これは経営が厳しい弘南鉄道にとって増収が期待できるかもしれません。
弘南鉄道では2020年度から、
埼玉県の秩父鉄道が所有するSLの車輪整備を始めたことが明らかになりました。
これまで秩父鉄道ではSLに使われる部品の修理作業を、
大阪府にある「パシナ」という会社に委託していたのですが、
今回はそのパシナが弘南鉄道へ作業の依頼を送ったというのです。
つまり秩父鉄道がパシナに修理作業を委託し、
そこからさらにパシナが弘南鉄道へ修理作業を委託していることから、
「再委託」ということになるのでしょうか?
そもそも鉄道車両は何回か走っているうちに、
レールに接する車輪の外周面に凹凸ができ始めます。
この凹凸を整えるのが「車輪削正(しゃりんさくせい)」という作業です。
しかし弘南鉄道ではこれ以外に、
自動車でいうタイヤをホイールの部分に当てはめる「焼き嵌め(やきばめ)」という作業を、
長年にわたり代々続けてきました。
そもそも現在の鉄道車両では、
車輪とホイールが一体となった造りであることから、
焼き嵌めの作業自体が要らなくなりました。
ところが弘南鉄道では今でもこの焼き嵌めを続けているというのです。
でも、なぜ今の時代要らなくなった焼き嵌めを弘南鉄道はあえて続けているのでしょうか・・・?
あくまでも推測の一つですが、
弘南鉄道が保有する車両が元東急の古い車両であるがゆえ、
構造そのものが昔の設計になっている、
つまり車輪とホイールが一体ではなく別々の造りになっているから、
今でも焼き嵌めが行われているのだと思われます。
よって、全国の鉄道会社で焼き嵌めの技術があるのはかなり珍しいというのです。
既に弘南鉄道が保有する元東急車は、
少なくとも1960年代あたりから運用を開始しているため、
既に半世紀以上使っていることになります。
流石に古いため足回りやボディの更新は何回か施していると思われますが、
とは言え半世紀以上も経過した車両を弘南鉄道が未だに使っていること自体、
ある意味恐ろしいですねw
更に、観光鉄道を除く日本の普通鉄道では、
唯一冷房の設置が行われていません。
つまり昔キハ40系等の天井にあった扇風機をフル回転させて夏の時期を乗り越えているのです()
この体たらくをうかがうと、
現役車両にいつ限界が来てもおかしくないような状況ですが、
年を幾度越しても新車が来る気配を全く感じさせません。
まるでJR東日本の走るんですみたいですねw
あれもいつまで使い続けるつもりなのでしょうか?
まさか令和30年まで使うわけではないですよね()
ちょっと衝撃だったのが、
先日奥羽本線に乗った際、
ピンクの塗装が無残に剥がれ落ちているシーンを見てしまいました。
でも今年は大型ラッピングもやっていないので要因はそれではないはず。
きっと何らかの理由で剥がれ落ちたのだと思います。
とは言え、塗装が剥がれ落ちた車両が街中を走っているのは、
何だか身の毛もよだつような感覚ですね()
そのうち世紀末車両と言われそうな気がしますw
まあ走るんですは置いといて、
今回の焼き嵌め委託で弘南鉄道では増収の期待ができます。
更に他社から委託を受ければ、
相当な収益が見込めると思われます。
利用者数減少やコロナの脅威で経営が火の車状態になっている弘南鉄道にとって、
これは大きな希望の星になりますね。
焼き嵌めの職人だからこそ生まれた画期的なアイデアだと思います。
このアイデアはなかなか外部の人間からは思い浮かびません。
まさに今増えているシェアリングエコノミー的な作戦ですね。
もし増収の効果が大きければ、
次第に利用者への恩恵も生まれると思うので、
今後に期待しましょう。