6月8日のJR東日本盛岡支社のプレスリリースによると、
奥羽本線(青森~秋田間)及び津軽線(青森~蟹田間)において、
7月1日より線路設備モニタリング装置を導入すると発表しました。
モニタリングというのはいわゆる遠隔監視システムのこと。
車両に取り付けた装置から線路のゆがみ状態を測定したのち、
そのデータをもとに改修するかを判断するというものです。
※津軽線(青森~蟹田駅間)・奥羽線の線路設備モニタリング装置使用開始について
モニタリング装置は2つあり、
1つはレーザーと加速度計及び車体の傾きを検出するジャイロ装置から成り立つ「軌道変位モニタリング装置」。
ジャイロといえばよくゲーム機に導入されている装置として耳にしますよね(マ〇オカートなど)。
もう一つは「レール」「ボルト」「継目板」「締結装置」を撮影する「軌道材料モニタリング装置」というものです。
走行時にこれら4か所をチェックし、
それをもとに歪んでいないかどうかをコンピュータに表示されたデータで判別できるとのことです。
従来の方式では、
JRの在来線で運がいい時に見れる軌道検査車「East-i」を使って、
3か月に1回のタイミングで線路のゆがみ度合いを測ったり、
場合によっては現地に作業員を動員して手動でメンテナンス作業を行ったりしていたものが、
モニタリング装置を導入することで、
駅を除き列車を走らせるだけでゆがみを確認できるというものです。
もともとEast-iというのは3か月に1回ほどしか走らないうえ、
他の線区の線路状態もチェックする必要があることから、
検査回数には限界がありました。
しかし新システムでは奥羽本線および津軽線で「走るんです」こと701系の床下に装置を取り付けるため、
わざわざEast-iを走らせなくても、
営業運転中の走るんですを使うことで自動的に線路のモニタリングが可能ということなので、
そうなるとチェックの頻度が格段に上がりますね。
プレスリリースの図では3月~5月の間に9回ほどの点検頻度になっています。
今のところ導入するのは701系4編成のみというわけですが、
他線区での車両への導入も拡大すればEast-iの出番は徐々に減っていくのでしょうか?
ただ、プレスリリースを見る限りではEast-iによる点検も継続するニュアンスを示しているので、
直ちにお役御免になる可能性は低いと見られます。
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