500 | 2.6 |
※単位:円/㎡、%
住宅地上昇率トップ5は上表の通り。
いずれの地区も大型ショッピングセンターに近いエリアとなっており、
言わずもがな生活の利便が高いところが依然として人気だ。
1位は新青森駅に近い青森市石江地区。
今となっては市内有数の新興住宅地として発展しているため、
さすがにこのエリアは上の順位に入るべき存在である。
そして今年はトップ5に、
三都(青森市、八戸市、弘前市)以外の平川市もランクインしているではないか。
平川市では「すこやか住宅支援事業」と言って、
いわゆる移住・子育て支援が充実している影響で、
周辺からの移住者が増えているという。
特に平賀駅北側の光城地区は付近にイオンタウンがあることで、
生活の利便が高いことが評価されている模様。
トップ5には入らなかったが、
五所川原市は依然として津軽最強の大型商業施設「エルム」周辺が、
つがる市はイオンモールつがる柏周辺のエリアもそれぞれ上昇しており、
市全体では上記の3市が上昇に転じた。
言わずもがな、生活に便利なエリアは人気で、
不便なエリアは不人気という二極化が年々進行しているのがお分かりいただけるだろう。
商業地上昇率トップ5:弘前市田園が断トツトップ
順位 | 所在および地番 | 価格 | 変動率 |
1 | 弘前市田園3-1-14外 | 47,600 | 2.1 |
2 | 青森市東大野2-7-2外 | 69,100 | 0.9 |
3 | むつ市中央2-10-9 | 38,900 | 0.8 |
4 | 青森市青葉1-1-25 | 82,900 | 0.7 |
5 | 青森市八ツ役矢作73-4外 | 71,900 | 0.4 |
※単位:円/㎡、%
商業地上昇率トップ5は上表の通り。
1~3位に関しては昨年と同じ顔ぶれであり、
特に弘前市田園は住宅地の人気が高い影響で商業地の価格が押し上げられた。
4、5位にはいずれも青森市がランクイン。
青葉は大型商業施設サンロード青森の通りにあり、
依然として生活の利便が高いエリアである。
一方、八ツ役がランクインしたのが個人的に意外だったが、
よく調べれば観光通り(国道103号)に面した飛び地であった。
ここも近くにショッピングセンターがあるため上昇するのも納得である。
ということで、今年は以上の結果となった。
昨年と比べ上昇地点が増加していることから、
来年もこのペースで行くといい結果になりそうだ。
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