【第2回】青森の鉄道・地域経済理解度抜き打ちテスト 正答と解説

交通研究

先日出題した「青森の鉄道・地域経済理解度抜き打ちテスト」、

いかがだっただろうか?

ということで早速答え合わせと解説をみっちり行うので、

あなたの答えと照らし合わせてフィードバックをしていただきたい。


問1【再開発情報】青い森セントラルパーク(青森市)に整備予定のアリーナ設計において、整備運営事業に係る最優秀提案者に選ばれた事業者を答えよ。

イ 大成建設

ロ 清水建設

ハ 鹿島建設

ニ 大和ハウス


正答:イ 大成建設

一部の市民からは「ハコモノ」と言われている青森市のアリーナからの出題だが、

青い森セントラルパーク(青森市)に整備予定のアリーナ設計において、

整備運営事業に係る最優秀提案者に選ばれた事業者は大成建設が正解である。

勿論、大成建設以外の事業者も計画案を提出したのだが、

コストパフォーマンスを鑑みた結果、

大成建設の案が最も優れたものであった。

ただでさえ毎年の除排雪作業で多額の費用を溶かしている青森市。

それも考慮しやはりコスパ的にもお得な案に軍配が上がった模様だ。

因みに「ニ 大和ハウス」は大手ゼネコンではなく住宅メーカーであるが、

以前、青い森セントラルパークにて「低炭素型モデルタウン」と銘打って、

再開発計画に参入していた事業者の一つ。

しかし、周辺住民から反発の声を受けあえなく撤退した経緯がある。

それと混同した人もいるのではないだろうか?


問2【地域研究】2020年に導入されたご当地ナンバー「弘前ナンバー」に加入していない地域をすべて答えよ。

イ 西目屋村

ロ 大鰐町

ハ 板柳町

ニ 田舎館村


正答:ロ 大鰐町、ハ 板柳町、ニ 田舎館村

「弘前ナンバー」に加入していない地域は上記の通り。

つまり、「弘前ナンバー」に加入しているのは弘前市と西目屋村の2市村しかない。

あれだけ弘前市周辺には数多くの自治体があり、

そこから通勤通学している人も多いにもかかわらず、

「弘前ナンバー」には乗っからなかった。

やはり、弘前市対周辺の市町村との仲がイマイチ良くないというのも一つの要因であろう。

因みに、以前弘前市は平成の大合併において、

周辺の市町村を呼びかけ「大弘前市構想」を掲げていたが、

やはり「自分たちの町が消えてたまるか」という反骨精神が発動したため頓挫。

今回の「弘前ナンバー」もそれが要因していると思われる。





問3【地域研究】かつて青森市が導入していた「コンパクトシティ」の定義について、最も正しいものを選べ。

イ 買い物だけならネット通販で十分だが、それだけでは得られない、買い物を楽しむプロセスを取り入れた中心商店街をつくること。

ロ 店員と顧客のコミュニケーションや、商品ディスプレイを見て新たな発見を顧客にしてもらう中心商店街をつくること。

ハ 郊外における無秩序な開発を抑えつつ、中心商店街の活性化を図り、かつ生活に必要な機能を住民の近くに持ってくること。

ニ 「コンパクトシティ」に明確な定義はない。


正答:ニ 「コンパクトシティ」に明確な定義はない。

ちょっと性格の悪い問題だったかもしれないが、

あくまでも最も正しい回答としては、

「コンパクトシティに明確な定義はない」のが合致する。

というのも、以前の青森市におけるコンパクトシティを取り上げた記事で、

山本恭逸(編著)『コンパクトシティ 青森市の挑戦』

という書籍によれば、

「明確な定義が存在しない」

と書かれている。

尚、Wikipediaでは、

「郊外における無秩序な開発を抑えつつ、中心商店街の活性化を図り、かつ生活に必要な機能を住民の近くに持ってくること。」

と明確な記載があるため「ハ」も間違いではないが、

山本氏の書籍を参考にした限りでは、

「コンパクトシティに明確な定義はない」

と公言しているため、

今回の問題では山本氏の見解に則った形で出題してみた。


問4【鉄道研究】JR貨物が並行在来線事業者に支払う線路使用料において、「アボイダブルコストルール」という算出方法が存在するが、これについて正しく説明したものはどれか選べ。

イ 貨物列車が走行しなければ回避できる経費のみをJR貨物が支払うことで、JR貨物の負担を軽くするための算出方法

ロ 貨物列車が走行しなければ回避できる経費のみをJR旅客会社が支払うことで、JR貨物の負担を軽くするための算出方法

ハ 貨物列車が走行しなければ回避できる経費のみをJR旅客会社が支払うことで、JR旅客会社の負担を軽くするための算出方法

ニ 貨物列車が走行しなければ回避できる経費のみを地方自治体が支払うことで、地方自治体の負担を軽くするための算出方法


正答:イ 貨物列車が走行しなければ回避できる経費のみをJR貨物が支払うことで、JR貨物の負担を軽くするための算出方法

前回のシリーズ企画「青鉄大研究会」のうち、

線路使用料関連からの出題である。

案の定複雑になったが、

正しい説明は「イ」となる。

全て解説すると長ったらしくなるため割愛するが、

ポイントとしては、

「誰に対し何の目的で財政支援を行っているか?」

に着目して考えてみると自ずと答えに導くことができるだろう。


問5【青森鉄道ニュース】「駅たびコンシェルジュ」の前身である「びゅうプラザ」の欠点として取り上げられるものをすべて選べ。

イ インターネットでの旅行商品の販売サービスの対応が弱かった。

ロ 利用客層がインターネットに不慣れな高齢者や外国人観光客程度に限定され、集客力に欠けていた。

ハ 海外においては、韓国、ハワイ、グアムといったアジア周辺の旅行パッケージしか販売できなかった。

ニ 国内においては、JR東日本沿線の観光地しか旅行パッケージが販売できず、西日本エリアは充実に対応していなかった。


正答:イ、ロ、ハ、ニの全部

これまた既成概念ぶち壊しの出題方法となったが、

答えはイ、ロ、ハ、ニの全部である。

選択肢の文言の通り、

JR東日本の「びゅうプラザ」は他の大手旅行会社と比べ、

パッケージツアーの数が少なくエリアが限られているだけでなく、

インターネットに対応した旅行商品にも欠けていた。

こうした不利な立場にあったため「びゅうプラザ」は2021年度までにほとんどの駅でBANされ、

今日では「びゅうプラザ」を更にグレードアップさせた「駅たびコンシェルジュ」を運営している。


ということで計5問の正答と解説は以上であるが、

いかがだっただろうか?

やはり今回もアオラボによる”性根が曲がった問題”を多く出題してしまったが、

これはこれで刺激的かつ面白味のある問題になったのではないだろうかw

今後も定期的にテストをぶっ放していきたいと思うので、

是非青森の鉄道・地域経済について理解を深めていただきたい。

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