これは地域振興の手本になるでしょう。
7月19日、無人駅である津軽鉄道津軽飯詰駅(五所川原市)にカフェがオープンしました。
カフェをオープンさせたのは地元住民によるボランティアグループであり、
駅舎内の使われなくなったスペースを有効活用して整備しました。
津軽飯詰駅は1930年(昭和5年)7月15日に開業。
東奥日報によると、貨物の取り扱いが行われていた当初は輸送における一大拠点として発展し、
乗客で駅舎内は賑わっていたといいます。
ところが1984年になると国鉄による合理化が発動した影響で、
津軽飯詰駅における貨物の取り扱いが廃止。
2004年には島式ホーム1面2線から1面1線の棒線駅に削られ、
同時に無人駅となってしまいました。
また、かつて駅舎内で食事ができた売店も消滅し、
その後しばらくの間物置状態となってた模様です。
そこで地元のボランティア団体が暗い雰囲気に包まれていた駅を活性化すべく、
この度誰でも立ち寄れるカフェをオープンさせたとのことです。
しかしながら最近は鉄道の利用者数減少及び急速な人口減少により、
鉄道会社は利用者数が少ない駅を次々と無人化している傾向にあります。
青森県内で言えば直近で三厩駅、板柳駅、
それに津軽新城駅が相次いで無人駅化されており、
今後も利用状況によってはさらに無人駅が増える可能性がありますね。
無人駅になりやすい駅の傾向を読み解くと、
通勤通学利用がメインで観光利用が比較的少ない駅が多くなっているような気がします。
観光利用が多い駅では観光客の対応が必要であることから、
窓口を設置していることが多いのですが、
通勤通学利用がメインの場合は、
そこまで窓口を利用する機会が多くないため(定期券の更新ぐらい)、
結果、利用者数が少ないと半ば強制的に窓口がシャットダウンしてしまうのです。
津軽新城駅なんかはその一例ですね。
また、会社側における業務効率化も要因です。
人口減少により利用者数が少なくなっているため、
有人駅を無人駅化して1つの線区あたりの有人駅の間隔を広げたり、
もしくは輸送システムの更新による無人駅化というケースもあります。
最近ではCTC(Centralized Traffic Control)化と言って、
路線・一定区間の単位で信号や分岐器の連動装置を運転指令所、
又は列車制御所にて遠隔制御できるようにした、
「列車集中制御装置」というシステムの導入が相次いています。
若干ウィキペディアのコピペになってしまっていますが・・・w
従来のシステムでは俗に「駅単独てこ扱い」と言って、
駅構内の分岐器や信号の制御については、
各駅の信号扱い所に設置された連動制御盤というものを駅運転取扱者が操作を行っていました。
しかしこれだと各駅すべてに駅運転取扱者が必要になるため、
人材確保が厳しい中でこのような体制は効率的ではありません。
そこでCTC化を発動することにより、
連動する駅に信号機やら転轍(てつ)機やら軌道回路やらを接続している駅装置を設け、
中央制御所のCTCセンターと呼ばれるところに、
列車の運行状況をリアルタイムで表示させることが可能になります。
したがってこれまでいた駅員もいらなくなるため、
無人駅が増えてしまっているという状況なのです。
三厩駅なんかも津軽線新中小国信号場以北がCTC化されたことで無人駅となりました。
とは言え駅というのはその地域の玄関口であるため、
無人駅になってしまうと利便性が低下し、
次第に利用もしなくなるという悪循環を引き起こす可能性があります。
近くに有人駅があればまだ助かるのですが、
駅間距離が長い駅同士が無人駅化してしまうと、
定期券の更新ができないなど色々と面倒なことになります。
特に時々利用するという非定期利用者は切符が買えないので不便でしょう。
JRももはや国有ではなく民間企業なので合理化は百歩譲って致し方ないですが、
やはり無人駅になると駅自体が暗くなりますよね。
そういう意味でも今回の津軽飯詰駅のケースは、
今後の無人駅活性化における鏡となるはずです。
まあ、問答無用にカフェを駅に突っ込めば良いとは限りませんが、
少なくとも地域の交流スペースになれば現状より使い勝手は良くなるでしょう。
是非とも自治体と鉄道会社とで連携して、
無人駅の活性化に取り組んでいただきたいものですね。
余談ですが、今日8月11日をもって青い森研究所(アオラボ)はお陰様で6年を迎えました。
やっつけ編集になっていますが、
動画、ブログともに多くの方に見ていただいており、
こちらとしてもうれしい限りですw
尚、現在サイクリングをテーマにしたブログのほうも更新していますので、
そちらのほうもお楽しみいただければ幸いです。
今後は青森県内の観光地ごとに輪行のモデルコースも作成する予定なので、
サイクリングに興味のある方はご期待ください。
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