【20年ぶりの戦】青森県知事選2023 小野寺vs宮下 公共交通政策はどうなる?

地域経済研究

青森県にとって実に20年ぶりとなるビッグイベントと言えば・・・

そう、本年2023年に行われる青森県知事選挙である。

 

現職の三村氏が6期目の立候補を見送ったため、

これにより任期満了に伴う青森県知事選は5月18日に告示、

投票日は6月4日に行われる予定だ。

その三村氏だが任期が5期20年という、

全国的に見ても長い期間知事の職務を全うしたことに関しては、

青森県民以外には知られているようで案外知られていない模様。

マスコミでは20年も務めたことから「勇退」と記すところが多いが、

確かに5期も連続して当選する県は珍しい。

それほど、三村氏は青森県民から厚い支持を受けていたことが物語られている。

インバウンド作戦で頻繁に台湾や香港に行って、

地場産品がプリントされたシャツを着ながらアピールしている姿が、

よくニュースで出ていたのが記憶に残っている人も多いだろう。

さて、ニュースでもご存じの通り、

現時点では元青森市長・小野寺氏と、

元むつ市長・宮下氏の2人が知事選に立候補しており、

事実上の一騎打ちとなっている。

政策としては少子化対策や経済活性化など、

基本的なジャンルは勿論のことであるが、

ここでは公共交通政策に焦点を当て、

2人がどのような実績を残しているかをまとめてみよう。

まず、元青森市長・小野寺氏から。

やはり何と言っても喫緊の課題であった、

青森駅改築工事を迅速に進めた点が評価できる。

前々市長の行動がこれまた”のろま”であったため、

北海道新幹線新函館北斗開業時までに工事を終える予定だったのが、

約5年ほどずれ込んでようやく開業した次第である。

加えて、先般共用開始となった西口バスターミナルや、

2024年開業を目指す東口新駅ビルの整備など、

青森市の玄関口のテコ入れに注力してきた実績は大きい。

鉄道だけでなく、

市営バスではラインカラーやナンバリングなどの導入を行い、

市民や観光客に分かりやすいよう工夫してきた。




一方、元むつ市長・宮下氏のほうでは、

むつ市内を循環する路線バス「muve(ムーヴィ)」の整備を行った。

具体的には、スーパー、総合病院、学校、運動公園など、

日常生活に必要な施設を回るルートに刷新。

無論、青森市営バスとは規模が全く違うため一見地味な政策に見えるが、

市民の細かい需要を拾って路線バスの運行ルートを設定している点は評価できる。

ただ、シィラインへの赤字補填を終了し、

最終的には廃止せざるを得なくなった点は評価が分かれるであろう。

利用者数減少で経営がひっ迫していたのは分かるが、

運行ルートを人口が密集するむつ市中心部~青森市へ変更するなど、

生き残り案は少なからずあったと思われるが、

シィラインの廃止は残念な結果に終わった。

と、このように規模は大きく異なるものの、

両者は地元の交通機関のテコ入れに注力してきた。

現在大きな課題となっているものと言えば、

やはり津軽線蟹田以北の存廃問題であろう。

住民、観光客、地元自治体、JRなど、

協議すべき相手は多い。

いかに幅広く柔軟なアイディアが求められるかがかかってくるだろう。

いずれもまだ40代であるため、

これからどのような政策をぶち上げていくのか注目したい。

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