「全国幹線旅客純流動調査」とは?
1カ月前の話になりますが、
大晦日の東奥日報表紙に気になる記事が載っていたのでご紹介します。
「青森県⇔首都圏107万人増 新幹線全線開業効果」
そもそもこれはどういう内容なのかというと、
つまりは2010年の東北新幹線全線開業によって、
青森県と首都圏(埼玉、東京、千葉、神奈川県)を移動する人が107万人増加したというものです。
これは、1年間にわたり青森県と首都圏を移動する人の数を、
2005年度と2015年度で比べたものであり、
その結果107万5千人増えたことが判明しました。
この調査は国土交通省が実施したものであり、
「全国幹線旅客純流動調査」といって、
国土交通省が国内の旅客流動の実態を把握するために行いました。
詳しくはこちらを参照↓
幹線交通機関ごとの輸送実績調査やアンケートの結果をベースにしており、
5年に1回実施しているとのことだそうです。
今回は、その2015年度分が既に2019年7月に公開されており、
5年前の2005年と比較すると107万5千人増加したというのです。
では、過去3回分のデータもついでに見ていきましょう。
鉄道利用が圧倒的増加!
年度\交通機関 | 鉄道 | 航空 | 乗用車等 | バス | 合計 |
2005年度 | 1,657 | 686 | 200 | 188 | 2,731 |
2010年度 | 1,912 | 582 | 207 | 130 | 2,831 |
2015年度 | 2,755 | 512 | 318 | 221 | 3,806 |
(単位:千人)
東奥日報に掲載されているデータを参照して、
独自でグラフを作成してみました。
これによると、
全体で2005年度では2,731千人だったのに対し、
2015年度になると3,806千人に急増。
増加率は約39%と高い数値を記録していますね。
また、グラフの青の部分は鉄道利用、
つまり東北新幹線を利用している人数になります。
こちらは2005年度が1,657千人だったのが、
2015年度では2,755千人に急増し、
増加率は約66%と非常に高い割合となっています。
いかに鉄道利用が追い上げているかが浮き彫りになっていますね。
鉄道利用が増えている根拠としてはこのほかにもあります。
お馴染みのJR東日本が毎年7月頃に公開している線区別利用者数の東北新幹線の項目を見ても、
盛岡以北の利用者数は開業当初と比べ順調に増えています。
そして2020年3月のダイヤ改正でも、
東京~新青森間の「はやぶさ」が3往復増発、
東京~仙台間の「はやぶさ」の運行区間が新青森まで延長されます。
この状況から見ても、
ようやく青森県民に東北新幹線が定着してきたという感じがしますね。
当初整備新幹線はあまり利用者数が見込めないと言われていましたが、
今になってからはその理論は崩れ始め、
むしろ利用者数は毎年増加しているところが多くなっています。
北海道新幹線札幌開業後の暁には、
どのぐらい利用者数が増えるのでしょう。
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