今回はバスに関する話題をお届けしよう。
2023年9月20日、
日本で初めてバスが走り始めてから120年が経過した。
発端の地は、全国・世界から人々が訪れる観光地・京都市で、
明治36年(1903年)9月20日にバスの運行が始まったという。
京都市にある観光地を巡る際に、
多くの人がお世話になっているであろうバスと言えば・・・
そう、京都市営バスだ。
京都市営バスと聞いて、
全国ニュースでも度々報道されているが、
外国人観光客の利用がキャパシティーを越え、
しまいには地元である京都市民の普段の通勤通学に、
大きな支障が出ているという問題も起きている。
これを機に、京都市民と観光客の利用を分散させるために、
増便や経路変更などの対策をとっているようだが、
果たして抜本的な解決になるのだろうか。
さて、京都市営バスの話はここまでにしておいて、
我が青森県でも、
人口減少社会という厳しい環境に置かれている。
つい最近である9月には、
大阪府富田林市をはじめとするエリアに路線網を構える金剛自動車が、
バス事業の廃止を表明。
バス業界に大きな激震が走った(乗合部門しかやっていなかったのも要因と言われる)。
無論、全国的にバス事業者は、
人口減少社会で厳しい経営状況に立たされているのは、
言うまでもない。
しかし、そんな環境下、
市民一人ひとりの意見をくみ取って経営を維持しているバス事業者がある。
そう、県都・青森市民の足を支える青森市営バスだ。
青森市営バスは大正15年(1926年)3月6日に発足したが、
これが東京都に次いで全国で2番目に長い歴史を持つ公営バスということは、
意外に市民でも認識している人は少ない模様。
青森市企業局交通部のホームページを参照すると詳しく情報が得られるが、
本線(青森駅前~合浦公園前) と筒井線(堤橋~筒井)、
それに山手線(浦町~塩町)の3路線を開業させたことが始まりである(塩町は現在の青柳付近)。
その後、町村合併により路線網が拡大し、
津軽半島の最北端である三厩や平内方面にまで広がったほど。
一時期は上北鉱山や田代平方面にも足を延ばしていたという、
まさにカオスな時代であった。
しかし、令和である現在でも、
青森市営バスでは高頻度&多系統運行をキープしており、
この人口減少社会においても何かと健闘していると感じられる。
というか、ここ最近で「減便」という言葉を聞いたことが無い。
確かに、採算性が低い路線に関しては、
平成23年度から路線再編とあわせて民間事業者への委託が始まり、
それが現在の「市バス」として10路線運行されるようになったが、
その際、これといった減便はしていない。
平成27年度(2015年度)時点では、
営業路線数が35路線、
運行系統数が163系統、
バス停留所が741基あり、
これは青森市の人口からしてみても、
実に大規模な交通ネットワークを構築している。
ダイヤに関しては、
特に都心部(青森駅・古川・市役所前周辺)では、
概ね3分に1本以上という、
超高頻度運行を実現しているほど。
時間帯によっては1分に3本来るという、
山手線を超すカオスな光景を目にすることができるレベルw
これほどの高頻度運行ならばマイカーも不要なほどであろう。
まあ、現にこれほど利便性が高いのは、
青森市内の鉄道の本数が少ないため、
バスのほうに需要が偏っているのも要因の一つである。
特に、東部方面と西部方面を行き来する際、
青森駅での乗り換えが必要になるが、
バスだと直通運転されているため、
1本でアクセス可能という点が利用者から評価されている。
と、このように人口減少社会においても、
高頻度&多系統運行をキープしている青森市営バス。
これから更に人口減少が進むと言われるが、
いつまでも市民のためのバスであり続けてもらいたいものだ。
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