【JR各社無人駅爆増中】青森エリアは8割が無人駅 訴訟問題のケースも!?

青森鉄道ニュース

8月18日付の東奥日報で、

これまた興味深い記事を発見したのでご紹介しよう。

「無人駅増 JRの6割」

「本県は8割 利用減や駅員不足背景」

ここ最近になってから、

JR各社で無人駅が爆増しているという。

実際、JR6社の計4368駅のうち、

実に58%の駅が無人駅と化しているのだ。

やはり一番の要因としては利用者数減少が挙げられるのだが、

そのほかにも駅員が不足しているためとのこと。

ならば駅員の採用において少しハードルを下げたり、

新卒だけでなくキャリア採用(中途)を拡充するなどすれば、

多少なりとも改善されると思うのだがJR各社の思惑は実際どうなのだろうか?

さて、共同通信の取材によると、

2023年8月上旬現在における、

JR各社の無人駅の割合は以下の通りとなっている↓

JR各社 全駅 無人駅 無人駅割合
JR北海道 334 238 71%
JR東日本 1625 759 47%
JR東海 405 242 60%
JR西日本 1174 735 63%
JR四国 259 210 81%
JR九州 571 338 59%
合計 4368 2522 58%

※JR東日本はBRTは含まない。

※JR北海道およびJR四国は自治体職員や住民などへの業務委託駅を無人駅に含む。

いかがだろうか?

やはりJR一経営難まっしぐらであるJR北海道は、

無人駅の割合が7割を超えており、

会社全体のコストカットに勤しんでいるのが伺える。

更に、JR四国に至ってはそれよりも多い8割を超えているではないかw

確かに、JR旅客グループで唯一、

新幹線が通っていない、

かつ、100万人を超える大都市も存在しないことから、

無人駅の割合が多いのも理解できる。

一方、JR旅客グループで最も業績の良いJR東日本は、

やはりドル箱である首都圏を抱えているため、

無人駅の割合が最も少ない。

JR九州も人口の割には無人駅の割合がそれほど高くはなく、

59%と売り上げが多いJR東海よりも割合が低くなっているのが分かる。

しかしながら、2015年の上場を果たしたタイミングで、

鉄道事業のテコ入れが始まった結果、

無人駅が爆増。

その影響でなんと訴訟問題にまで発展してしまっているケースもあるのだ。

大分県のとある駅では昨年12月、

視覚障害のある女性が線路上で列車にはねられ死亡。

この駅は無人駅ではないが、

時間帯によって駅員不在となるパターンの駅であった。

これによりJR九州の安全面が問われ始め、

対策としてはカメラやインターホンが設置されたという。

更に、車いす利用者からは、

移動の自由が侵害されたとして裁判所に提訴するにまで発展。

JR側はコストカットを行い収支改善を目的としたい反面、

駅の無人化はこのようなリスクも抱えているため、

本来はそう簡単にはできないものなのである。




では、我が青森エリアの無人駅の割合はどうなっているのだろうか。

JR青森支店によると、

青森エリアには87のJRの駅があるが、

そのうちの78%にあたる68駅が無人駅になっており、

同じJR東日本管内でもこのように数字の大きな開きがある。

そこで、直近3年間における青森エリアの無人駅化の動きを見てみよう。

2021年:陸奥湊駅、陸奥横浜駅

2022年:三戸駅、剣吉駅(いずれも青い森鉄道)

2023年:川部駅、油川駅(以上JR)、乙供駅、上北町駅、下田駅(以上青い森鉄道)

※但し、川部駅は東口ヤード跡地再開発により新たに改札口が設置される可能性

青い森鉄道の駅を含むと、

直近3年間だけで計9駅も無人駅となっているのがおわかりいただけただろう。

このペースでいけば、

毎年当たり前のように無人駅が増えていく可能性がある。

人口減、利用減、駅員不足のトリプル要素が、

更に無人駅化に拍車をかける構造になってしまっているのが分かるだろう。

しかし、他県では無人駅化回避の成功例もある。

2020年、JR東日本が日本郵便と協定を組んだ。

その第一弾の策として、

千葉県鴨川市にある内房線江見駅では、

駅舎を建て替えたのち近くの郵便局を移転させ、

異業種である駅と郵便局が入ったハイブリッド駅舎が爆誕した。

江見駅では平日日中において、

局員が乗車券を販売するようになるなど、

業務委託化が始まっている。

このほか、来年には栃木県の駅でも上記の郵便局一体型駅舎を展開させ、

それに乗っかるかのように今度はしなの鉄道でも日本郵便と手を組んで、

江見駅と同じシステムを採用するという。

まさに、同じ民営化された者同士による見事なコラボレーションだ。

一方、我が青森エリアの駅ではどのような動きがあったのか振り返ると、

郵便局一体型駅舎は現時点では開業していないが、

例えば浪岡駅では改築時、

地域交流センター「あぴねす」を開設し、

地域住民が集う駅へと変貌した。

駅舎内にはカフェが併設され、

定期的にイベントも行っている。

みどりの窓口こそBAN(廃止)されたものの、

駅員は現在も配置されているため何とか無人駅化は回避となった。

また、碇ヶ関駅では平川市が受託する簡易委託駅となっている。

利用者数は2桁とデータだけ見れば明らかに無人駅化まっしぐらであるが、

特急が停まる駅でもあるため自治体が引き継いで窓口営業を継続しているのだ。

と、このように青森エリアの駅でもよい事例は複数ある。

更なる人口減が進む中、

鉄道の利用減も計り知れない。

JRをはじめ鉄道事業者は自治体とうまく手を取って、

改めて駅の存在意義をもう一度自問自答すべきだ。

「駅とはいったい何のためにあるのか?」

鉄道事業者だけでなく、

我々利用者側も真剣に考える必要がある。

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