【最新】青森県内7都市&東北6都市路線価まとめ

地域経済研究

ここでは、

当ブログが投稿を開始した2020年以降の、

青森県内税務署別最高路線価、

及び東北各県の最高路線価を表とグラフにしてまとめた。

公示地価 基準地価 路線価
調査主体 国(国土交通省) 都道府県 国税庁
評価時期 毎年1月1日時点 毎年7月1日時点 毎年1月1日時点
発表時期 毎年3月下旬 毎年9月下旬 毎年7月1日

青森県内や東北各主要都市の情勢を知る一つの情報ソースとして、

役立ててもらえれば幸いである。

尚、データの出典は東奥日報。

2024年

◆青森県内7税務署管内の最高路線価

所在地 2024年 2023年 増減率
青森市新町1丁目(新町通り) 155 155 0.0
八戸市三日町(三日町通り) 105 105 0.0
弘前市駅前3丁目(駅前商店街通り) 84 84 0.0
五所川原市唐笠柳藤巻(県道福山五所川原線通り) 37 37 0.0
三沢市松園町3丁目(30ロード商店街通り) 33 33 0.0
むつ市中央2丁目(国道338号通り) 33 33 0.0
黒石市一番町(駅前通り) 21 21 0.0

※価格は1㎡あたり、単位は千円

※増減率の数値は対前年比、%

2024年は青森県内すべての地点で横ばい。

特に3年連続で下落していた弘前市駅前3丁目(駅前商店街通り)は、

本年プラスマイナスゼロとなり、

4年ぶりに横ばいへ転じた。

不動産鑑定士によれば、

低迷が続いていた土手町地区に、

人の流れが戻ってきており、

コロナ禍から立ち直りつつあるという。

しかしながら、土手町地区の中核を担っていた中三弘前店が、

先日破産し突如として営業を終了。

また、駅前商店街通りについても、

イトーヨーカ堂が撤退。

その後、シーナシーナが入居することになっているが、

これらを鑑みると来年の数値にも影響は少なからずありそうだ。

一方、青森市では目玉事業である青森駅東口ビルが開業。

駅前の姿が大きく変わった年でもある。

これが来年どう数値に反映されるのか注目したい。

◆東北各県の最高路線価

所在地 2024年 2023年 増減率
仙台市青葉区中央1丁目(青葉通り) 3,630 3,470 4.6
郡山市駅前1丁目(郡山駅前通り) 320 310 3.2
盛岡市大通2丁目(大通り) 225 220 2.3
山形市香澄町1丁目(山形駅前大通り) 175 175 0.0
秋田市中通2丁目(秋田駅前通り) 135 130 3.8

※価格は1㎡あたり、単位は千円

※増減率の数値は対前年比、%

本年は青森市新町1丁目(新町通り)と、

山形市香澄町1丁目(山形駅前大通り)を除き、

4県において増加している。

やはりインバウンド需要が回復してきたことや、

一部では再開発による効果が出てきているものと思われる。

特に秋田市は2年連続で上昇。

秋田港からのクルーズ船客の積極的な移動手段確保(臨時列車)により、

駅前の賑わい回復に繋がっているのだろう。

盛岡市も昨年まで2年連続で下落していたが、

ニューヨークタイムズ紙の、

「2023年に行くべき52か所」に選定されたこともあり、

外国人観光客が増え上昇に転じた。

2023年

◆青森県内7税務署管内の最高路線価

所在地 2023年 2022年 増減率
青森市新町1丁目(新町通り) 155 155 0.0
八戸市三日町(三日町通り) 105 105 0.0
弘前市駅前3丁目(駅前商店街通り) 84 85 ‐1.2
五所川原市唐笠柳藤巻(県道福山五所川原線通り) 37 37 0.0
三沢市松園町3丁目(30ロード商店街通り) 33 33 0.0
むつ市中央2丁目(国道338号通り) 33 33 0.0
黒石市一番町(駅前通り) 21 21 0.0

※価格は1㎡あたり、単位は千円

※増減率の数値は対前年比、%

弘前市以外の地点はすべて横ばいと、

あまり変動がなかった。

県都青森市に関しては、

青森駅東口駅ビル建設及び、

中三や角弘一帯エリアの再開発が進み、

遂に中三跡地に商業施設「THREE」がオープン。

開業当初は勿論のこと、

連日多くの市民でにぎわっていたが、

まだ2023年の路線価には反映されていない。

来年度は先述の青森駅東口駅ビルの開業が待ち構えているため、

それと相まって上昇に転じる確率が高まったであろう。

八戸市に関しては、

三春屋やチーノのBAN(閉店)で個人的に下落するかと思われたが、

中心街に八戸市美術館が整備されるなど、

公共投資が進んだため今年は何とか横ばいとなった。

一方、弘前市に関しては2年連続の下落となってしまった。

駅前3丁目はイトーヨーカドーのあるエリア。

1階にはロフトや無印良品という2大巨塔のテナントが入っており、

店内は買い物客でにぎわっている印象にあるが、

昨年に引き続きその効果は路線価へ発揮されなかった。

原因としては、やはり観光客などの客足が、

コロナ前まで回復していないのが最大の要因という。

とは言え、2023年はインバウンドも回復している最中であるため、

来年は現状維持、

あわよくばイトーヨーカドー北側のマンション開発が続けば、

上昇に転じる確率もゼロではなさそうである。

◆東北各県の最高路線価

所在地 2023年 2022年 増減率
仙台市青葉区中央1丁目(青葉通り) 3,470 3,390 2.4
郡山市駅前1丁目(郡山駅前通り) 310 300 3.3
盛岡市大通2丁目(大通り) 220 225 -2.2
山形市香澄町1丁目(山形駅前大通り) 175 175 0.0
秋田市中通2丁目(秋田駅前通り) 130 125 4.0

※価格は1㎡あたり、単位は千円

※増減率の数値は対前年比、%

今年も仙台市の成績は良好で、

上昇率では全国3位だという。

やはりマンション開発や、

商業施設のオープンが進んでいることが要因。

また、2023年は久々に秋田市が上昇に転じた。

秋田市中通2丁目は秋田駅西口のエリア。

ここ一帯には西武百貨店やフォンテといった商業施設が集積しており、

何かと買い物に便利なエリア。

要因は不明だが、

これまでの路線価が安いかつ、

インバウンドの回復もあることから、

上昇に転じたのだと個人的には考える。

一方、盛岡市は2年連続の下落となった。

要因としては、観光客やビジネス客の回復が遅れているとのこと。

盛岡市大通2丁目はフォーラム盛岡が近くにある中心街エリア。

先日、用事で盛岡駅前に足を運んだが、

その時はごく普通の光景であり、

駅前広場らしく多くの人が行き交っていた印象。

現状、盛岡市の中心街は盛岡駅から離れているため、

その事情もあってか、

観光客やビジネス客の回復が、

遅れていると判断されたのだと思われる。

2022年

◆青森県内7税務署管内の最高路線価

所在地 2022年 2021年 増減率
青森市新町1丁目(新町通り) 155 155 0.0
八戸市三日町(三日町通り) 105 105 0.0
弘前市駅前3丁目(駅前商店街通り) 85 86 ‐1.2
五所川原市唐笠柳藤巻(県道福山五所川原線通り) 37 37 0.0
三沢市松園町3丁目(30ロード商店街通り) 33 33 0.0
むつ市中央2丁目(国道338号通り) 33 32 3.1
黒石市一番町(駅前通り) 21 21 0.0

※価格は1㎡あたり、単位は千円

※増減率の数値は対前年比、%

昨年と比べやや落ち着いてきた

やはりコロナの蔓延が大きく影響した去年と比べれば、

特に大きなクラスターが発生することも少なかったため、

路線価についてもそこまで乱高下は起きなかった。

各都市ごとにフォーカスしていくと、

県都青森市は昨年下がったが2022年は変わらず。

県都ながら何とも動きが鈍いが、

一方で中三と角弘の再開発、

それに青森駅東口の新駅ビル建設があることを鑑みれば、

事業完了の暁にはさすがにちょっとは上昇するだろうと予想する。

八戸市や五所川原市、三沢市、

黒石市に関しては2年連続で現状維持。

八戸市と言えば三春屋の閉店があった一方、

ほぼ廃墟であったチーノの再開発構想が浮上し、

中心街に大きな動きがみられるが、

この情勢が来年どう影響するのだろうか?

一方で、弘前市は2年連続の下落となってしまった。

要因としては、

中心商店街の集客力の低迷とのことだそう。

ただ、駅前3丁目周辺では最近、

マンションの建設ラッシュが進み、

イトーヨーカ堂のリニューアルもされたことから、

何となく勢いがあるエリアと感じるが、

今回も数字としては反映されなかった。

やはり観光客がコロナ前と比べ回復していないのも要因の一つであろう。

県内で唯一上昇した地点であるむつ市は増加率3.1と好調。

2022年の公示地価でも上昇していたことから、

いかに堅調かが伺える。

中央2丁目(国道338号通り)にはマックやガスト、

家電量販店、スーパーなど、

生活に必要なものが一通り揃っており、

郊外型ショッピングセンターの典型例であることから、

コロナでも客足に影響がほとんどなかったという。

人口6万都市の割には路線価が低いため、

今後も上がる可能性はあると思われる。

◆東北各県の最高路線価

所在地 2022年 2021年 増減率
仙台市青葉区中央1丁目(青葉通り) 3,390 3,300 2.7
郡山市駅前1丁目(郡山駅前通り) 300 300 0.0
盛岡市大通2丁目(大通り) 225 230 -2.2
山形市香澄町1丁目(山形駅前大通り) 175 170 2.9
秋田市中通2丁目(秋田駅前通り) 125 125 0.0

※価格は1㎡あたり、単位は千円

※増減率の数値は対前年比、%

再開発が進む仙台市が安定の上昇率を保っている。

同様に他の地方中核都市(札幌市や広島市など)においても、

再開発が進んでいるため、

今後も上昇していくものと思われる。

それに付随する形でお隣の山形市にも効果が現れたのか、

こちらも2.9の増加となった。

マンションの開発も見られ、

俗に言う”仙台市山形区”効果で上昇したのかもしれない。

一方、盛岡市に関しては2年連続下落となっている。

駅西口ではマンションの開発が行われたが、

ここも中心街の集客力が低迷している影響だろうか?




2021年

◆青森県内7税務署管内の最高路線価

所在地 2021年 2020年 増減率
青森市新町1丁目(新町通り) 155 160 ‐3.1
八戸市三日町(三日町通り) 105 105 0.0
弘前市駅前3丁目(駅前商店街通り) 86 87 -1.1
五所川原市唐笠柳藤巻(県道福山五所川原線通り) 37 37 0.0
三沢市松園町3丁目(30ロード商店街通り) 33 33 0.0
むつ市中央2丁目(国道338号通り) 32 32 0.0
黒石市一番町(駅前通り) 21 21 0.0

※価格は1㎡あたり、単位は千円

※増減率の数値は対前年比、%

この年と言えばコロナが蔓延。

東京を中心にテレワークを導入した影響で、

街中のオフィスを売却する企業も出ているようだ。

よって、路線価もダダ下がりかと思いきや、

意外にもそこまでひどい数値ではなかった。

青森市は5,000円、

弘前市は1,000円それぞれ下がっているが、

下落はその程度に収まっている。

しかも他の都市に至っては横ばいなのが分かる。

あれだけコロナによる飲食店や百貨店などの客足が減少したものの、

むしろよくこの状況で横ばいをキープできたものだ。

◆東北各県の最高路線価

所在地 2021年 2020年 増減率
仙台市青葉区中央1丁目(青葉通り) 3,300 3,180 3.8
郡山市駅前1丁目(郡山駅前通り) 300 300 0.0
盛岡市大通2丁目(大通り) 230 250 -8.0
山形市香澄町1丁目(山形駅前大通り) 170 170 0.0
秋田市中通2丁目(秋田駅前通り) 125 125 0.0

※価格は1㎡あたり、単位は千円

※増減率の数値は対前年比、%

キープしたのは青森県内だけでなく、

東北各都市でも同様の光景が見られる。

仙台市に関しては、

駅前の再開発が奏功したこともあり3.8%増加。

しかも都道府県庁所在地の中で、

増加率が全国1位を記録しているほどだ。

コロナ禍で路線価が大打撃を受けるかと思いきや、

むしろ増えているではないか。

その他の都市も、

盛岡市を除けば横ばいであり、

昨年から猛威を振るっている、

コロナの影響がほとんどないのが読み取れる。

コロナにより中心商店街の人通りが減ったところが多いはずだが、

今回のデータからは、

まるでコロナなど関係なしに、

路線価をキープしている都市が多くなっているのが分かる。

東京からの観光客があまり来なくなった影響で、

観光地などは悲鳴を上げているが、

それでも路線価への影響は最小限に収まっていると言えよう。

2020年

★青森県内税務署別最高路線価(1㎡あたり、単位は千円、増減率は%)

所在地 2020年分 2019年分 増減率
青森市新町1丁目(新町通り) 160 155 3.2
弘前市駅前3丁目(駅前商店街通り) 87 87 0.0
八戸市三日町(三日町通り) 105 105 0.0
黒石市一番町(駅前通り) 21 21 0.0
五所川原市唐笠柳藤巻(県道福山五所川原線通り) 37 34 8.8
三沢市松園町3丁目(30ロード商店街通り) 33 33 0.0
むつ市中央2丁目(国道338号通り) 32 32 0.0

青森県で最も高い青森市の新町通りの路線価についてだが、

何とこちらが前年比3.2ポイント増加となる16.0万に上昇。

要因としては中三と角弘の大規模再開発と思われる。

特に中三は百貨店の上にマンションという、

全国的にみても異例な設計になっているため、

これが注目を集めた模様。

そして東奥日報によると、

この新町通りが上昇に転じたのが、

何と1992年及び93年に過去最高となる、

128万円を記録した以来初めてのこと。

つまり28年ぶりである。

それ以降は毎年のように下落が続いており、

2011年には20万円を切るまでに落ち込んだ。

今回、20万円台にまで回復はしなかったが、

28年ぶりに上昇に転じたのは、

やはり再開発事業の効果が大きく表れている証拠である。

が、依然として最高路線価の全国ランキングでは、

青森市は下っ端の42位となっている。

一方、五所川原市の県道福山五所川原線通りは、

増加率が驚異の8.8%。

このエリアは県内屈指の集客力を誇るエルムがあり、

周辺にもユニクロやヤマダ電機、ニトリ等々・・・

人口5万人都市の地方都市とは言え、

これだけ店がそろっているのは全国的にも珍しいもの。

ましてやエルムなんかは秋田県北部からの来客も多く、

恐るべき集客力を見せつけている。

★東北各地の最高路線価(1㎡あたり、単位は千円、増減率は%)

所在地 2020年分 2019年分 増減率
仙台市青葉区中央1丁目(青葉通り) 3,180 2,900 9.7
郡山市駅前1丁目(駅前通り) 300 295 1.7
盛岡市大通2丁目(大通り) 250 245 2.0
山形市霞町1丁目(駅前大通り) 170 170 0.0
秋田市中通り2丁目(駅前通り) 125 125 0.0

再開発が進む仙台市の駅前(青葉通り)は、

さくら野百貨店のテコ入れ効果もあり、

前年比9.7%も上昇。

そして郡山市および盛岡市もそれぞれ上昇。

国鉄時代の頃から代表駅に新幹線が乗り入れているため、

以前から高めの数値を記録している。

増減率で言えば青森市のほうが上だが、

やはり中心街に新幹線が乗り入れるだけでも、

結構差が出るものだ。

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