今回も連日報道が飛び込んでくる弘南鉄道の赤字経営問題についてのニュースです。
弘前市は2020年2月5日、
2020年度において弘南鉄道を維持するための資金額を4851万6千円とすることを明らかにしました。
桜田弘前市長も「今、弘南鉄道を失っては、二度と手にすることができない」とし、
弘南鉄道維持へ向け前向きの姿勢を表しているようです。
それにしても、2012年にあえなく廃止となった十和田観光電鉄とはまるで行動が違いますね。
上記のように弘南鉄道では沿線自治体が支援を積極的に行うとしていますが、
十和田観光電鉄の場合は利用者が増える見込みがないことを理由に、
当時沿線自治体も出資に一切協力しませんでした。
売上回復も期待できないと判断したことから、
廃止へ一直線の状況だったのです。
あのやる気のなさが垣間見えた十和田観光電鉄線とは異なり、
とりあえず弘南鉄道の場合は維持へ向け沿線自治体が出資をしていることから、
即座に廃止という危機的状況からは一応開放されたのだと思います。
一方、一部の弘前市議会の議員側からは、
「一企業の赤字(解消)になぜ、市が入っていくのか」
という疑問の声があったようですが、
やはり人口減少が著しい地方の中小私鉄の経営を改善するためには、
沿線自治体からの出資が無いと維持するのには到底厳しいのでしょう。
しかもそこらの民間企業とは異なり、
鉄道は公共性が高いものですから、
公的機関である地方自治体が経営改善に乗り出しても良いのではないでしょうか?
勿論、弘南鉄道単体での経営努力はするべきですが、
そもそもお金に余裕がないので、
ある程度なら沿線自治体から助けを求めてもよろしいと思います。
何より現に青い森鉄道は上下分離方式と言って、
線路や駅舎、電化設備などの下に相当する部分を青森県が保有、
車両の運行は青い森鉄道が行うことで、
青い森鉄道にとっては鉄道インフラの維持の負担を軽減しています。
この上下分離方式を採用したことでギリギリですが青い森鉄道は黒字となっていますし(まあかつての線路使用料減免措置はありますが・・・)、
これをみても一応官民連携による鉄道収益拡大にはそれなりに貢献しています。
第三セクター鉄道に転換すべきとまでは言いませんが、
弘南鉄道でも官民連携の措置を積極的に行うべきでしょう。
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