一昨日に引き続き、
今回も青鉄大研究会シリーズをお届けしていきます。
パート3では青い森鉄道が登場した平成13年度から過去18年分に遡って、
売上高や経常利益、当期純利益といったよくニュースでも報道される費目に着目して、
青い森鉄道の営業成績の推移を見比べてみたいと思います。
営業成績も学校の成績と同じようなものであり、
成績が悪いと=赤字になると関係者から色々と突っ込まれるものです()
ということで早速、
青い森鉄道のホームページに掲載されている過去18年分の営業報告書を参考に、
売上高・経常利益・当期純利益の3費目を見てみましょう。
期数/年度 | 売上高 | 経常利益 | 当期純利益 | 備考 | |
1期 | H13 | 0 | -15,045 | -15,287 | 青い森鉄道株式会社設立 |
2期 | H14 | 137,758 | -61,251 | -61,573 | 目時~八戸間開業 |
3期 | H15 | 443,546 | 322 | 0 | |
4期 | H16 | 430,214 | 4,762 | 0 | |
5期 | H17 | 435,317 | -15,336 | -17,338 | |
6期 | H18 | 428,828 | -2,260 | -3,091 | |
7期 | H19 | 417,860 | -11,004 | -17,295 | |
8期 | H20 | 359,999 | -57,789 | -58,821 | |
9期 | H21 | 348,128 | -117,521 | -93,553 | |
10期 | H22 | 1,745,876 | -128,582 | -106,057 | 八戸~青森間開業、野内駅移転開業、工業高校移転 |
11期 | H23 | 5,044,906 | 8,735 | 3,593 | |
12期 | H24 | 5,417,968 | 16,448 | 3,540 | |
13期 | H25 | 5,592,690 | 18,454 | 2,570 | 青い森703系導入、筒井駅開業 |
14期 | H26 | 5,579,366 | 14,362 | 2,446 | |
15期 | H27 | 5,367,890 | 34,285 | 10,496 | 北海道新幹線開業 |
16期 | H28 | 6,282,637 | 36,433 | 3,142 | |
17期 | H29 | 6,171,869 | 124,832 | 65,404 | 商業高校移転 |
18期 | H30 | 5,858,290 | 130,590 | 68,776 |
上表が平成13年度(2001年)から現時点で公表されている平成30年度(2018年)までの営業成績です。
分かりやすいようグラフ及び備考欄には主たる沿革を書き込んでみました。
また、各費目において最高成績を赤文字で、
最低成績を青文字でそれぞれ表しています。
因みに、どんな会社でも年度ごとの営業成績を報告するために「第〇期」と表記していますが、
青い森鉄道は偶然にも西暦下一桁と期数が一致しているため分かりやすいですね(例:2001年度→第1期、2018年度→第18期)。
では、分析へとはいりましょう。
全体的に見ていくと、
赤文字が最近の年度に集中していることから、
青い森鉄道の営業成績は近年改善されつつあります。
まず売上高から詳しく見ていくと、
八戸~青森間の開業が決定打となり、
売上高は5倍に膨れ上がっていますね。
9期までは売上高が6桁となっていますが、
10期以降は全線開業効果によって7桁にまで増えております。
過去18年で最も売上高が多いのは2016年度。
このころと言えば北海道新幹線が開業した時期なので、
観光利用が増えたのが要因かもしれません。
一方、新駅開業や学校移転によって売上高が増えるかと思いきや、
実際にグラフを見てみるとあまり変化がありません。
因みに利用者数では増えていますが(ここでは載せていない)、
必ずしも新駅開業や学校移転で売上高が増えるわけではないようです。
続いて経常利益。
2010年度が最低数値となっていますが、
これは八戸~青森間の開業で営業キロが拡大したことで、
その分のメンテナンスに費用がかかっているものと思われます。
逆に全線開業以降は経常利益は増加傾向にあり、
最新の2018年度が過去最高を記録するほどなので、
一応順調と言ったところでしょう。
さらに2010年度には野内駅移転開業と同時に工業高校を駅前に、
2017年度には商業高校を小柳駅付近に移転させたことで利益が上がっています。
当期純利益についても同様であり、
最近になってから数値が大幅に良くなっていますね。
また、2017年度を機に経常利益及び当期純利益が爆増していますが、
これは恐らく貨物列車からの線路使用料が多く入ったものだと思います(詳しくは今後にて)。
ということで総括ですが、
これを見る限りだと青い森鉄道の営業成績は改善傾向にあり、
初期の赤字の時と比べ大幅に良くなっていますね。
特に新駅開業のタイミングで数値が徐々に上がっているので、
一定の効果があるものだとみられます。
今回は営業成績について解説しましたが、
青い森鉄道の真髄へはまだまだです・・・
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