サバンナ地帯で名を馳せる新青森駅東口だが、
遂に残り1区画余っていた東横イン北側の土地の売却に成功したことを、
2月9日明らかにした。
2002年度に新青森駅周辺の土地区画整理事業がスタートし、
2007年度から分譲を行ってきたが、
新幹線の駅=空港と勘違いしてしまった当時の某青森市長の誤認も相まって、
新幹線開業から5年の間、
全く買い手がつかなかった。
が、2016年北海道新幹線開業を機に、
函館市の医療機関が西口に総合病院を設立。
これが見事起爆剤となり次々と売れ行きが好調になった。
そして今回、残り1区画となっていた東横インの北側に、
地下1階地上15階建ての複合ビルと立体駐車場を建設することを発表。
これでやっと悲願の全区画売却となった。
ここまでまあ長かったものである。
さて、複合ビルの詳細についてみていくと、
現時点の情報では1階にコンビニ(ローソン)、
2階以上に貸事務所や長期滞在型宿泊施設を整備するという。
この長期滞在型宿泊施設とは何なのかというと、
簡単に言えば「長く泊まれるホテル」といったところだろう。
ホテルにもよるがだいたい1か月程度が1セットになっている模様。
出張ビジネスマンやリモートワークに対応した、
最近全国で増えてきているホテルの一種であり、
コロナ禍も相まってこのタイプのホテルが今人気である。
なので、東横インの対抗馬としての進出といったところであろうか。
新幹線開業から12年、
ようやく県都の新幹線駅前らしいまちづくりになってきたようだ。
今回売買契約書を結んだのは、
徳島市に本社を置く建築・不動産業を営む「パルハウス」という会社。
どっかで聞いたことある社名だと思ったら、
前回の東横インの建設でもこの会社が参加している。
しかも今回売買契約を結んだ土地が東横インの北側。
その繋がりもあってなのか複合ビルの整備に名乗り出た。
これでまた東口の風景も少しは変わるだろう。
しかしながら残念なニュースも。
同じく東口に整備を予定していたABホテル(愛知県安城市)が、
コロナ禍により需要が見通せないとして撤退を正式発表。
こちらは地上8階建て131室のホテルを予定していた。
当初は2020年秋の開業を目指していたが、
資材価格高騰の理由で翌年に持ち越し。
しかしそこにコロナの追い打ちもあって、
動きが凍結状態に。
開業時期が固まらないまま半ば放置状態となっていたが、
手つかずのまま撤退してしまった。
青森市の担当者は早期の売却に努めるとのことだが、
本来なら土地区画整理事業は今年で終了。
発破をかけてやらないと冗談なしで間に合わなくなってしまうが、
果たして無事全区画売却できるのだろうか?
まあ、違う角度から解釈すれば、
ABホテルが撤退した代わりに、
長期滞在型ホテルが進出してきたので、
埋め合わせといえば埋め合わせになるが、
土地区画整理事業が今年で終わることを鑑みれば、
やはり苦渋の決断になるのではないだろうか。
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