再び弘南鉄道の支援についてのニュースだ。
弘前市などは2月8日、弘南線と大鰐線に対し設備の安全対策や利用促進のため、
2030年度までの10年間で総額9億5420万円に上る支援金を出すことを明らかにした。
弘南鉄道は津軽鉄道と並び東北地方で数少ない私鉄であるが、
沿線自治体からの支援金を受け取るという時点で、
もはや第三セクター鉄道と化しているではないか()
そしてそれ以上に衝撃的な内容が。
より経営が厳しい大鰐線に関しては、
2023年度末に支援の効果をチェックした後、
それでも収支が改善しない場合は、
何と“廃線”の考えも含んだ路線の在り方を協議するというのだ。
新型コロナウイルスによる利用者数減も相まって、
収支状況はかなり厳しい大鰐線だが、
遂にここへ来て廃線の話が”再び”浮上してきてしまったではないか・・・
尚、再びと表記したのは、
大鰐線については2012年頃に一度廃線の議案が上がったためである。
しかし、その頃は沿線自治体及び利用者からの強い要望により、
何とか廃線は回避したものの、
いよいよ大鰐線の体力も限界にまで近づいている。
ただでさえ利用者数減少で経営が厳しい大鰐線だが、
これにコロナの影響ものしかかったため、
あれから10年近くが経過した今日、
そろそろ本気でヤバいのではないかと個人的には思っている?
つまり、2023年度までにある程度の成果を出さないと、
冗談なしで廃線させる可能性も大いにあるということだ。
一方、弘前市議会議員全員協議会では、
大鰐線の収入の目標値を2023年度までに、
1.5倍の利用者数に増やすというのだが、
果たしてこれは実現可能なのだろうか?
市議からは案の定「絵に描いた餅」と、
利用者数1.5倍増の構想に対し強い疑問を抱いているが、
私もこの構想はさすがに無理があるのではないかと思う。
まずは、増やすというよりいかに利用者数を現状維持できるかだけでも精一杯だろう。
で、これまで割安切符などの発売で利用促進を図ってきたが、
案の定効果はイマイチ。
その程度の施策では利用者数を回復できなかったことが証明されている。
このご時世、特段沿線人口が増えるわけでもないため、
依然として大鰐線の収支は厳しい状況にある。
やはり根本的な施策に頼るしか方法はないのではないだろうか?
そういう意味では、
以前の記事で取り上げた、
動線を確保するための弘前駅への直通化、
加えて大鰐線のライトレール及びBRT転換にも焦点を当てていく必要があると思われる。
もしくは名古屋市などで導入されているガイドウェイバスも一案として考えておくのも良いだろう。
名古屋市のガイドウェイバスは全線高架であるため莫大なコストがかかっているが、
海外では地上に通しているため、
鉄道よりもランニングコストを大幅に圧縮できる。
とにかく大鰐線維持のためには、
上記のような根本的な施策を今すぐに検討すべきではないか?
あと、ただ支援金をもらうだけでなく、
弘南鉄道自らも新しい発想を生み出していくべきだ。
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