昨日に引き続き青森市が進めていたコンパクトシティについてのネタです。
前回では郊外の大型ショッピングセンターとの差別化を図るために、
中心商店街は「ファッション性の高い街」を目指すことが重要であると述べました。
棲み分けとしては、
大型ショッピングセンターというのはどちらかというと日常生活における買い物であるのに対し、
中心商店街はそれよりもワンランク上の非日常的な買い物を楽しむ場所であるという違いです。
前回取り上げた、
山本恭逸(編著)『コンパクトシティ 青森市の挑戦』(ぎょうせい、2006年)
にも書いてありますが、
例えば南東北の場合。
皮肉の意味なのかどうか分かりませんが、
山形市民はよく仙台市に買い物に出かけることが多いことが由来し、
ネット上では「仙台市山形区」と言われています()
一方、福島市についても高速バスを中心に週末仙台市へ出かける買い物客が多くなっており、
事実上、仙台市は山形市及び福島市など、
県境を越えるような大規模商業圏を擁しているのです。
したがって仙台市の商店街は、
県外客をも引き付けるほどの魅力があるものと言えるでしょう。
しかし山本氏によると、
「ファッション性の高い街」とは、
必ずしも高級ブランド店が集中する大都市とは限らないといいます。
要はどこかしらに魅力がある商店街づくりを行えば良く、
大都市ではない都市でもまだまだ勝ち目は残っているということです。
では、新町商店街が「ファッション性の高い街」になるためには、
どうしたらよいのかについて考えていきます。
これ以降は個人的な意見になるかもしれませんが、
まずはやはり通行量が多い大通りに魅力的な店を集中させるのが手立てでしょう。
しかし、有名チェーン店ばかり並べると郊外の大型ショッピングセンターと色が被ってしまい、
イマイチ効果が出ないと思われます。
ましてや郊外のほうが人口が多いので、
同じ店が郊外にあるならそちらに足を運ぶ可能性があるからです。
逆に中心商店街にしかない魅力的な店が多くあれば、
おのずと足を運ぶ機会が増えるでしょうし、
唯一無二ともいえる中心商店街が出来上がります。
表参道を参考にしてみると、
大通りには店内が見やすいガラス張りの喫茶店やレストラン、
それにファッションブランド店が集中していますよね。
これを新町商店街にも取り入れていくべきです。
それでも表参道と全く同じ手を打ってもつまらないので、
例えば地場産品をふんだんに使ったカフェやレストラン、
伝統工芸品などとコラボしたファッションブランド店なんかもよさげです。
青森県の地場産品と言えばリンゴやマグロなど、
伝統工芸品で言えば津軽塗やこぎん刺しなどがありますね。
このように中心商店街しかない魅力的な店を集中させることで、
少なくとも郊外から来る市民は増えるものと思われます。
一方、郊外の商業街は基本的に密度が低いですが、
中心商店街というのは大通りにいくつもの店が林立していることで初めて成り立ちますよね。
なので1つの店だけが魅力的だとしても、
ほかの店が何も変わらなければ全体的な効果はほぼありません。
中心商店街全体を「ファッション性の高い街」にするためには、
個々の店が意識改革をして魅力的な店づくりに取り組む必要があり、
どこかかけると魅力度が下がってしまいます。
そのため山本氏も、
「中心商店街は絵画や舞台のようなものである」
と述べているワケです。
現状、中心商店街はどうなっているのかというと、
最近ではかつて空き店舗だったところに新たに喫茶店などを開業した店が徐々に増えており、
幾分かは改善されつつあるようです。
特に昔はハッキリ言って“笑顔もクソもなかった”「ニコニコ通り」でしたが・・・
中三再開発をはじめ飲食店がオープンするなど、
賑わいが徐々に回復してきたようにも思えます。
今後の中心商店街に期待しましょう。
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