稼ぎ頭の弘南線もついに赤字転落へ・・・
2019年12月10日、
弘南鉄道弘南線の沿線市町村が、
鉄道路線の運行を維持するための打開策を検討していることを明らかにしました。
来年度の予算措置において、
なるべく早い対処をするということです。
つまり、弘南線は赤字収支となってしまいました。
弘前~黒石間を結ぶ津軽地方の私鉄である弘南鉄道弘南線。
弘南鉄道といえば2013年に、
中央弘前~大鰐を結ぶ大鰐線を、
利用客減という理由から廃止する方針を突如ぶち上げ、
一時期騒然となったのを覚えているでしょうか?
これまでの対処法としては、
赤字路線の大鰐線を、
黒字路線である弘南線の収支で補填するような感覚でやっていたのですが、
なんと今度は肝心の弘南線のほうも赤字路線へと転落してしまいました()
弘南線の収支については、
2017年度に1251万円、
そして2018年度では3825万円まで赤字幅が爆増。
たった1年で赤字収支が約3倍という、
危機的状況に陥ってしまいました。
どおりで2019年10月に実施した弘南鉄道のダイヤ改正では、
かつてないほどの「減便の嵐」=大量減便政策が発動したっていうわけですね。
となれば、ただでさえ赤字収支である大鰐線に加え、
そこにもまた赤字収支である弘南線を抱えるとなれば、
これはかなり厳しい経営状態になるといえるでしょう。
弘南鉄道のテコ入れに望ましいのはライトレールやBRT?
以前、
「廃止になった旧十和田観光電鉄線と旧南部縦貫鉄道線が合体してBRTを整備したらどうなるか?」
という、ちょっとぶっ飛んだ記事を書きました。
そして今回、
弘南鉄道両線が赤字になったということが判明し、
どのような打開策があるか、
個人的にもいろいろと検討してみました。
廃線以外で弘南鉄道のテコ入れとして望ましいと思われるのが、
・ライトレール
・BRT
やはりそういったところでしょう。
旧十和田観光電鉄線と旧南部縦貫鉄道線の件でもライトレールやBRTについてネチネチと語っていますが、
弘南鉄道には上記2つのいずれかの案がマッチングしていると思われます。
では、なぜそう言えるのか?
弘南鉄道の環境が上記2つの新交通システムの多くのメリットに当てはまるからです。
弘南鉄道は中小私鉄の割には沿線環境に恵まれている?
ライトレールやBRTというのは、
住宅密集地を通るが大都市ほどの輸送人員もない都市に整備されているケースが多いです。
弘南鉄道についても、
そこそこの人口規模を誇る17万都市である弘前市の市街地を起点とし、
そこから黒石市や平川市といった人口3万程度の小都市まで路線が通っています。
それに加え、
ライトレールやBRTは一般の鉄道よりもコンパクトな分、
短中距離輸送システムでこそ本領を発揮します。
弘南線・大鰐線はいずれも路線距離が20キロ以下であり、
しいては沿線には高校や大学も結構集中していたりします(特に大鰐線)。
お手数ですがグーグルマップを操作していただくと、
いかに沿線には高校や大学が多く集中しているかがお分かりいただけると思います。
このような環境が以前から揃っているわけなので、
弘南鉄道にはライトレールやBRTがお似合いなのではないでしょうか?
まあ、ライトレールについては電化設備を維持する必要があるので、
さらにコスト削減するようであればBRTが望ましでしょう。
改めて言いますが、
今の設備では弘南鉄道にとって重すぎます。
設備を軽量化すればその分運行本数増加やIC導入といった、
利便性向上への障壁もそこまで高くはならなくなるはずです。
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