1月16日付の東奥日報朝刊で、
ある興味深い記事を見つけたのでご紹介しようと思います。
その中身とは、
八戸市が中高生に対して実施したアンケートにおいて、
「八戸市に住み続けたいか」という内容であり、
「住み続けたい」・「最終的に八戸市に住みたい」・「市外に住みたい」・「市内の他地域に住みたい」・「分からない」の5項目が用意されています。
早速その結果はどうなったのかというと・・・
「住みたい」・「市外に出たい」はいずれも4割程度
項目 | 割合 |
住み続けたい | 18.3% |
最終的に八戸市に住みたい | 22.0% |
市外に住みたい | 38.5% |
市内の他地域に住みたい | 6.6% |
分からない | 14.6% |
以上のような結果となったようです。
さて、まずこのデータから読み取れることは、
どれだけの中高生が八戸市に住もうと思っているのか?
となりますね。
住むタイミングはどうであれ、
最終的には八戸市に住むと回答した割合を算出してみると、
「住み続けたい」・「最終的に八戸市に住みたい」・「市内の他地域に住みたい」
の3項目となるため、
これらを合計すると46.9%となります。
一方、「市外に住みたい」と回答した中高生の割合は38.5%。
これと比べ「八戸市に住みたい」のほうがやや上回っていますが、
この結果を見てあなたはどう思いましたでしょうか?
個人的には結構高い数値だと正直なところそう感じました。
もう一度見ると、
「市外に住みたい」と回答した中高生の割合は38.5%。
つまり4割近くもの中高生が八戸市から出たいと思っているということになるのです。
しかも中高生は当然ながら若年層に分類されるので、
仮に結果通り4割近くの中高生が出ていった場合、
ますます少子化を加速させてしまうという、
地域活性化における懸念材料以外の何物でもありませんね。
なお、今回のアンケートでは、
「市外に住みたい」と回答した中高生のうち、
具体的にどの地域に住みたいかは詳しく公開されていないのでアレですが、
県庁所在地である青森市よりも、
まあ恐らく関東地方あたりが多数を占めるでしょう。
アンケートでも「都会で働きたい」「進学したい学校が無い」「親元から自立したい」
といった意見が大多数を占めていたため、
これらから考察できます。
八戸市は誘致企業が多いが・・・
では逆に、
客観的に見て八戸市は若年層にとって住みやすい街なのでしょうか?
八戸市外で働きたいと回答した中高生の胸の内の裏を返すと、
結局のところ「給料の高い仕事に就きたい」というニュアンスと言えるので、
まずは所得の面から触れてみます。
先日当サイトでも取り上げた「2016年青森県市町村民所得」において、
八戸市は2,746千円となっており、
これは県庁所在地である青森市の2,549千円を上回る数値となっています。
加えて八戸市は東北有数の工業都市であるがゆえ、
これまで市は多数の企業を誘致しています。
例えば大手の三菱製紙や、
ヤフーといったITなどの会社も多数存在し、
企業誘致活動においては割と優れているように思います。
確かに青森県自体所得が全国ワーストレベルなので、
今回のアンケートで4割近くが八戸市から出たいと回答した中高生の胸の内は理解できますが、
冷静かつ客観的に最近の八戸市の情勢をうかがうと、
意外と健闘しているように思えますよ。
しかしながら、
企業側にとって八戸市に進出するのは好条件であるかもしれませんが、
肝心なところは労働者側ですね。
やはり賃金が上がらないと不平不満も噴出しますし、
結局それが影響して関東地方などに出ていってしまい、
市の人口も維持できません。
急速な人口減少社会の中、
その点はむしろ緊急課題なのではないでしょうか?
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